暖簾に……箔押し(その2)
「ほれ、ケーキと誕プレ」
俺が持参していた箱を渡すと、綾瀬は感極まった様子でわなわなと震えた。落とすなよ。
「うわぁ、ありがとうございます! ケーキ、凍結して永久保存したい……!」
「食えよいますぐに。あとプレゼントはべつに食い物じゃねえからそっちとっとけ」
「開けてもいいです?」
「あ、それならその前に僕らの開けてよ。どうせ須々木のやつが一番喜ぶんだから、あとに回した方がいいだろうし。ね?」
「そうね。おめでとう綾瀬さん」
佐野が進み出て、先にプレゼントの包みを渡す。倉刈さんもついでとばかりに小さな箱を取り出していた。綾瀬、これを嬉しそうに受け取って高々と掲げる。
「佐野さんからは……スマホの充電スタンド?」
「横置きしたまま使えるやつだよ。デザインもなるべくおしゃれなやつ選んだんだ」
「わぁ、ありがとうございます! では設置の感覚をお試しで」
「おいコイツ、さっそく置いてみて課金の素振りしてんじゃねえか」
「置いたままラクに使えるからねえ」
「お前この用途を見越してたのか……」
とはいえ実用性と小物としての見栄えとを両立した感じだ。かさばらないし気を遣わせない、バランサー気質の佐野ならではのチョイスと言えるだろう。
つづいて倉刈さんが、掌に載る程度の小さな金属製ケースを取り出した。なんだ、なんなんだそれ。
「私からは七ツ道具よ」
「ななつどうぐ?」
「発信機受信機盗聴器カメラに錠開けナイフ、睡眠薬と気つけ薬」
「犯罪者スターターセットみたいなの渡すのやめてくれません?」
「刃物というのは使い方次第よ」
抜き身で歩いてるような人に言われてもなー。
だが綾瀬は、ケースの中身を眺めたりしてわりと楽しそうだ。
「これ、倉刈さんがいつも持ってるのと同じですか?」
「ええ。もちろんおさがりではなく新しいものだけれど」
「お揃いですね!」
「そうなるかしら」
同じものを持っている、というのがお気に召したらしい。使い道うんぬんではなくそういうところでよろこぶのは、ある意味綾瀬らしいと言えばらしい。
倉刈さんの方は「便利だと思うのだけど……」と、実用度以外の部分へよろこばれていることに若干不思議そうであったが。
で、俺の番。
「ケーキはひさびさだったからそんな期待すんなよ。って言っても、聞かねえんだろうけど」
「こういうのはお気持ちがうれしいものですから」
「たまに常識人みたいな発言挟まれると調子狂うぜ……まあいいや、んでこれ。プレゼント」
俺が片手でずいっと押し付ける紙袋を、綾瀬は口許おさえてあわあわしてから最敬礼の角度でのお辞儀連打で拝む。
「ありがとうございますっ……ありがとうございますっ!! あ、お母さん。手袋あります?」
「あるけど」
八雲さんはシルク製と思しきツルテカな手套を取り出すと、綾瀬に手渡す。なんなの?
そして両手にそれをはめた綾瀬は、卒業証書受け取るみたいにうやうやしく、俺と一歩の距離を置いて一礼しながら紙袋を受け取った。おいコレほんとになんなの??
「お、お受け取りすることも、素手では恐れ多いので……指紋をつけないようにしないと……」
「………………あっそ」
「倉刈さん、僕らのプレゼントも綾瀬さん、結構よろこんでくれてたとは思うんだけどさ」
「これだけナチュラルに扱いがちがうと呆れを通り越して感心するわね」
扱いの差に乾いた笑みを浮かべる二人だった。なんか、ごめん。
紙袋を丁寧に机に置いた綾瀬は、俺と袋を交互に見て目で「開けていいんですか?」と訴えてくる。いや開けろよ早く、そんなたいしたもん入ってないのにこんなに尺取ってんの俺がそろそろ息苦しくなってきてんだよ。
「はよ開けろや」
「ではいただきますっ! 包装紙も広げて額に入れて飾りますね!」
「こえーから捨てろよ。……悪かったよ捨てられないんだなわかったからそんな目で見るなよ。なら俺持って帰るよ、包装紙は」
こいつの部屋チラっと見たが、やはり好きなものが皆無なせいか殺風景な内装なのだ。そこに俺のプレゼントの包装紙だけ額に入れて飾ってある光景は、さすがにこわい。
包みを留めるシール(セロハンだと破ったときにこいつ落ち込みそうなので剝がれやすく可愛めのマスキングテープにしてもらった)をめくり、綾瀬は爆弾解体並の慎重さで中身を開いていく。
いやマジで早く開けて。場の全員の注目集まってるけど、ほんとにたいしたもんじゃねえんだよ。
ようやく開かれた包みの中から、ついに姿を現す、我がプレゼント。
「えっと……これは?」
取り出したパッケージを綾瀬はライトに向かって掲げる。高い位置にきたので全員が見た。
俺はこっ恥ずかしくなりながらも、説明する。
「…………俺の好きな映画、5選」
DVD4本とBD1本のセットだ。
ぜんぶBDにするのはあのー、金がキツかったので。完全版で見て欲しいやつだけBDにした……。
なんとも言えない空気が沈殿する。シェフとか演奏してた人とか年配層から、「あーその映画ね。往年の名作だね。センスいいんじゃん?」みたいな視線をちょっと感じて若干安堵した。
だが結局のところ大事なのは周りの目じゃなくて綾瀬の感想だ。そりゃぁコイツはなにもらってもよろこぶんだろうが、とはいえ反応は気になる。「明日までにぜんぶ見て感想書きますね!」とかだろうか。
はたして綾瀬は。
「こちら、面白いんですか?」
と、微妙に予想外な質問を飛ばしてきた。
うーん、急にそう言われると俺も悩むぞ。面白さなんて主観的なもんだし。お前みたく「好きなものとくにないです」と明言してるやつが思う『面白い』がわからんし……。
でもひとつ言えることがあるとすれば。
「俺は面白いと思ったし、だからまあ、お前にも見てもらいてぇかなと思ったんだよ」
そんだけだ。
……いまさらだが、それってプレゼントとしてどうなんだ? 押し付けっぽいか。
でも考えた結果として「これかな」ってなったんだよしょうがねえだろ。と、どこに向けてかわからない釈明を数秒。
やがて綾瀬は。
「……えへへぇ。大切にしますね?」
ぎゅっとパッケージ5本をおっぱいに埋めるように抱きしめ、目を細めて笑いながら小首をかしげて俺を見た。
不覚にも、ちょっと見惚れる笑顔だった。綾瀬のくせに。
「まあ、時間あるときにでも観てみろよ。俺はこの5本、観終わったあとになんつーか、いろんなモンが昨日までとちがって見える気がしたんだ」
「ゆっくり拝見します! ではまずこの一番手前のから観てみますね……題名からするとクレーマーの話ですか?」
「ちがうんだよなぁ」
俺はけらけら笑いながら軽くさわりを話した。
#
会場が自宅というだけで結局、俺たちの想定するような『お金持ちのパーティー』という感はそのままだったが。
しかし映像流すレクリエーションのあとはとくになにも予定なかったらしく、正直食ってるモンの質がちがうだけでやってることはウチでメシ食うときと大差なくなってきた。
日も暮れて、演奏の方々はお帰りになり。音楽が抜けたぶん俺たちの雑談の声が空間に響く時間となった。
「ケーキ、おいしいですねぇ……」
綾瀬、テーブルに並ぶ豪華料理そっちのけで俺のつくった苺ショートをもしゃもしゃ食べている。やめて、そんな明確にそっちのけにするの。まだ残ってるシェフがすごい目で俺を見てくんだよ。素人に負けてたまるかみたいな顔して料理に取り組んでるんだよ。
「でもお世辞抜きでおいしいわ、須々木くん。去年のクリスマス以来でつくったとはとても思えない、腕が錆びないものなのね」
「ありがとうございます倉刈さん」
最後に俺が菓子つくったのがいつかを知ってることにはもう突っ込みません。たしかそんときは家族で集まる予定だったからホールつくったんだっけな……結局なんやかんやで流れて、仕方なしに知り合いに振る舞ったけど。
佐野もその横でフォークを扱いつつ、俺の顔を真剣に見る。
「うちのお店でクリスマスとかイベントのときだけケーキ外注しようかな」
「普段からキッチンでバイトしてやってもいいぜ。これから尋の迎えとかでどーせ商店街行くこと増えるし」
「でも須々木、そしたらフロアのメイドさんに色目つかうでしょ」
「女子に色目つかうのはむしろ礼儀だろ」
「須々木が言うと妙な説得力があるなぁ……」
そりゃお前も晒されてる視線だからね。
「だいぶおなか膨れてきました。残りのケーキは明日にとっておきますね」
「おう。早めに食い切れよ」
「うう、食べたらなくなってしまうことがつらくてしょうがないです……」
「血肉になってお前とともにあると思え」
俺的には乳肉になってくれてるとありがたいが。さっそく色目を向ける俺。
「それにしても、こうも豪勢な誕生日を見てしまうと。今後須々木くんの誕生日を祝う際のハードルが上がってしまいそうね」
「お母さんから客船貸し切った船上パーティーにご興味ありそうだとうかがいましたので、須々木さんのときはそうしようかと思ってましたが」
「須々木くん、意外と夢があるのね」
「興味あるとは言ってねえよ! そんなパーティー開かれたら気ぃ遣いすぎて胃を悪くするわ!」
「主賓に気を遣わせては本末転倒ね。やはりそこは私たちが奉仕する側でないと」
「奉仕ですか?」
「そう、奉仕」
「ご奉仕か……須々木、いまにやっとしなかった?」
「してないが?」
奉仕って「ご」を付けるだけで途端にヤラシく聞こえるなあと思っただけだが?
そんな感じでいつものように卓囲んで喋っていると、後ろからなにやら鼻をすする音が聞こえた。振り返ると八雲さんがいた。
「……こっ、小雨に……お友達が……!」
涙目だった。あ、横におしゃれなシャンパングラスが。酔ってるな。泣き上戸かな。
「いまさら、だけど……ごめんなさいね……! 先月は、あなたたちのこと、小雨から引き離すようなまねをして……!」
そういえば俺がひどい目遭わされたのもアレだが、このひと佐野と倉刈さんの連絡先消すとかいう暴挙にも出てたんだよな。結局データ入れ直してことなきを得たが。
「ま、まあそう気になさらないでください八雲さん。僕は、気にしてませんので」
「私は家業のことを言われたの少し根に持っているけれど。まあ、条件次第で気にしないであげるわ」
佐野はとりなすが、倉刈さんは腕組みしてつーんと言い放った。八雲さんがうっと言葉に詰まる。そこへすかさず、畳みかける倉刈さんだ。
「八雲さん。御手洗さんの動向について、教えていただけないかしら」
ぽかんとする俺たち。
なぜここで御手洗さんが? という疑問が全員の上に浮かんで見えたが、ふいっと倉刈さんは俺に目を向ける。
そこには慈しむような色が見える。
「このごろこの街、ひいては須々木くんの周囲でもいろいろ起きている。けれど私の情報のレイヤーは、御手洗さんのいる業界に届かない。だから周辺の情報がそろわなくて……」
口許に手を添えながら、鋭い目つきになる。
「須々木くんの追っかけに支障が出ているの」
「ストーキングを追っかけって可愛く言い換えるのやめません?」
許しちゃいそうになるからさぁ。つーか許すかどうかの匙加減までどこまでも俺への貢献度依存なのが、この人ブレねぇわ。
と、俺たちのそんな会話を見ていた八雲さんはちょっぴり不安そうな顔を見せる。
「……御手洗については、じつは私も追っているところなのです」
「え?」
「無断欠勤、というわけではないのよ。ただ、二週間ほど前に『御守りの業務はこなすがしばらく出勤は控える』と連絡があって。顔を見ていないのですよ。連絡もほとんど来ないし」
「…………、」
じゃあ俺たちがアーケードからの飛び降りを見たアレは? それはたぶん、この言動からすると御守りとやらが関わるんじゃないかしら……と、倉刈さんとのあいだでアイコンタクトがおこなわれてだいたいの意思疎通ができた。こういうときはこっちの心理が読める相手、便利だね。
「なにかあったんすかね? あの飄々とした人が問題に巻き込まれるなんて思えないですけど」
「でも御手洗さん、最強との肩書のために普段から苦労してるって言ってましたよ」
おそらくは接してる時間が一番長かったであろう綾瀬が、思い返すように上を見ながらつぶやいた。
「狙われるそうです。その座を欲しがるひとたちに」
「やっぱあの人俺たちと住んでる世界ちがうよな」
「ほとんどヤンキー漫画の理屈で出来てる世界にいそうだよね……」
「ともあれ、動向はわからないのね」
「ごめんなさいね。私としても早く居場所と状況をつかんで、安心したいのですけれど」
心底申し訳なさそうに言う八雲さんだった。
倉刈さんは肩をすくめて「仕方がないことだし、判明次第お教えいただければそれで構わないわ」とちいさく笑顔を見せる。そこまで気にしてなかったが、念のため交渉に入っただけだったらしい。俺はちょっとホッとする。
「怒るほどのことではないもの。念のための予防策よ、こんなのは」
「心を読んで会話のリード奪ってこないでほしいんですが……つーか、その。あるいは、俺とか場の空気に気を遣って、家業のこと言われても怒らないようにしてるとかじゃないですよね?」
そういうのだと話が変わってくると思い、俺は対面の倉刈さんにこそこそっと尋ねる。すれば、彼女は微笑んで机に頬杖つき、俺の耳元で言う。
「もちろん。だって私には、須々木くんがくれた言葉があるもの」
「俺の?」
「『普通の仕事』のひとつだ、って言ってくれたこと」
ウィスパーボイスがくすぐったい。ああ、そういや言ったっけそんなこと。
でもそれ、そんなたいしたこと言ってねぇと思うんだけどな。
「あなたがどう思っていても。いいえ、むしろあなたが普通のこととして、ただ当たり前のこととしてそう在ってくれたことが、私にはとても大事だったの」
「だから心を読まないでほしいんすけどね……」
そうもまっすぐ見つめられるとさすがにハズいし。
なんてことを考えてたら、佐野が倉刈さんの肩をつかんでハイハイと言いながら引きずっていく。
「色目つかわれるのは我慢するけど、色目つかうのはやめてくださいね倉刈さん。とくに今日は綾瀬さんの誕生日なんですから自重」
「都合よく綾瀬さんをだしにして動くのズルいと思わない?」
「それで引っ込む道理ならその程度ってことでしょ」
「口が達者だこと」
「だれかさんと毎日言い合いして鍛えられたんじゃないですか?」
ぶつくさとやり取りをしながら離れていく。もういつも通りの日常になっちまったな、あの図も。
「いつも通りの日常ですね、お二人とも」
「お前まで俺の心を読む気か……!」
「? なんのことでしょう」
「天然のなせる技か、びっくりした」
お前にまでじつは鋭い洞察力ありましたー、とかってなるとかなわんよ。
辟易しながら俺がだらけると、綾瀬はすすっと横に腰かけてきた。
「なんだよ。近いぞ」
「いやぁ、楽しいなーと思いまして。須々木さんも、倉刈さんも、佐野さんも、お母さんもいて。御手洗さんと、それに尋さんもいらっしゃったらよかったのに」
「あいつにそれ言うときっとまた噛みつかれっぞ」
「あはは。でもそれもいつも通りで、楽しいですよ?」
「さよか。耐久上がったなお前も」
「おかげさまで」
てれてれとする。
それから、周囲を見回して。
「『いつも通り』っていうのがあたし、好きなものなのかもしれません」
「あん?」
「ほら、こうして須々木さんとお話して。みなさんがいて。日常ってこういうものなんだなーと思うことが最近、増えました」
「これまでだって日常は日常で、お前にはあっただろうよ」
「でも覚えてることが少ないんですよねぇ。御手洗さんとちょっとおしゃべりしたり、お母さんとゲームで会ったり……それくらいでして。日記とか書けないくらいの『日常』でした」
「いまは書けんの?」
「書いてますよ! 須々木さんと食べたもの、須々木さんと見たもの、須々木さんが見ていたもの! それを並べるだけでページがどんどん埋まって!」
「おーい倉刈さん化するのだけは勘弁な!」
お前さっきマズいアイテム手に入れてるからな! おいまさかストーカーにクラスチェンジする伏線じゃねえだろうなやめろよそういうのは!
戦々恐々とする俺の隣で、綾瀬は大きくのびをする。……邪気のないその仕草を見るに、こいつにそういうケはないか。危惧がすすっと薄れるのを俺は感じた。
「えへへ……ですから、いま楽しいです。いつも通り、というものがあるのが、噛みしめることができるのが。とっても、楽しいんです」
「……そうか。そりゃま、結構なこった」
「はい。結構な毎日です。須々木さんのおかげですね……だからあたし、そんな日々をくれる須々木さんのこともっとよく知りたいんです。今日はそのきっかけをいただけて、すごくうれしい」
俺越しの向こう、離れたカウンター席の方に置かれた、俺の映画5本セットを見やる綾瀬。
その目が手前にピントを合わせ、つまりはまた俺に注がれる。
「あのぅ。よかったら、なんですけど」
「なんだ?」
人差し指同士を突きあわせる動きをしておっぱい揺らしつつ、綾瀬がうつむき加減になる。
「映画、なんですが。厚かましいのですけど、もし須々木さんがよければ。一緒に観────」
と、ほぼ言い切っていたので展開的な引きにならない感じのタイミングで言葉が途切れる。
バツんと音がした感じがあった。実際にはそんなものなかったのだが……
暗闇の訪れというのは、音にならない音みたいなものがある。
「んぉ?! ブレーカ落ちたか!?」
「ひゃわ?!」
急に真っ暗になったのでびびったか、綾瀬が抱きついてきっっっぉぉおおすごいボリュームが! 心中の言葉すら乱れるほどのボリュームがいま俺の腰回りに抱きついっ、これすご、前の呪いん時とちがって露出デカいから感触が生々しっ、もうちょい停電続いて欲しっ、
ってアレ?
なーんか妙な感じが。
触覚は押し付けられるおっぱいに全力で働かせているが、見える景色に違和感……いや暗闇だから『見える景色』ってのも変なんだけど。
んー?
あ。
外も、つまりこのタワマンから見える街の景色も。
真っ暗じゃね?
「停電?!」
「規模が大きいみたいよ」
スマホの灯りがぽつぽつ点る。佐野と倉刈さんだ。
俺もごそごそとポケットを探「ひゃう」えっいま俺なに触った? そこもっかい手が往復して大丈夫? つかさすがにソレがマジでアレだとしたらちょっと腰回りから離れてくれ綾瀬さすがにいろいろしんどくなる。
っと、スマホをサルベージ。どれどれ……SNSのタイムラインが停電騒ぎで荒れてる。あらら、俺たちの街が全域じゃねえのかコレ。
いや、それよか。
メッセージを受信? RUINだ。
「だれから……は? 御手洗さん?」
なんでタイムリーにこんな。
俺は急いで開いてみる。なになに……
『すまない 呪詛返しに失敗した すぐ逃げろ』
「…………は?」




