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親子の別れ

セシリア「ウチは息子がなかなか生まれなくて……妊娠したと思ったら今度は夫が戦死してしまうし」

レギーナ「あらあら、大変ねぇ……私なんて”未婚なのに子供二人いる”のよ」

セシリア「お互い闇が深いなぁ」

レギーナ「そうねぇ」

ママ×2「うふふふふふふふ」


パヴェル「なんかあそこでママ友の会できあがってるんだけど」

ミカエル「”魔魔友の怪”の間違いでしょ」


ブチギレギーナ「ん???(威圧)」

ガクブルミカエル君「ぴっ」


「はいオーライ、オーライ、ちょい右……あっ違うそっち左、逆逆」


 大型のドローンが4機がかりで吊るしている巨大な装置が、リュハンシク城の地下区画へとゆっくり降下していく。


 高さ3m、直径1mの分厚いガラスの柱の中に収まっているのは培養液付けになっている巨大な肉塊だ。しかも本来の状態からは比べ物にならないほど細切れにされ、本来なら生命活動を停止していなければならない筈のそれは、俺の見間違いでなければ培養液の中で未だ脈動を繰り返しているように見える……装置に電力が供給されていないにもかかわらず、だ。


 だがそれの正体を知っている身からすると、別に驚く事でもない。生物としての常識を当たり前のように撃ち破る神話の時代の怪物、その一部なのである。肉体から切り離され、装置の生()()()()()()()()()()()()()で死んだらそれこそ拍子抜けというものだ。


 ゾンビズメイの一部である。


 血盟旅団が撃破したそれの一部をテンプル騎士団が極秘裏に回収、空中戦艦パンゲアの艦内で密かに培養しデータを収集し、将来的には完全な制御下に置いて生体兵器としての運用も視野に入れていたという話をシャーロットから聞いた時は正直耳を疑った。


 もちろん叛乱軍を離反した際にデータは破棄、採取したサンプルにはシステムをハッキングし処分用の濃硫酸を装置内へと注入しサンプルの完全死滅を狙ったそうだが、その結果はご覧の通りだ……濃硫酸付けにされてもなお、ゾンビズメイの一部は生き続けている。


 地下区画への搬入ハッチを通過し降下してきたそれを、作業用に調整した機甲鎧(パワードメイル)(※イエローの塗装に『Безпека насамперед(安全第一)』という記載がある)が5機がかりで支え接地。そのままそれを持ち上げて、地下区画内へと搬入していった。


 続けてサンプル死滅用の濃硫酸タンクがドローンにより降下してくる。あれは万が一、装置をぶち破らんばかりの勢いで肉塊が再生を始めてしまった場合に処分するためのものだそうだ。とはいえ完全死滅に至らなかった事から”ないよりはマシ”程度の扱いなのかもしれない。


「いやぁ、まさかサンプルがまだ生きていたなんてねェ」


「お前、あれからまたゾンビズメイが再生してたらどうするつもりだったんだよ」


「その時はキミが倒してくれるのだろう、リガロフ君?」


 萌え袖をぶんぶん振りながらさらりと言うシャーロットだが、よくもまあ簡単に言ってくれる。あの時だってあの場にいた全員が全力を出し、かなり危うい状況で掴んだ勝利だったのだ。何か1つでも間違いがあれば敗北していたのは俺たちで、世界は再びズメイ(ズミー)の脅威に晒されていたかもしれない。


 そんな二度と戦いたくないレベルの強敵ともう一度戦え、というのは随分とまあキツいものがある。


 ……とはいえ、あれで本来3つある首のうちの1つに過ぎないのだ。


 封印されているにしても未だズメイ(ズミー)の本体は健在だし、完全な状態のあんな化け物を封印へと追い込んだウチのご先祖様(大英雄イリヤー)には本当に頭が上がらない。先人たちの偉大さを今になって痛感する。


「とはいえこれでゾンビズメイのサンプルは奪還できた。後はこのボクに任せたまえ、調整次第でゾンビズメイの素材を無限に採取できるようにしてみせるよ」


「そりゃあ画期的なことで」


「報酬はスナックと炭酸飲料でかまわないよ」


「じゃあプラスアルファで口座に報酬振り込んどくよ」


「ん、随分と気前がいいじゃあないか」


「働きに見合う報酬を支払うのは資本主義の基本だよ」


 バチクソに有能なシャーロットに謀反を起こされたらたまったもんじゃないからねぇ……叛乱軍という失敗例を見たばかりなので猶更である。


 しかし、パンゲアが爆沈しなくて本当に良かったと心の底から思う。


 もしパンゲアがあの戦いで爆沈していたら、艦内に残っていたゾンビズメイのサンプルがアラル山脈に悲惨、そこから長い年月をかけて再生し……というモンスターパニック映画じみた展開になっていたのは容易に想像がつく。


 それに、アラル山脈にはズメイ(ズミー)を封印した石碑が存在する。


 つまるところ、今のズメイ(ズミー)は【隣接次元】に封印されている本体と、こちらの次元に存在するゾンビズメイの一部の2つが存在しており、それら全てをズメイ(ズミー)として一括りにした場合、”通常次元と隣接次元の2つに次元を跨いで存在している”という事になる。


 最悪の場合、ゾンビズメイの一部の活動が活発化する事で本体復活の呼び水になる……という可能性もあるという事だ。うわぁ考えたくねえ。


 ドローンに吊るされて飛び始めたシャーロットの後を追って地下区画へと降りていく。リュハンシク城は氷山のような構造になっていて、地上から見える城の部分よりも地下の区画の方が面積が広いのだ。加えて分厚いコンクリートと装甲板で守られているから、生半可な爆撃ではびくともしない。


 地下の研究開発ブロックに向かうと、シャーロットの研究施設に早くもゾンビズメイの一部が入った培養装置がセットされているところだった。対消滅機関から供給される豊富な動力を接続され、再稼働を始める培養装置。その傍らでは再生抑制用の濃硫酸タンクがセットされ、いつでもあの肉塊を濃硫酸に晒せる状態となる。


 力を求め過ぎた果てに、より良い未来はない。


 奇しくも、テンプル騎士団がそれを証明した。


 結局のところ、身の丈に合わない力は身を滅ぼすという事だ。


 では―――果たしてこれは、そして俺たちの力は身の丈に合っているのだろうか?


 装置の中で脈動する肉塊を見つめながら、そう思わずにはいられなかった。


















「彼女はこちらの世界に置いていこうと思ってる」


 ベッドの上で眠り続けているセシリアの複製体を見つめながら、リキヤはパヴェルにそう言った。


 以前に死別した自分の実の母―――その若き日の姿と寸分違わぬ複製の彼女に、しかしもうあの過激な自我は無いという。記憶操作と暗示により植え付けられた偽りの人格は削除され、次に目を覚ます時は本来彼女に芽生える筈だった自我が表面化しているであろう、というのが医療スタッフとブリジットの所見である事は、パヴェルも聞かされていた。


「懸命だな」


 この複製体をこちらの世界に置いていく、という決断は理に適ったものだ。


 今のクレイデリアは極めてアンバランスな状態にある。終結へと向かう東西冷戦、急激な平和路線への転換により国内では今の平和路線を『腑抜け』と批判する声も日に日に大きくなっている。クレイデリア国民の多くはいわゆる『セシリア主義』と呼ばれる”力こそ全て”の政治を望んでいるためだ。


 もしこの若き日のセシリアの生き写しともいえる複製体を向こうの世界へ連れ帰ればどうなるか―――過激派が彼女を担ぎ上げ、今回のミリセントのようなテロを引き起こす可能性は目に見えている。


 だからこそ彼女を、セシリア・ハヤカワという女を最もよく知るパヴェルに身柄を預けたい―――その打診を、パヴェルは快く引き受けていた。


 そして”もう1人”の小さな命も。


 そっと後ろを振り向いた。


 叛乱軍に参加していた、ホムンクルス育成担当のブリジット。5人の小さなホムンクルスの子供たちに囲まれた彼女の腕の中には、すやすやと寝息を立てる赤子の姿が。


 まだ目は開いておらず、頭には黒い頭髪がうっすらと生えているのみではあるが―――パヴェルには、かつて”速河力也”と名乗っていた彼には分かる。その赤子の正体が何者なのか。


 セシリアの複製体、その予備(スペア)だ。


 ベッドの上で眠るセシリアが万一、またしても血盟旅団に敗北するような事があった場合に備えて用意しておいた予備(スペア)予備(スペア)。まだ赤子の彼女も、これからパヴェルの手で育てていく事となる。


 いくらクレイデリアの力の象徴であったセシリアといえど、同じ遺伝子で造られた赤子までその罪を背負う必要はない。生まれながらの悪など存在しないし、存在してはならないのだ。


「同志大佐……それではこの子を、よろしくお願いします」


「……ああ、任せろ」


 ブリジットから、赤子を受け取るパヴェル。


 神経の繋がっていない機械の指先―――寝息を立てている赤子がその指先を、小さな手で握る。


 瞬間、確かな”熱”を感じた。


 失った四肢に感覚が戻る事はない。熱い血の代わりに冷たいオイルが流れ、温もりを宿す肌の代わりに金属製の装甲が覆う機械の手足。人間らしさを捨てて復讐のためだけに戦っておきながら、しかし心だけは人間らしさを捨てられなかった彼は、数十年ぶりに感じたその温もりにこれ以上ないほどの懐かしさを感じていた。


 最後に、誰かがこの手を握ってくれたのはいつだったか。


 フラッシュバックする記憶の中、彼の頬を熱い雫が伝っていく。


 涙を悟られぬよう、パヴェルは優しく赤子を手で撫でた。


















「本当に何から何までありがとう、リキヤ団長」


 別れの日、というのは存外早く訪れた。


 リュハンシク城の外に停泊する空中戦艦へ、テンプル騎士団の関係者が続々と乗り込んでいく。


 賠償金に技術供与、それからインフラ整備の支援までしてもらい、こちらはいったい何をお返しすればいいのかと悩みに悩んだ。


 イライナは”世界のパンかご”と言われるほど食糧生産能力が高く、実際にノヴォシア帝国の8割の食料をイライナで生産している。その食料を対価というか、こちら側の気持ちとして差し出そうと思ったが、生憎今は過酷な冬だ。食料は文字通りの生命線である事から、食料の代わりに重油と石炭、レアメタルといった資源を彼らに対価として支払う事とした。


 4本足の作業用機甲鎧たちが、レアメタルの入ったコンテナを空中戦艦の格納庫へと運び入れていく。リキヤ団長の事だ、この資源は軍事利用はせず、平和のために使ってくれると信じたい。


「いえいえ、こちらこそ。こんなにたくさんレアメタルを貰ってしまって……」


「ともあれ、これで130年に渡る禍根が断ち切れた……本当に感謝しています」


 130年、1世紀と少しの間続いた禍根。


 年季の入ったそれは、次元の彼方からやってきた彼らの助力もあって、完全に断ち切られた。


 これからイライナは―――いや、この世界はゆっくりと自力で歩み始めるだろう。それが良い方向へ向かうか、悪い方向へ向かうかはまだ分からない。けれどももし世界が悪い方向へ向かおうというのならば、その時は全力で軌道修正を試みようと思う。


 俺たち人間には、その力が備わっている筈だから。


 そう―――『100年先の未来まで』。


「リキヤ」


「父さん」


 慌てて見送りに来たのだろう、迷彩服の上に軍用コート、ウシャンカといういでたちのパヴェルが雪を踏み締めながらこっちに走ってくるや、腰に提げた鞘を中身のナイフごと取り外して、それをそっとリキヤ団長に差し出した。


「これは」


「現役時代使ってたナイフだ。俺の戦いは終わった、お前に預ける」


 そっと手を伸ばして鞘を受け取るや、抜いても、と目で問うリキヤ団長。了承を得るや彼はそれを引き抜いて、中に収まっていた大型のカランビットナイフをまじまじと見つめた。


 さながら恐竜の爪だ。刃渡り30cmというボウイナイフみたいなサイズのそれには”初月”という刻印がある。


「でも、俺戦場に立つ事なんて」


「なら部屋にでも飾っておけ。親父の形見だと思ってさ」


「形見って……」


「速河力也はもう死んだ。ここにいるのは只のパヴェルだ」


 リキヤ団長は少しだけ悲しそうな笑みを浮かべた。


 次元の壁を越えた先の世界で新たな人生を送る父からの贈り物―――今までは記録映像の中でしか知らなかった、速河力也(パヴェル)という父の素顔。


 今のパヴェルは、彼の目にどう映っているのだろうか。


 きっとそれは、リキヤ団長しか知らない事だ。


「……ありがとう、大事にするよ」


「おう」


 機械の腕を差し出して、自分の息子と固い握手を交わした。


「それじゃ……身体に気をつけてな」


「うん、父さんこそ。いつまでも元気で」


 今度こそ長生きしてよね、と言い残し、リキヤ団長は部下の兵士たちに促されて踵を返した。


 空中戦艦に乗り込む直前、こっちを振り返るリキヤ団長。


 敬礼を送ってきた彼に、パヴェルもまた現役当時を思わせる敬礼を返す。


 気のせいだろうか―――彼の姿が、一瞬若々しい頃の姿に見えたのは。


 父親の敬礼に見送られ、空中戦艦がエンジンを始動させた。


 重々しい音を響かせながら飛び立つ空中戦艦。それをエスコートするように、飛行場を飛び立った3機のJ-20たちが編隊を組んで、空中戦艦を灰色の空の彼方へ誘導し始める。


 やがて高度を上げた空中戦艦がJ-20たちの頭上を飛び越え、一気に加速し始めた。


 ぱっくりと開いた真っ赤な次元ゲートへと向かい前進していくや、舳先を次元の裂け目へと突き入れる。紅いスパークを幾重にも迸らせながら、全長500mの船体が次元の裂け目へと呑み込まれていき―――やがて紅い光を残して、向こうの世界へと帰っていった。


「……さ、行こうか」


「……だな」


 パヴェルにそう促し、俺は踵を返した。


 130年―――あまりにも長く続いた禍根は終わった。


 だが、まだ俺たちの戦いは残っている。


 100年先の未来まで―――より良い未来のために、全力を尽くさなければ。






 第三十六章『100年先の未来まで』 完


 第三十七章『世界の揺り籠』へ続く




























 この数年後、リキヤ団長は工作員の放った凶弾に倒れ、帰らぬ人となる。





 彼の祖国クレイデリアが本当の意味で平和を見るのはパヴェルの孫『イリヤ』の代を待つことになるのだが―――それはまた、別の話である。







クレイデリア100年史

【※2025/5/5、一部加筆修正しました】


1915年

第一次世界大戦勃発

テンプル騎士団、祖国奪還を掲げ連合国側で参戦


1917年

クレイデリア全土奪還に成功


1918年

ヴァルツ帝国軍、春季攻勢発動。大戦最後の反攻作戦

同年11月、ヴァルツ敗戦


1920年

テンプル騎士団、二度目の世界大戦に備え軍拡開始

セシリア、『大躍進計画』発動


1921年

セシリア、組織の中央集権化を開始

組織内の反乱分子粛清はじまる


1923年

サクヤ、パヴェルとの間に第一子出産。『シズル』と命名


1924年

世界恐慌

ヴァルツ国内にて大規模なインフレ


1925年

ヴァルツ帝国内で革命勃発

”勇者”率いる革命軍、政権を奪取

ヴァルツ帝国、”ナチス・ヴァルツ第三帝国”へ国名を変更


1926年

ナチス・ヴァルツ、軍事力を背景にポーンラントへ領土の割譲を要求(ポーンラント危機)

ポーンラント、防衛費15%増額

ナチス・ヴァルツ、ヴァルマイユ条約の一方的破棄。再軍備宣言


1928年

クレイデリアで大規模テロ発生、シズル死亡

第二次世界大戦勃発

ナチス・ヴァルツ、ポーンラントへ侵攻開始

クレイデリア、テロの報復として隣国フランセンへ軍事侵攻

翌週フランセン首都陥落。フランセン側、生存者ゼロ


1929年

テンプル騎士団、ヴァルツ国内の学園都市を襲撃

パヴェル、学園都市にて多数の転生者を殺害

同年、極東ジャングオにて共産党のクーデター勃発も国民党軍により鎮圧

同年9月、パヴェル戦死(第一次ベインブルクの戦い)

同年9月、セシリア、第一子出産。『リキヤ』と命名


1930年

ガルシャワ蜂起

ポーンラント首都での大規模武装蜂起、首都ガルシャワ解放へ

同年3月、硫黄島の戦い

倭国軍守備隊玉砕。テンプル騎士団、硫黄島制圧を発表

同年5月、バルジの戦い

同年6月、オキナワの戦い。倭国軍敗北、降伏へ

同年7月、首都ベルリッヒの戦い

ナチス・ヴァルツ敗戦、崩壊へ


1931年

オルトバルカ連邦、倭国領カラフトへ軍事侵攻

テンプル騎士団、報復としてオルトバルカ領ヴィラヌオストク消滅、及び国家元首スターリン暗殺


1932年

アナリア合衆国とクレイデリアの関係が悪化

各戦力増強開始

東西冷戦勃発

クレイデリア、同盟国と共に『永久安寧保証機構』発足へ

アナリア、クレイデリアに対処すべくNATO発足


1934年

デタント


1935年

フランギウス共和国、バレイニュ島に隕石落下

同年12月、フィオナ博士の大叛乱

テンプル騎士団、総戦力の83%を喪失するも辛うじて勝利


1946年

セシリア、テンプル騎士団団長を辞任

息子のリキヤ・ハヤカワⅡ世、テンプル騎士団9代目団長に就任


1950年

クレイデリア、アナリア間で核兵器削減条約発効

リキヤ団長、それに合わせテンプル騎士団の大軍縮計画を発表

平和路線へ転換も一部の将兵が反発

ボグダン、ミリセント両名、空中戦艦を奪取し異世界へ


1952年

テンプル騎士団叛乱軍、イコライザー発掘

クレイデリア首都アルカディウスへ照準を合わせるも、現地勢力『血盟旅団』により阻止(クレイデリア危機)


1954年

クレイデリア東部3州、平和路線に反発し一方的に独立と『東クレイデリア人民共和国』建国を宣言

クレイデリア、東西分裂


1955年

リキヤ、東クレイデリア国家元首と会談

ジャングオ、西クレイデリアを『永久安寧保証機構への裏切り』と糾弾

西クレイデリア、永久安寧保証機構より除名


1957年

東クレイデリア、偽旗作戦を発動。西クレイデリアからの攻撃と主張し一方的に開戦

クレイデリア内戦勃発

同年12月、ジャングオ民国より東クレイデリア支援のため義勇軍派遣


1958年

アナリア大統領『我らの新たな友人を救う用意がある』として支援を表明

レンドリース法により軍事支援開始


1959年

リキヤ団長、東側の工作員により演説中に暗殺される(享年30歳)

同年2月、息子のイリヤが急遽団長に就任(パヴェルの孫、当時10歳)


1960年

スペツナズ、斬首作戦決行

東クレイデリア上層部を一掃

東クレイデリア、戦争継続を断念。内戦終結

同年7月、東クレイデリア崩壊。クレイデリア統一へ


1965年

ジャングオ、南方リューバへ中距離弾道ミサイル配備(リューバ危機)


1970年

アナリア、ベイナム人民共和国へ軍事侵攻(ベイナム戦争)


1974年

コーリア民主共和国にて大規模地震発生

クレイデリア、アナリア共同で災害支援作戦開始


1976年

アナリア合衆国のダイバー、クレイデリア領ウィルバー海峡にて戦艦ジャック・ド・モレーの残骸を発見


1980年

アナリア、ベイナムより撤退。ベイナム戦争終結


1981年

ポーンラント首都ガルシャワにて民主化求めるデモ(ガルシャワの春)

軍の投入と武力による鎮圧を国際社会は批判


1989年

ポーンラント民主化へ

同年12月、オルトバルカ社会主義連邦崩壊

オルトバルカ、民主化へ


1993年

テンプル騎士団、宇宙船『フロンティア12号』打ち上げ成功

イリヤ団長、火星テラフォーミング計画を提唱

フロンティア12号、火星着陸に成功


1995年

宇宙兵器配備禁止条約発効

テンプル騎士団の衛星砲、全基爆破処分


2001年

イリヤ団長、異世界の『イライナ人民共和国』を表敬訪問

ミカエル・ステファノヴィッチ・リガロフ氏と会談へ


2005年

地球へ大型隕石飛来

テンプル騎士団主導で迎撃作戦実施も、破壊しきれなかった大型隕石の一部が南半球を直撃し壊滅的打撃

大規模気候変動により地球全土で氷河期へ

世界遺産の6割が消失


2006年

大規模気候変動に伴い絶滅した地球上の生物が3000種を突破

国連、【ノア計画】を発令。生物の絶滅回避のため生き残った生物を地下シェルターへ収容


2007年

食糧危機により地球全土で飢餓が発生

クレイデリア、人口の4割が飢餓で死亡

倭国の食料自給率が0%に


2008年

アナリア、世界を棄て異世界へ移住する計画『フロンティア計画』提唱

ステラ博士、人体を改造し苛酷な環境に適応する『ヒューマン2.0』提唱

クレイデリアの新生児出生率、僅か8%まで下落


2010年

テンプル騎士団、人工太陽打ち上げ

北半球にて氷河期終わるも依然と異常気象に見舞われ地球環境悪化

全人類、防護服無しでの地上での活動が不可能に


2013年

イリヤ団長、癌にて死去(享年64歳)

娘の『マリナ』が団長に就任

テンプル騎士団、国連に『ヒューマン2.0』推進を提案も基本的人権への配慮から否決

ジャングオ、ポーンラント、倭国はヒューマン2.0を支持


2014年

クレイデリア、国民投票に基づき『ヒューマン2.0』を採択

クレイデリア全国民、遺伝子操作によりキメラ化

同年11月、ジャングオ、ポーンラント『ヒューマン2.0』採択

同年12月、倭国、コーリアも続きヒューマン2.0採択


2015年

アナリア、ヴァルツ主導で異世界移住計画『フロンティア計画』発動

多くの国民が次元の壁を越え異世界へ

地球残留の全人類、遺伝子改造によりキメラ化。防護服無しでの地上での活動が可能に


2018年

第一次世界大戦終戦100周年

式典は全人類がキメラとなった地球で行われた





書いてて「地獄かな???」ってなりました。

※この100年史は以前作者が考えていたものを一部改変、付け足したものになります。

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― 新着の感想 ―
そういえばシャーロット、ズミーの遺骸を確保して研究してましたね。データを破棄して硫酸の中に放り込んだとは言え、未だに復活のために脈動してるとは…今後素材作り放題の代償は嬉しいですが、これほど厳重に封印…
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