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竜の仔

ラグエル「へっへっへ、寝てる親父に落書きしたろ」

起床後ミカエル「……ラグエルだなコレ。まあいいでしょう(寛大)」


ラグエル「休憩中の親父に放屁したろ」ブッ

休憩中ミカエル「うわくっさ。スカンクかよお前」


ラグエル「親父のプリンあるじゃん。もらったろ」


デスミカエル君「  こ  ろ  す  」



「お帰りなさいませマカール様、ミカエル様。お部屋でアナスタシア様がお待ちかねです」


「「ん、ありがと」」


 兄上とそっくりな声質の声を見事にハモらせ、一挙手一投足に至るまでを完璧にシンクロさせながら一緒に階段を上がった(こんなところで兄弟アピールせんでもろて)。


 しかし重い、気が滅入る。


 クソのような重大発表がある、と薄々勘付いた状態で相手のところに赴く事ほど気の滅入る話はないだろう。最悪な話を聞かされると分かっていて、けれども回避不可能なのだ。右にも左にも避けられない状態で、最悪の結果目掛けて急転直下のジェットコースター。何の冗談だこれは。


 多分思考もシンクロしてるんだろうな……と思いながら姉上の部屋のドアをノックする。


「「……」」


 応答がない。


 あれれ、おかしいな。


 兄上と顔を見合わせ、同時に首を傾げた。


「「姉上?」」


 コンコン、ともう一度ノック。


 しかし応答はない……気のせいか、部屋の中からアニメの効果音とBGMっぽい音が漏れ聞こえてくるので、誰かは部屋にいるのだろう。


「「入りますよ?」」


 ガチャ、とドアを開けた。









《ミカミカ☆本気狩る(マジカル)チェーンジ!!》








 ドアを開けた瞬間に聴こえてきた、聞き覚えしかないアニメのセリフ。


 部屋の中に置かれたカラーテレビと、その画面に映し出される変身中の魔法少女。そして光に包まれ変身中の魔法少女を食い入るように眺める視聴者たちの背中。


 画面もそうだが、視聴者たちの後ろ姿にも見覚えしかない。


「「……」」


 あれ、僕らお部屋間違えた?


 おかしいな、とドアを閉めて一歩下がり深呼吸。ここまで一挙手一投足の全てが兄上とシンクロ中なミカエル君である。


 ちら、と部屋のプレートを確認。そこには確かにアナスタシアという部屋の主の名前が刻まれたプレートがあるし、部屋の位置的にも間違いではない筈だ。


「……ミカよ」


「なんです」


「お前、もうちょい仕事選べ」


「だってギャラいいんですもん」


「いいのかお前、そんな自分の尊厳を切り売りするような事して!?」


「尊厳破壊された分はちゃんと還元されてるんですよ俺の口座に!!」


「あらやだ律儀!!」


 ちなみにさっき流れてたのは『魔法少女ミカエル君』。もっと本気狩る(マジカル)、という副題の添えられた第二期である。


 白黒テレビをすっ飛ばしカラーテレビがイライナに普及してからというもの、流れてくる番組はニュースや音楽番組、大人向けの映画ばかりと子供向けの番組が殆どなく、子供たちは退屈そうにしている事が多かった。


 それを哀れみ、同時にビジネスチャンスと見たパヴェルは何をトチ狂ったか『スタジオ・パヴェル』というアニメスタジオを設立。彼の同人誌に性癖を破壊されながら育ったオタク諸氏や元アニメーターの転生者を世界中からスカウトし、まだ1907年だというのに最高レベルの作画とCGを活用した2020年代レベルのハイクオリティなアニメを毎週放送するという暴挙に出たのである。


 もちろんそれは大ヒットし、第二期どころか劇場版まで製作が決定している。ちなみに劇場版のアフレコは5日前に済ませてきた。


 ちなみに『魔法少女ミカエル君』のモデルと中の人はその……ハイ、俺です。


「「……」」


 もう一回、ドアを開けた


《ボリシェヴィキ将軍! 今日という今日は許さないにゃん!!》


《ガッハッハ、来たな魔法少女ミカエル君! 貴様こそラーゲリに連れ込んで共産主義のすばらしさを骨の髄まで植え付けてやる! あと好きです付き合ってください。行けぇ革命怪人たち!!》


《《《ウラァァァァァァァァァァァ!!!》》》


「ミカにゃん頑張れ!」


「そこだドロップキック!」


「物理で攻めろ物理で!!」


 テレビを至近距離で覗き込むアナスタシア姉さんとジノヴィ兄さんとエカテリーナ姉さん。3人とも、後ろに本物のミカエル君がいる事に気付いていないみたいにゃん。


 肩をトントンしても尻尾で鼻先をモフモフしても全然リアクションが返って来ないので、仕方なく椅子を2人分引っ張ってきてマカールおにーたまと2人で仲良く座りながら一緒にアニメ鑑賞を開始。やたらと超絶作画でバチクソに動く自分の姿に驚きつつも、あっという間にエンディング。このエンディングテーマのレコードの売り上げが国内最高を記録したって話したっけ?


《次回、魔法少女ミカエル君『共産主義と資本主義、ミカにゃん引っ張りだこ』! お楽しみに!》


「ふー……神回だったな今回」


「姉上気付きました? ドロップキックする時一瞬パンチラしてましたよ」


「そマ?」


「ほらここ! ここです!」


「あらまあ見事ないちごパンツ!!」


「「ミカにゃんいいわぁ~」」







「 ン ン ッ 」








 咳払いするなり、姉上と兄上がこっちを向いた。


「……あっ、よ、よく来たなミカ」


「マカールも遠いところからご苦労」


「「あっハイ」」


 なんだこれ。


















 まあ、そんなおバカなやり取りがあったおかげで少しは気分もマシになった。


 テレビを片付け、先ほどの魔法少女に対する熱気をどこか隅へと追いやるなり、いつもの真面目な表情になるアナスタシア姉さん。自室のソファに座る彼女の向かい側にあるもう1つのソファに、俺たち弟妹ズ4人が座る(俺はエカテリーナ姉さんの膝の上だにゃん)。


 エカテリーナ姉さんに頭をモフられながら、アナスタシア姉さんの言葉に耳を傾ける。


「単刀直入に言う。ノヴォシア連邦領アラル山脈にあるズメイ(ズミー)の封印が、ここ最近急激に不安定化している」


 ズメイ(ズミー)、という名前が出た瞬間に、この場にいた全員の背中に冷たい感触が走った。


 イライナ、ノヴォシア、ベラシア……共通のルーツを持つ文化圏に住む全ての人間、その根底に焼き付いて決して消えぬ名前、ズメイ(ズミー)


 かつてこの世界に降り立ち、ノヴォシア、イライナ、ベラシアを焼き払い、多大な爪痕を刻んだ世界最大最強の邪竜。その姿は伝承において一貫しており、3つの首を持つ圧倒的な巨体のエンシェントドラゴンである、とされている。


 遥か昔、人類が道を踏み外し、神々にとって望ましくない方向へと進化を遂げた場合に備えて神々が備えた『人類殲滅用の安全装置』とも、あるいは『神々との争いに敗れ世界の隅に追いやられた悪の化身』とも言われる謎の存在。


 分かっている事はただ一つ―――その圧倒的な強さだ。


 ブレスは一度放つだけで山脈を消し飛ばし、掠めただけでも森を焼き払い、翼を薙げば大地の全てが紙吹雪同然に吹き飛んだ……伝承にはそう記されている。


 リガロフ家の始祖、イリヤー・アンドレーエヴィッチ・リガロフとドブルィニャ・ニキーティチ。イライナの誇る大英雄が2人がかりで戦いを挑んでもなお首を1つ切り落とし、力を削いで封印するのが限度であったという最強のドラゴン。


 その強さの片鱗は、俺たちも目にしている。


 あのゾンビズメイとの激戦―――死力を尽くした末に勝ち取った辛勝は記憶に新しい。


 祖先が切り落としたという首の一つであれほどの力だったのである。3つのうち1つの首を失い弱体化しているとはいえ、本体が復活したら一体どれだけの被害が出るかは想像に難くない。


「ノヴォシア政府はなんと?」


「”そのような事実は確認できていない”……だ、そうだ」


「隠蔽してる場合かよ……!」


 人類の存亡よりメンツがそんなに大事か、とマカール兄さんが吐き捨てるが、俺も同じ思いだ。


 冗談抜きで、大昔のズメイ(ズミー)討伐は人類の存亡がかかっていた。最終決戦の舞台となったアラル山脈でもしイライナの二大英雄が敗北するような事があったのならば、世界は今頃焼き尽くされ、少なくとも今のような姿ではなくなっているだろう。


 人類は食物連鎖の頂点から転落し、常に空に脅えながらの生活を余儀なくされていた筈だ。


 それでもまだマシな方で、最悪の場合は全人類が全滅していた……1体のエンシェントドラゴンが、それほどまでの民族浄化、いや、”種族浄化”を可能としてしまうのである。


「第13号機関も情報収集を開始したが現時点では確実にクロだ。ノヴォシアだけで極秘裏に解決するつもりなのだろうが……」


「……まあ、無理だろうな」


 抑揚のない声で断じたのはジノヴィ兄さんだった。


 今のノヴォシアに何ができるというのだろうか。


 帝政ノヴォシアの後遺症、深刻な経済難と食糧難に加え、国内で横行する大粛清により優秀な人材は処刑されるか海外へ流出する始末。合理性をかなぐり捨て、イデオロギーを優先した結果がこれだ。


 そんな状態で、かつて人類を滅ぼしかけた伝説の邪竜を抑え込めるとはとても思えない。最悪の場合、ノヴォシアで復活したズメイ(ズミー)による被害がイライナを含めた周辺諸国へ波及する事は十分に考えられるだろう。


「既にノヴォシア国内では、ズメイ(ズミー)絡みの怪現象も確認されているそうだ」


「怪現象……ですか」


 言うと、姉上は頷いてから一枚の写真をそっとテーブルの上に置く。


 一枚の白黒写真のようだが、かなり不鮮明だ。走りながら慌てて撮影したものなのだろう、被写体はブレにブレてさながら砂嵐のようになっているが、それでもじっと目を凝らして見てみると写真の中央に3つの首を持つ小型の飛竜らしきものが見て取れる。


 リガロフ姉弟は全員、幼い頃からあらゆる分野の知識を頭に詰め込んできた(庶子舐めんな、俺は独学だ)。


 だからその”3つの首を持つ飛竜”が何を意味するのか、瞬時に理解する事が出来た。


「……”竜の仔”」


 ぽつり、とエカテリーナ姉さんが呟く。


 竜の仔―――ズメイ(ズミー)の幼体と目される、小型の飛竜である。


 そもそもズメイ(ズミー)は寿命という概念を持たないエンシェントドラゴンに分類される。圧倒的戦闘力を誇る上に寿命という概念が存在しないため、そもそも”繁殖”という行為が不要なはずだ。


 しかしズメイ(ズミー)はその強大な力に加え、想像を絶する再生能力を持つ(ゾンビズメイ戦でも苦戦した要因がこの再生能力だ)。


 それゆえに、詳しい条件は不明であるが、本体から切り離された肉片や血から幼体が生まれてくる……そのような記述がズメイ(ズミー)に関する書物に散見されるのである。


 確かに写真に写っている竜の仔は、首が3つあるという他の飛竜には無い身体的特徴を有している事からもズメイ(ズミー)の幼体である可能性があるが……。


「封印が弱まり、ズメイ(ズミー)本体がこの世界に干渉しつつある結果なのだろう……竜の仔の出現は、その先触れとみて間違いない筈だ」


「油断はできませんね」


「戻ったらすぐに領地の防備を見直します」


「そうしてくれ、マカール。それとジノヴィ」


「はい」


「お前の提唱した計画……”メモリアム計画”だったか。あの保管施設は確か現状地下25階層まで完成していたな」


「ええ。既に浅層ブロックには記録媒体の運び込みを開始していますが」


「―――万一の事を想定し、キリウ・メモリアムに非常食と水、日用品の運び込みも行いたい」


 いいだろうか、と念を押すように問いかける姉上の言葉の意味は、すぐに理解できた。


 メモリアム―――イライナの歴史、言語、民族の文化。あらゆる事象を記録し未来へと補完するための大深度記録保管施設の事だ。


 発案者はジノヴィ兄貴。今後、歴史や文化といった民族の痕跡が戦災や災害で失われる事を危惧してのものであり、既にキリウ宮殿の地下に『キリウ・メモリアム』と呼ばれる大深度施設が建造中だ(これで多くの雇用が生まれたのは言うまでもない)。


 今、ズメイ(ズミー)の復活が目前に迫りつつある時にそこに食料と水を備蓄しておく―――それがいったい、何を意味するのか。




 ―――メモリアムをシェルター化するつもりだ。




 元々、メモリアムは戦災や災害に耐えられるよう極めて堅牢な構造をしており、建造に際してはシャーロットも一枚噛んでいる。本人は『核戦争にも耐えられる』と豪語していたが、ならばズメイ(ズミー)の襲来にも耐えられるであろう……それが姉上の考えらしい。


「構いませんが、しかし今年度の予算案は既に議会を通過し承認されています。臨時の補正予算案を議会に通している時間は―――」


「そこはお任せを」


 スッ、と手を挙げて発言する。


 お金の心配なら必要ない―――()()()()の備蓄が、ちょうど城にある。


「ノヴォシアからの融資が手元にあります。リュハンシクに戻り次第、キリウへ全額送金しましょう」


「いいのか?」


「ええ、ATMからせしめた金です。権力者が私腹を肥やすよりも人民のために使うべきでしょう」


「……ありがとう」


 とにかく、これで予算の方は問題ない。


 が、しかし。


 姉上の発案から読み取れる事態の深刻さに、笑みを浮かべる裏で背筋の凍る思いを抱く。


 姉上が―――あのアナスタシア・ステファノヴァ・リガロヴァともあろう女傑が、下手をすればキリウ地下への住民の避難を選択肢に含めるほどズメイ(ズミー)はヤバい、という事だ。


 ゾンビズメイの時点でもヤバいとは思ったが、あれは3つあった首のうちの1つに過ぎない―――本体は恐るべき戦闘力を秘めているのだろう。


 やがて、対峙する事になるかもしれない。


 神話の時代の邪竜―――伝説そのものと。





 

極東100年史


1914年

・倭国、ジョンファ、コーリアの極東三国が中心となり『大東亜共栄圏』発足

・倭国、ジョンファを侵略から守り抜いた『極東の盾』として国際的地位を確立

・極東三国、大東亜共栄圏本部を台湾の台北市に設置

・この頃からアジア各地の植民地解放、及びアジアでの結束を求める声が高まり始める

・第一次世界大戦勃発も、大東亜共栄圏は参戦せず。

・極東三国、交戦国両国に対し武器の輸出を開始。工業的ノウハウの獲得と大量の外貨獲得に成功


1915年

・ジョンファ、国内での革命派の封じ込めに成功。『極東の盟主』として威信回復。倭国と対等な協力関係へ

・倭国、ジョンファ共同での満州開発事業進行。鉄道整備と工業化が進む

・ジョンファ国内に共産主義流入も、厳しい弾圧により革命頓挫

・ジョンファ、コーリアへ経済、技術援助を開始


1916年

・コーリア、極東交易の中継地点として大きく発展

・コーリア、『3年計画』発令。軍備近代化に着手

・大東亜共栄圏、使用弾薬の統一を開始。倭国の6.5㎜弾、及び7.7㎜弾が選定される

・極東三国、【植民地独立支援基金】設立

・シャム王国、大東亜共栄圏への加入を打診。同年7月、極東三国の承認により初の加盟国に

・タルガニスタン、ベイナム加盟

・内モーゴル、ヂレット、ジョンファ側の自治体として参加

・フィリピニア王国、大東亜共栄圏への加盟を打診も宗主国ネーデルラントがこれに反発。軍事的恫喝を開始

・ジョンファ、フィリピニアの加盟を歓迎。

・ネーデルラント、フィリピニアの独立阻止のため艦隊を派遣。『フィリピニア独立戦争』始まる

・ジョンファ、戦略兵器『台湾砲』を投入。ネーデルラント艦隊壊滅へ

・同年12月、フィリピニア独立。大東亜共栄圏加盟へ


1918年

・大東亜共栄圏、加盟国内の関税統一へ。並びに西欧諸国製品に対する関税障壁を設定

・大東亜共栄圏、【東亜円】を共通通貨化

・倭国企業、ジョンファやコーリアなど加盟国各国に工場設立。これにより加盟国内で工業産業が大きく発展

・これにより”大東亜共同市場”形成。西欧への貿易依存低下

・アナリアとの貿易摩擦が発生

・バーラト王国より民族主義者が倭国、ジョンファへ留学。独立の種火生じる

・倭国、バーラト独立を巡りイーランドとの関係悪化へ


1919年

・バラトネシア王国、ネーデルラントより独立。大東亜共栄圏へ加盟

・倭国、ジョンファ連名で【大東亜連邦】構想を提唱

・カンプチア王国、大東亜共栄圏へ加盟


1920年

・世界恐慌。多くの国家の経済が深刻な打撃を受ける中、アジア経済圏が自立的に成長。

・イルマにて独立運動勃発。大東亜共栄圏、支援を表明


1921年

・イルマ独立。大東亜共栄圏加盟へ

・大東亜共栄圏、【大東亜連邦】へ

・西欧諸国、アジア市場から締め出される

・西欧諸国と大東亜連邦の対立が明確化


1922年

・戦艦大和、武蔵就役

・倭国、コーリア及びジョンファへ大和型戦艦の建造ノウハウと図面を提供。両国で『自国版大和型戦艦』建造開始へ


1923年

・戦艦信濃、紀伊就役

・倭国、50万トン級戦艦『富岳』建造計画に着手。北方配備を目指し国内造船所フル稼働

・超大和型戦艦建造スタート


1925年

・コーリアにてソウル級軽戦艦就役。以降、2ヶ月に1隻のペースで同型艦が続々と就役(隔月戦艦)

・ジョンファ、北京級決戦型重戦艦建造開始。コスト度外視の建造に財務官悲鳴


1930年

・アメリア、大東亜連邦の保護貿易を非難

・大東亜連邦、バラシナ、オルネオ、南洋諸島の資源を獲得。鉄、石炭、ゴム、石油の自給が可能に

・アメリア、太平洋の自由貿易を名目に艦隊を強化

・太平洋の軍事的緊張高まる


1932年

・大東亜連邦、世界中の植民地に対し『自決支援』宣言。列強国は激怒

・イーランド、アナリア主導で『アジア自由貿易回復法』制定。大東亜連邦加盟国への石油、鉄、機械類の輸出を制限


1935年

・アナリア、緊張緩和のため対話の道を模索も極東三国との交渉決裂

・アナリア、ハワイア諸島ルビーハーバー駐留の艦隊増強


1938年

・50万トン戦艦『富岳』就役。対ノヴォシアを睨み北方へ展開

・倭国排他的経済水域へアナリア艦隊侵入。倭国より巡洋艦『高雄』『愛宕』、駆逐艦『初月』『冬月』が緊急展開(南海危機)


1940年

・極東三国、共同防衛宣言発表。『大東亜連邦加盟国への武力介入は、全同盟国への宣戦布告と見做し徹底的に反撃する』と声明


1941年

・ジョンファ領海東シナ海にて、ジョンファ帝国海軍軽巡洋艦『長江』とアナリア合衆国海軍重巡洋艦『アストリア』が接触。双方の艦より銃撃が発生(東シナ事件)

・上記の事件を発端として戦争勃発、【太平洋戦争】開戦へ

・大東亜連邦、『この大戦は全ての植民地を解放する聖戦である』と発表、戦時増産体制を発令


1942年

・フィリピニア王国に対しアナリア海兵隊が上陸(フリーダム作戦)

・同年6月、倭国、ジョンファ連合艦隊がフィリピニアへ派遣

・同年9月、フィリピニア王国奪還


1943年

・オルネオ、リンガールを制圧

・シャム王国軍、イルマ方面で破竹の快進撃


1944

・アナリア、太平洋諸島から反撃開始(ジャスティス作戦)

・大東亜連邦内部で戦争方針に食い違い(倭国:攻勢を主張、ジョンファ:防衛重視を主張)

・西欧諸国、『アジア民主化』を宣伝。内紛を煽る


1945年

・アナリア、世界恐慌の後遺症で攻勢に停滞

・ランゴウェー海戦にて空母赤城撃沈、指揮権を引き継いだ飛竜は損害が大きくなる前に撤退を指示

・同年10月、倭国、コーリア連合艦隊(※旗艦大和)ランゴウェー沖へ進撃。ランゴウェー島奪還に成功


1946年

・ノヴォシア、倭国に対し宣戦布告。サハリン、ガグラツカ半島奪還のため攻勢開始

・50万トン戦艦『富岳』、ノヴォシア軍を粉砕

・アナリア国内に厭戦の風潮が広がり始める


1947年

・倭国、コーリア連合艦隊、ハワイア群島を攻撃(ハワイアの戦い)

・戦艦サウスダコタ、アイオワ喪失。残存艦隊は本土へ撤退

・ジョンファ主力艦隊、マラスカ沖を攻撃。陸戦隊が上陸しマラスカを部分占領も反抗作戦により撤退(アンカレッジの戦い)

・ハワイア群島制圧。アナリア本土が爆撃機の射程距離内に


1948年

・アナリア、国家総動員体制を発令

・ハワイア群島奪還作戦(リバティー作戦)。倭国軍、防衛に失敗。ランゴウェーまで後退

・アナリア、攻勢限界。それ以上の進撃を断念

・同年10月、倭国軍ハワイア群島再攻撃

・同年10月、アナリア国内の経済が限界へ

・同年11月、アナリアからの講和を受け入れ戦争終結


1949年

・西欧列強、条約に基づきアジア植民地を全て放棄(サンフランシスコ条約)


1950年

・冷戦勃発。自由民主主義の西欧諸国、共産主義の東側諸国、君主制国家のアジア諸国の三極構造へ

・大東亜連邦、『人種平等』、『民族自決』、『相互尊重』を国際理念として確立


1952年

・ノヴォシアがモーゴル人民共和国を衛星国化しようと暗躍、ジョンファが抗議。ノヴォシア軍および大東亜連邦軍が動員(モーゴル危機)


1958年

・タルガニスタン北部にて革命勃発。北部をノヴォシアが支援し『北タルガニスタン社会主義共和国』の独立を一方的に承認

・北タルガニスタンに対しタルガニスタン、バーラト王国連合軍(※共に大東亜連邦加盟国)が軍事衝突。大東亜連邦、戦後初の集団防衛を発動(タルガニスタン内戦)


1960年

・倭国、ジョンファ、バーラト三国による『非侵略、相互発展、民族自決』を掲げる国際憲章発表(太平洋憲章)


1967年

・大東亜連邦がアラン、エリプトを経済支援。ノヴォシア、西欧諸国はそれぞれ対立側を支援。三大勢力による代理戦争激化(中東紛争、1967~1970)


1970年

・大東亜連邦、カフリアへ独立と民族自決を喧伝

・西欧諸国はこれを『新アジア帝国主義』と非難(微笑みの侵略)

・大東亜連邦、カフリア各国を支援。カフリア各地で独立運動が始まる(カフリアの春)


1980年

・西欧諸国、アメリアを中心とし宇宙開発計画を推進。同年5月、『フロンティア3号』打ち上げ

・同年12月、中立国イライナの宇宙船『ムリーヤ6号』が月面着陸に成功

・同年12月、ノヴォシアの宇宙船『パトリオート12号』が月面着陸に成功


1981年

・大東亜連邦、『天の川計画』発令。宇宙通信衛星の展開を開始

・ジョンファ製無人探査船『長善15号』、銀河系中心部へ出発


1994年

・大東亜連邦、極東戦争終戦100周年式典開催(対ノヴォシア戦勝記念)


1995年

・倭国首都江戸、アナリア経済都市サンフランシスコにて自爆テロ発生。大東亜連邦、アメリア共同で対テロ撲滅作戦を展開


1996年

・大東亜連邦、アナリア連合軍、中東エレム政権殲滅のため派兵(正義の鉄槌作戦)

・同年7月、エレム政権崩壊


1998年

・ノヴォシア、長期的な経済停滞と民族独立運動の激化により崩壊。『ノヴォシア連邦』へ

・大東亜連邦、シベリウス東部に経済投資。影響力拡大へ

・西欧諸国、アナリア主導で『自由市場連合』設立。アジアの脅威に対抗へ

・カフリア諸国、南米諸国が大東亜連邦へ接近

・倭国及びジョンファの出資で『大東亜宇宙庁』設立


2000年

・ガブリエル・ラファエロヴィッチ・リガロフ氏、倭国を表敬訪問(御年90歳)

・リガロフ氏、アジアの独立と民族自決の精神を高く評価

・アメリア、これを『中立国イライナにあるまじき振る舞い』と強く非難


2001年

・ジョンファ、家庭用ゲーム機『遊戯電机』発表

・大東亜連邦内でコーリア料理がブームに


2005年

・イライナの戦艦ミカエル、浦賀へ寄港


2006年

・大東亜連邦、ジョンファ主導による大規模合同軍事演習実施(演習名:大洋長城2006)


2007年

・国連でのアジアの票数が過半数を突破

・イライナでのズメイ討伐100周年記念式典に将軍『徳川雄誠とくがわたけのぶ』氏出席


2008年

・太平洋に隕石落下。アメリア、隕石内より天然の賢者の石を入手

・アメリア宇宙開発局、地球に接近中の彗星を観測(ラッセル彗星)


2009年

・ノヴォシア海軍所属原潜『ペレストロイカ』、北海沖で沈没

・イライナ、チョルノービリ対消滅発電所完成。世界初の対消滅発電事業へ


2010年

・倭国、イライナより技術援助を受け国内初の対消滅発電所『天岩戸1號』稼働開始


2013年

・東欧イライナに対しノヴォシアが侵攻(アルミヤ戦争)。大東亜連邦、イライナへの経済、人道支援を開始

・西欧諸国、ノヴォシアに対し経済制裁実施も足並み揃わず

・ジョンファ、食糧支援の見返りとして極秘裏にイライナへ義勇軍派遣(北京の密約)


2014年

・大東亜共栄圏成立100周年




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― 新着の感想 ―
例え息子相手でもプリン泥棒は許さないミカエル君でした…() 何でしょうね。遂にミカエル君が爆破されるより正当な対価で支払われるならそれでいいやと、完全に尊厳を割り切り始めましたよ。しかもイライナトッ…
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