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抹消、襲来、そして発見


 先ほどまで勢いよく火を噴いていたPPSh-41が、突如として沈黙した。


 ドラムマガジンに収まっていた71発もの7.62mmトカレフ弾を撃ち尽くしてしまったのだ。扱い辛さはトップクラスだが、71発入りのドラムマガジンを装備したPPSh-41の破壊力もまた、数あるSMGの中でトップクラスだ。長年使ってきた得物なのだ、そういう自負がある。


 布製のポーチから最後のドラムマガジンを引っ張り出し、空になったマガジンを取り外して最後のマガジンを装着。右手でコッキングレバーを引いて初弾を装填、研究室の中に押し寄せてくる無数の無人機(鋼鉄のテントウムシみたいな奴らだ)をひたすらトカレフ弾の弾雨で薙ぎ倒す。


 即席のバリケードを7.62×54R弾が打ち据え、跳弾したライフル弾が頬を掠める。シリコン製の人工皮膚が裂け、クリーム色の断面が露になるが、しかし今更そんなので何を畏れる必要があるのか。


 弾丸飛び交い、砲弾が戦友を吹き飛ばし、毒ガスと夜襲の脅威が常に隣りあわせだった地獄の塹壕戦から、敵の重要拠点に少数で潜入する特殊作戦に至るまで、こちとらありとあらゆる戦場を渡り歩いてきたのだ。


 数々の勝利は誇るべきものだが、個人的に一番誇りたいのは、”同志団長”から預かった部下を1人も死なせずに任務を全うして死ねた事だろう。


 それだけじゃない、その前には傭兵として数多の戦地を転戦……ああ、長くなるから割愛するが、要はもう弾丸がすぐ近くを掠めた程度じゃあパヴェルさんは怖がりませんよ、という事だ。


 今の俺が恐れる事といったら、PCの中にあるおすけべピクチャのフォルダを開かれて性癖を開示されてしまう事くらいか。ああ、後は妻との夫婦喧嘩。割とマジで妻と喧嘩したら死ぬ。母は強し、とはよく言ったもんだが、実際家庭を持つと立場が弱くなるのは夫の方だ。


 まあ、妻たちはこれ以上ないほど愛しているので別に苦ではない。叶う事ならばもう一度会いたいが……。


 戦闘中にも関わらずタバコが吸いたくなったので、左手をPPSh-41のドラムマガジンから離し、内ポケットへと突っ込んだ。残り3本となった葉巻を引っ張り出して口に咥え、それをバリケードの外へと突き出してわざと敵の弾幕の中に葉巻を晒す。


 するとちょうどいい具合に、無人兵器の放った7.62×54R弾が葉巻の先端部を掠めて火をつけてくれた。


 ありがとう、お礼に蜂の巣にしてあげる。


 ガガガ、と無人機を宣言通り蜂の巣にしながら、身体中に染み渡るニコチンの快楽に酔いしれる。


 煙草と酒、それから音楽は全ての兵士の隣人だ。これがなきゃ、人類の歴史が始まったその日から継ぎ足しを重ねて濃縮、熟成させた狂気といってもいい戦争の中で、発狂せずにはいられない。


 砲弾の音や断末魔、そしてふとした拍子に牙を剥く死者の怨嗟の声。それが子守歌に聴こえてきたならばもう助からない。そいつは平和な時代に適合できないイカれ野郎になるのだ。ちょうど、この俺みたいに。


 さて、ついにPPSh-41まで沈黙したところで、武器をAK-15に持ち替えた。セレクターレバーをセミオートに切り替えつつ連続射撃、押し寄せてくる無人兵器の脆弱な部位―――胴体前方にある発光部分、おそらくはセンサーが収まっているであろう場所に7.62×39mm弾の洗礼を浴びせかける。


 汎用機関銃、そうじゃなくても分隊支援火器を持ってくればよかった。そう後悔する俺の後ろでは、ミカとクラリス、そしてクラリスにそっくりな例の女兵士が、魔術を織り交ぜた熾烈な白兵戦を展開している。


 とりあえずあの女兵士と無人機を分断することに成功したのは良いのだが、なんだろうか、さっきから聞こえてくる音がね、変なの。


 人が人を殴る音ってもっとこう、鈍い感じと言いますか、ドフッ、みたいな聞いてるだけで息が詰まりそうな音なんだが、後ろから聞こえてくるのは砲弾が炸裂するような音だったり、銃声みたいな音だったり、挙句の果てには砲弾が装甲に当たって跳弾するような甲高い音だったり。


 少なくとも、人間が発する効果音ではなかった。


 いやいやいや、何よそれ。


 ウチの妻じゃあないんだから、と心の中で突っ込んでいるうちに、最後の無人機をセミオートで撃ち抜いていた。風穴から血のようなものを流しつつ、機体を急激に錆びさせていく無人機を尻目に、ゆっくりと後ろを振り向く。


 そこには床に倒れ伏す例の女兵士と、彼女に馬乗りにされていたと思われるクラリス、そして銃口から煙がたなびくウェブリー=フォスベリー・オートマチックリボルバーを構え、まだ戦闘の緊張が抜けきっていないミカ。


 激戦だったようだが、軍配はこっちに上がったらしい。


 まあ当然だろう。俺が鍛えた、と言いたいところだが、それ以前からミカは努力家だった。俺がいなくても、いずれは化けるんじゃあないかと思って見ていたが、期待以上の人材と言っていい。


 ちょっとばかり、”優しすぎる”のが玉に瑕だが。


 それがアイツの良いところなのかもな、と思いながら立ち上がり、大丈夫か、と2人に問いかけた。


「こっちは大丈夫……そっちは?」


「片付いた」


「さすが」


 俺を誰だと思ってんだ、と言いながら、視線を例のガラスの柱へと向けた。戦闘中だったのですっかり忘れていたが、一番最初に投げ込まれた手榴弾のせいですっかり割れてしまっているようだ。


 床のタイルは蒼くてどろりとした培養液でびっちゃびちゃ。中に収まっていた中国兵とロシア兵はと言うと、身体中にケーブルをぶっ刺されたままの状態で動く気配がない。


 やはり息絶えているのだろう。


 しかし、この船はもしや……?


「……」


「パヴェル?」


「……いや、何でもない」


 さっき確認したデータベース内の記録にもそれっぽい記述があったから、おそらくは確定だろう。


 どうやら俺は、■■■■■■■の闇そのものを暴いてしまったらしい。


 さて、コイツをどうしたものか。そう思いながら散らかった部屋の中を見渡していたその時、ズズン、と飛行船―――いや、”空中戦艦”の内部が激しく揺れた。


 何か爆弾が爆発しているかのような爆音。パラパラと頭上から降り注いでくる埃に加え、衝撃に耐えられなくなった配管や天井のパネルが次々に落下してくる。


「こりゃあ拙い……崩れるぞ」


「どうなさいますかご主人様?」


「確保できる情報は確保、それ以外は諦めよう」


「了解、”同志指揮官”」


 まあ、そうなるよな。


 記録の収集に入るミカを尻目に、俺ももう一度データベースにアクセスした。


 ―――もしこの空中戦艦が”それ”なのだとしたら、格納庫には良い物がある筈だ。












 シェリルが呼びかけに応じなくなり、彼女の敗北を悟った。


 やれやれ、と頭を抱えたくなる。最高の訓練と最高の装備、そして最高の作戦の元に動いておきながら、よりにもよって貴族崩れの庶子のメイドに―――あんな”旧式”の個体に敗北するとは、何と無様な事か。


 前回の屈辱はどうしたのだ、とシェリルに問い詰めたくなるが、彼女が応答しない以上はどうにもならないだろう。彼女と五感を共有しようにも、閉じた瞼の奥に見えるのはただただ深い闇だけだ。


 死んだか、あるいは鹵獲されたか。


《―――作戦提案の許可を》


【……言ってみろ】


 機械音声―――AIの発する合成音声に向かって頭の中でそう言葉を念じると、機械の音声は抑揚のない、淡々とした声で作戦を立案する。


《空中戦艦エウロパの完全破壊を提案します》


【同志シェリルを見殺しにしろと?】


《現状を鑑みるに、彼女の生存は絶望的です。2%程度の確率に賭けるより、機密情報の完全抹消を優先するべきです》


【……許可する】


 無論、私とて感情はある。


 シェリルの事はよく知っている。彼女がまだ”幼体”だった頃から面倒を見ていたのはこの私。彼女の8歳の誕生日に初めてナイフを買い与え、肉を切り裂く感触を教えてやったのもこの私。


 そして『力こそが全て』という思想を植え付け、完全な兵士に仕立て上げたのもこの私だ。


 私に親はいない。強いて言うならば私の遺伝子の大本となった”オリジナル”こそが全ての我々ホムンクルス兵の父であり、また同時に母なのであろう。


 だから、親がどういうものなのか、親という概念が我々には分からないし、他の種族の子供が親と楽しそうに歩いているのを見ると、ちょっとだけ羨ましかった。


 しかし、今ならば分かる。


 きっとこれが―――私が今、抱いているこの感情こそが、親が子に抱く感情なのだろう。


 きっとこれが、人間ヒトの愛なのだろう。


 AIはシェリルの生存は絶望的と言ったが、それは誤りだ。彼女はきっと生きている。生きているならば、我々が空中戦艦の破壊を始めても何食わぬ顔で戻って来るであろう。


 だから戻って来い、シェリル。


 もう一度、瞼を閉じた。


 視点が切り替わる。キュラキュラと大地を踏み締める履帯の音に耳障りなパワーパックの唸り声。爆発反応装甲をまるでレンガのようにどっさりと搭載したT-72戦車の車列が、その125mm滑腔砲を空中戦艦エウロパの残骸へと向けた。


 撃て、と念じながらアームレストを指で軽く弾くと同時に、戦車の車列が一斉に砲撃を始める。


 向こうは120年前に墜落した老朽艦、その残骸。


 装甲もそれほど厚くないだろうから、125mm砲でも完全破壊は可能であろう。


 さて、あとは無人機共を差し向けなければ。


 エウロパだけにではない。


 我らの技術を持ち去ろうとする不届き者には―――無慈悲なまでの誅罰を。













 ふわぁ、と思わずあくびが出た。


 モニカ殿やイルゼ殿は寒い寒いと言っているが、そんなに極端なものであろうか。客車の上で胡坐をかき、遠くの空を流れる雲を眺めながらそんな事を思う。


 この程度の気温、某の故郷では身近なものだ。確かに少し肌寒い気もするが、耐えられぬほどではない。この程度の寒さで参っているようでは倭国でやってはいけぬぞ……と言いたいところだが、倭国の東北地方よりもノヴォシアの方が寒冷な気候であるから、某がこんな事を言うのもおかしな話ではある。


 こうして雲を見ていると、夏祭りの夜に母上が買い与えてくれた綿あめを思い出す。甘くてふわふわで、きっとあの空を流れる雲も綿あめで出来ているに違いない。きっとそうだ。ふわふわだからああやって空を流れているのだ。


 某が空を飛べたら、あの雲を全部食い尽くしてやろう……幼き日から抱き続けていた夢を思い出すと、腹の虫が鳴いた。そういえばそろそろ昼食の時間。しかしパヴェル殿やクラリス殿、ミカエル殿が戻る気配はない。


 このままでは昼食は保存食になってしまう……いや、がのんばるどの干し肉も嫌いではないのだが。


 戻っては来ぬか、と風に乗って流れてくる”匂い”を拾う事にした。某は秋田犬の獣人ゆえ、鼻は利く。風向きに左右されてしまう弱点はあるものの、この嗅覚のおかげで南部藩から薩摩藩までの道中、何度も救われた。


 野盗の襲撃も、妖怪の襲撃も、そして道中で購入した饅頭がまだ食えるかどうかの判別にも役立ったものだ(結局カビが生えていたのだが他に食うものがなかったので食った)。


 あの時の腹痛はらいたはまさに地獄の……。


 そんな嫌な思い出を呼び起こしていた某の鼻が、奇妙な臭いを察知する。


 最初は、ミカエル殿たちが乗っていった車の排気の臭いかと思った。が、違う。別の臭いだ。排気である事には違いないのだろうが、臭いが明らかに違う。


 それに―――奇妙な質感の”殺気”も漂ってくる。


 人間が明確な殺意を向けているというよりは、武器を構えるからくり人形が発する不気味さにも似た、何とも言えぬ異質な感覚。


 天井の上から寝室を覗き込んだ。寝室ではモニカ殿が休憩中で、湯気の出る茶(紅茶というらしい)を片手に漫画本を読み漁っているところであった。


 休憩しているところに、いきなり窓の外から覗き込む男がいたとなっては驚きもするであろう。髪の毛が逆立ち、猫の耳がぴんと伸びた状態で盛大に驚くモニカ殿。すまぬ、と謝ってから、某は告げた。


「モニカ殿、戦の支度をなされよ」


『へ? 何よいきなり』


「……敵だ。敵のお出ましだ」


 そう言いながら刀を抜き、地平線の向こうを睨みつける。


 草花の揺れる高原の彼方―――黒い影がびっしりと大地を覆い、列車へと殺到してくるのがここからでも見えた。













 くそったれ、砲撃でも受けてるのか?


 ズン、ズン、とさっきから飛行船が激震している。背後からは天井が崩落してくる音が聞こえ、このままもたもたしていたら飛行船諸共生き埋めにされてしまう、という恐ろしい結末がちらついて、脳裏にも背中にもドライアイスの如く冷たい感触が走る。


「奴ら、飛行船ごと俺たちを消すつもりだ!」


 走りながら武器をネイルガンに持ち替え、バックパックのリコイルスターターを思い切り引っ張る。ドルルッ、とバックパックの中の小型コンプレッサーが目を覚まし、ネイルガンの圧力計の針が麻酔用のエアー圧力から、人間の殺傷を期待できるレベルの危険圧力まで上昇したのを確認する。


 今回は対人戦を想定していなかったので、事前にコンプレッサーから圧力制限器を取り外しておいた。加えて、ドラムマガジンに入っているのも麻酔ダートではなく普通の釘である。


 その辺の工具箱を漁れば出てきそうな釘を、俺は容赦なく無人機へと突っ走りながら撃ち込んだ。


 釘のサイズは一般的で、ライフル弾よりははるかに細い。しかもおまけに、エアー圧力を弄ってあるとはいえ発射に使うのは火薬ではなく高圧空気。人体ならばまだしも、無人兵器相手には3発くらい撃ち込まなければ撃破は期待できそうにない。


 とにかく、動かなくなるまで撃ち込んだ。1発、2発と釘が装甲を穿ち、内部の機械や生体部品を串刺しにしていく。3発から5発くらい撃ち込まれて動かなくなった無人兵器を踏みつけ、視線をクラリスの方へと向けた。


 彼女の背中に背負われているのは、気を失っている例の女兵士だ。


 見捨てるわけにもいかないし、尋問すれば組織に関する情報を吐いてくれるかもしれない……望み薄だが、しかし見殺しにするよりは得するだろうとの判断で彼女は連れて行く事にした。


 一応、手足は番線で縛ってある。が、クラリスと互角の殴り合いを演じた竜人の女を捕縛するにははっきり言って役不足だ。無いよりはマシ、程度である。


 すると、先頭を突っ走りながらトカレフを撃ちまくっていたパヴェルが、唐突に進路を変えた。


「お、おい、どこに行くつもり―――」


「こっちだ。こっちに良い物がある」


「良い物だァ?」


「ご主人様」


「あ、ああ」


 彼はさっき、飛行船のデータベースにアクセスしていた。おそらくだが、その時に何か掴んだのだろう。


 パヴェルのトカレフTT-33の連続射撃を受けて大破した無人機の上を飛び越えると、やはり未知の言語で記載された金属製のパネルが見えてきた。何て書いてあるかは分からない……英語とキリル文字を足したような、何とも例えるのが難しい文字だった。


 爆発らしき振動がより大きくなってくる。それだけではない、装甲や内壁がどんどん崩れるような音まで聞こえるようになってきて、船体の完全崩壊までのタイムリミットはすぐそこまで近付いている事だけが分かった。


 目の前に現れた扉を顎で指し示し「やれ!」と叫ぶパヴェル。躊躇なくクラリスが蹴りを叩き込むや、ぶち破るのにC4が必要になりそうなほど分厚い扉はあっさりと吹っ飛んで、俺たちに道を譲ってくれた。


 規格外の脚力に驚きながらもその向こうに足を踏み入れ、息を呑む。


 崩壊しかけだったが―――どうやらここは、格納庫のようだった。


 戦車らしき兵器が何両か、広大な空間の中に佇んでいる。いずれもロシアのT-90系列の戦車のように見えたが、しかし経年劣化による崩落や、外から響く爆音を原因とした崩壊に巻き込まれた車両が殆どで、どれもががれきの下敷きになっているか、砲塔にでっかい瓦礫がぶっ刺さって大破した状態のものばかりだった。


「クソ、ダメか」


「いや」


 短くなった葉巻を投げ捨てながら悔しそうに吐き捨てるパヴェルの隣で、俺は格納庫の隅を指差す。


 そこには幸運にも、崩落に巻き込まれる事無く主を待ち続ける1両の戦車があった。


 どっしりとした装甲に覆われた車体に、円盤を思わせる奇妙な形状の砲塔。表面には追加装甲が装備されていて、円盤状の砲塔からは戦車の矛たる125mm滑腔砲がででんと伸びている。


「コイツは……」


 T-90……ではない。


 ウクライナが誇る主力戦車(MBT)、”BM オプロート”。


 広大なソ連の一翼を担い、その中でも特に高い技術力を誇ったウクライナが心血を注いで生み出した戦車だ。その性能は極めて高く、東側の戦車の中でもトップクラスの戦闘力を誇るとされている。


 まだ動くだろうか、と車体に駆け寄ったが、違和感を覚えた。


 オプロートにしては、車体後部がやけに”大きい”のだ。


 オプロートのパワーパックってこんなに大きかったっけ、と思ったが、車体後部の左側に歩兵昇降用のハッチらしきものが用意されている事に気付き、思わず笑みを浮かべてしまった。


 この飛行船の責任者は、随分とマニアックな車両が好きらしい。


 コイツはオプロートだが、オプロートじゃない。


 戦車でありながら5名までの歩兵を乗せる事が出来るが故に、主力戦車(MBT)ではなく歩兵戦闘車(IFV)に分類される異色の兵器。


 正式採用される事無く消えていった、ウクライナ軍の試作戦闘車両。





「おいおいマジか……【BTMP-84】だぞコイツ」





 主砲の砲身に『Козак(コサック)』と記された試作車両は、崩壊していく格納庫の中で―――ただただ、主を待ち続けていた。




 

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