10話
サトリ「哀れ」
クルード「お見事。魔神は伊達ではありませんね」
サトリ「ただ憎悪を増幅させただけだ。人間は脆い、底にある憎悪を燻れば国をも滅ぼす。それだけだ」
クルード(憎悪を持たぬモノなどいるのであろうか…)
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サトリ「醜いモノだな。物として扱っていた者どもに殺されるとは」
「わ、わが…はい…は…王…な…る…ぞ…」
国王だったモノが動かなくなる。
サトリ「戯言を」
クルード「それは戻りましょう」
サトリ「あとは頼んだぞ」
クルード「この国を再建させてみます」
二人は光に包まれ、消える。
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クルード「マギルは風の四天王シンに任せたいと思います」
サトリ「裁量は全てお前に任せる」
クルード「はっ」
シン「お任せあれ」
サトリ「期待している」
クルード&シン「失礼します」
サトリ「第一の足掛かりとするか」
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王国にはシンを含む約半分の魔物がマギルへ移った。
2ヶ月もすれば食料事情などはほとんど回復していた。
そして安定すると繁殖活動も行われ始める。
こればかりは人間と一緒で子供は戦力にならないため、子供が出来次第、領域に戻ってくる。
ただし、人間より成長スピードが速いので5年くらいで十分な戦力になり得る。
だが、若い魔材を失うわけには行かず、5本指が指導を行なっている。
三賢とクルードによって法整備も滞りなく済む。
クルード「サトリ様、シンからの言伝で人間が来るとのことです」
サトリ「そうか、ついに来たか」
クルード「飛びます」
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サトリ「ほう、だいぶ変わったな」
シン「ありがとうございます」