11話
サトリ「それで人間どもの要求は?」
シン「話し合いで決めるから待っていてくれとのことです」
サトリ「舐められているな」
シン「ハッ。ですが、勝手に滅ぼしても良いのかと」
サトリ「この国の全権をお前に課した。この意味はわかるな?」
シン「かしこまりました。恐れ多くも願い事を聞き入れてもらいたいのですが」
サトリ「どうした?」
シン「この国にもバリケードを作っていただきたく」
サトリ「そのようなことか、良いだろう」
シン「ありがとうございます」
―
「これはシン殿、いつの間にあのような壁をお築きに…?」
シン「昨日だ」
「ほう…それは相当な軍事力を有してお有りのようだ」
シン「今日の話は一体なんだ?」
「確認致しますが、シン殿は魔の者ですな?」
シン「そうだが、何か関係あるのか?」
「いえ…それでは心置きなくできると思いまして…!」
シン「はぁ…」
「お前らこいつが私に危害を与えた!殺される!助けてくれぇ!」
シン「なるほどな、それがお前らのやり方か」
「これでお前もこの国も私たちのモノだ!」
シン「それで?お前の助けとやらはいつ来るんだ?」
「な、なぜこない…」
シン「この国にいる者がすでにお前一人しかいないからだ」
「私の兵隊はどうした!」
シン「お前がこの部屋に入った時点で既に兵は全て投獄した。話が決裂になった瞬間全ての兵は魔の領域に連れてい
った」
「なぜ、そんなことが…」
シン「重要な部屋で盗聴されていないとでも思ったか?」
「くっ…ここで私が死ねば国が総出でこの国を潰しにかかるだろう!それでも良いのか!」
シン「それは困るな。それでは帰って良いぞ。無事に帰られたのならば、な」
「魔物風情がっ…!」
シン「その魔物風情にこの為体は芳しくないのだろうな。私兵を全て捕虜にされ、お前への評価も大層落ちるだろうな。
魔物風情に負けたものとして」
「クソガァー!」扉を思い切り開け、出ていく。途中誰かとぶつかるが気にしない。