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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

コメディー

ウサギ達とカメ達

作者: 本羽 香那

 この作品は中学生の時に考えた原案をもとに書いた作品です。

 温かい目でご覧いただけると嬉しいです。

 

 あるところに足の速いウサギ達がいました。

 ウサギ達は仲間とかけっこするのが大好き。

 いつものように仲間とかけっこをして

 楽しんでいると、とてもゆっくりと歩いている

 カメを見かけました。


 そんな姿を見たウサギ達はカメがいる前で

 「おっせな〜。あんなんじゃここから丘まで

  何時間かかるんだよ」と大笑いしました。


 それにムッとしたカメは

 「この中で一番足が速いのはだれですか?」

 と尋ねました。


 「俺が一番足が速いよ。隊長の右腕の俺がね」

 と自信満々に答える大きなウサギ。

 (大きいと言ってもあくまでウサギの中でですが)

 このウサギはこの軍団の中で一番足が速く、

 いつも仕事に駆り出された時には倒す相手を

 追跡する役目を担っていました。

 そんな中、隊長はお前は俺の右腕じゃねえよ

 と呟いています。


 え、まさかのウサギの中で軍団なんて

 存在したの?

 もし本物の軍団だとして何故こんな所で

 遊んでいるんだ? 

 それに右腕って自称かよ。


 こんな意味不明な状況をカメは

 なんとも疑問に思わず

 「では、僕と勝負してください!

  こう見えても仲間の中ではとても足が速いの

  です、本気を出したら簡単に勝てますよ」

 とこちらも自信満々に答えました。

 (こちらもカメの中ではですが)


 ウサギ達はカメが遅い上に自惚れやであることが

 分かり、ますます大爆笑。


 そんな姿を見たカメは

 「今に見てろ!」とすぐにスタンバイします。

 

 スタンバイしているカメを見てウサギも

 ゆっくりとスタンバイしました。


 仲間のウサギが腕を下げ、

 「位置について、よーい、ドン!」

 と腕を上げます。

 

 早速かっけこが始まり、

 そしてすぐに終わりました。


 勝ったのはまさかのカメ……なわけがなく、

 もちろんウサギ。


 カメは悔しく悔しくて思わず

 地団駄を踏みました。

 どうやら、カメはウサギに勝てると本気で

 思っていたようです。

 

 その反対にウサギ達はまたまた大爆笑。

 面白い光景が見れて大喜びです。


 カメは地団駄を踏むのをやめ、

 「もう一度お前に決闘を申し込む。次は1週間後。

  この場所で勝負だ!

  今度の勝負は丘まで行って、

  そして元のこの場所に戻ってくる。

  どうだ受けないのか?」

 とウサギに指を突き立て再び挑戦状を

 叩きつけました。

 (これって決闘ではなく単なるかけっこでは?)

 

 どうやらこのカメは全く懲りていないようです。

 ウサギ達は呆れましたが、逆に面白いと思い、

 「分かった受けてやろう。ただし、もしお前が

  負けたら、お前は逆立ちして謝罪しろ。

  良いな?」

 と笑いながら引き受けました。

 カメの返事は

 「そちらが負けたらさっき言ったことを

  仲間の全員で行えよ」

 と条件を付け加えて可決しました。




 1週間後、約束の時が来ました。

 天気はかけっこには最適な見事な快晴。

 太陽が応援してくれているのかもしれません。

 (いや、たぶん関係ない)

 2匹はスタンバイをして構えております。

 その周りには仲間のウサギ達とカメ達が

 見守っています。

 

 さあ、今決闘の時。

 (ただのかけっこですが)

 緊張の空気が漂っています。

 

 仲間のウサギが腕を下げ、カメの仲間が

 「位置についてよーい、ドン!」

 と声を上げ、ウサギが腕を上げました。

 2匹の勝負が今始まりました。

 

 先行を切ったのはもちろんウサギ……

 ではなくなんとカメ!?

 誰かこんなことを予想したのでしょうか?

 カメはあっという間にウサギを離していきます。

 そしてウサギがようやく半分達した所で、

 カメは帰ってきたのでした。

 

 なんとも予想しなかった展開に誰もが

 びっくり仰天!

 カメはこれ以上にないほどの笑みを浮かべて

 「約束を守ってもらおうか」

 とウサギを踏みつけました。

 カメのためあまり肉体的なダメージは

 ありませんが、

 精神的なダメージは抜群でした。

 もう逆立ちで謝罪するしかないと思ったその時、

 ある一匹が声を上げました。


 「異議あり!これは明らかにおかしい」

 その声の主はまさかの走ったカメの仲間。 


 ウサギ達はざわめきましたが、

 カメの仲間は気にせずに続けます。


 「そもそも、種族が違うのだから努力とか

  どうかとかでなるもんじゃないんだろう。

  たった一つの方法を除いてなあ」


 その言葉にウサギ達は再び驚愕しました。

 ウサギ達はその言葉の続きに耳を傾けます。

 

 「それはドーピングだよ、ドーピング。

  実は最近、本来の時速の約800〜1000倍ほど

  増強させるとんでもないものができたんだ。

  今すぐ調べてごらん。

  ドーピングが検出されるよ」

 

 そんなドーピングが存在するとは知らなかった

 ウサギ達はまた再び驚愕。


 と言うか、そもそも読者もそんなドーピングが

 あるなんて驚きですよ。

 まあ、たぶんこの世界では

 存在するのでしょうね。

 私達の世界にこんなものがあったら

 大変でしょうけど……


 ウサギ達は早速カメの体を調べるとアッサリと

 ドーピングが検出されました。

 

 「何故こんなことをお前が言うんだ?」

 とカメは激怒。

 やはり、カメはドーピングをしたことに対しては

 全く反省しておりません。


 おいカメ、お前がやってることは、

 やったことを後悔するのではなく、

 捕まったことを後悔している罪人と同じだぞ。

 と言うかここでは許可なくドーピングを使うこと

 自体が犯罪らしいからすでに罪人か。

 

 そんなカメにカメの仲間は次のように

 冷たく言い放ちました。

 「お前ウザいんだよ。いつも偉そうな態度を

  とって本当にムカつくんだよ」


 すると他のカメの仲間達もそうだそうだと、

 まさに異口同音。

 カメは初めて彼らから嫌われていることを知り、

 そして裏切られたことを悟りました。


 こうして、後から現れたトラの警察官達がカメを

 連行していきました。


 なるほどなるほど、この世界ではどうやら

 それぞれの種族で役割を決められているらしい

 ですね。

 それなら、ウサギ達が軍団だったことが

 良く分かります。

 でも、トラが警察官と言うのは分かりますが、

 ウサギが軍団ってやっぱりイメージができにくい

 ような……

 やっぱり、よく分からん。

 まあ、そこはツッコミな

 と言うことなのでしょう。

 そんなことは今は置いときましょう。

 

 まあつまり、相手に嫌われる態度を取り続けては

 いけない、犯罪に手を染めてはいけないと

 言うことです。


 おしまい……の前にもう少しだけ後日談を。



 トラ達は

 「お前達、国家の軍団のくせに仕事を10年も

 サボりやがったな。これは国家に対する冒涜。

 お前達全員逮捕だ」 

 とウサギ達を引き連れていきました。

 

 おいおい、お前達そんなにサボっていたのかよ。

 毎日遊んでいると言っていた時点でおかしいな

 とは思っていたけどな。


 そんな連行されていくウサギ達をカメ達は

 ボーと眺めていると、

 「お前達も同様だ。違反の薬品ドーピングを

 許可なく所有しているとはこれも国家に対する

 冒涜。おまけにこれらを使って金儲けするとは

 言語道断。逮捕する!」

 とカメ達まで、

 つまり全員捕まってしまいました。

 

 はあ、お前達もカメとやってることと

 変わらないよね。

 と言うかそれ以上じゃね?


 つまり、仕事はお真面目に、

 そして、悪用して金儲けはしてはいけない

 と言うことです。 


 今度こそ本当におしまい。

ご覧いただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 昔話のパロディ、大好きです。 本編のドーピング、とても秀逸なアイデアだと思いました。よく思いつきましたね。 風刺も含めてよくできていると思います。
[一言]  悪いことすると、得したより、そのあとがめんどくさくて損をする。  罪刑法定主義と自由意思による利益衡量からの、防犯思想ですね(犯罪学旧派)。現実社会では、失敗しましたが(汗)  うさぎとカ…
[一言] まさかの展開!! いやはやカメ達もカメ達で罪深かったのですねぇ(;゜Д゜)
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