世界中に緑が溢れた
世界中に緑が溢れた。
渇いた大地は草原となり、草原にはいくつもの樹木が並んだ。林は森となり森は森林となり森林は大森林になり大森林は巨大森林となった。
山では標高の関係で今まで草しかなかった場所にも樹木が現れるようになり、山頂まで樹木に覆われた山が沢山になった。
密林の植物の密度は極限になり、熱帯雨林は広がりを見せた。
砂漠でさえ草が散見されるようになり、オアシスの周辺はもう森と言っても良いほどに植物だらけとなった。
野菜も変化した。キャベツやレタスは大きな珠になり、ピーマンやブロッコリーや葉ものの野菜なんかもどれもこれもが巨大化した。
なぜかトマトや人参、赤や黄色のピーマンなんかは大きくならず、むしろ少し小さくなったように感じられた。なぜかと言ったが、きっと赤だったり黄色だったりするからだろうという確信に近い見解を皆が持っていた。
大根は根の部分が小さくなり葉の部分が大きくなったので、一目で大根だと思われなくなった。味は変わらずおいしい。
アスパラガスが沢山食べられるようになったのは良かったし、ほうれん草もむしゃむしゃ食べてもなかなか食べ終わらない。
大きく厚い葉になったしそは強い香りがした。
数多くの緑が溢れ続け、それによって世界中の空気は綺麗になり空がより美しく輝くようになった。
世界中に緑が溢れる事はとても素敵な変化だった。
ちなみにお米も緑色になった。
川には藻が溢れ水が緑がかって見えるようになった。そして藻の塊のようなものが世界中の海を漂うようにもなった。
少しでも土があるところには植物が現れるようになったし、普通の樹木も巨大化したのでので街中が樹木だらけになった。
そんな街では緑色になった犬や猫が走り回っていた。大森林では緑色になったうさぎさんや熊さんやいのししさんが楽しそうに踊っていた。
もちろん私達も緑っぽくなってきた。でも少しも変じゃあないんだよ。