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お義兄様の仰せのままに  作者: しょこらあ
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夕食にて

今回も見ていただき、ありがとうございます!


私はブライトに案内されてヴァレンシュタイン公爵家邸の食堂にきていた。少し遅れてしまったのか公爵様、マリア様、アレン様の公爵一族の皆さんは既に座っていた。

執事長のノアさん


「エミリア様は旦那様のお向いの席に座ってください」


と言われた。私なんかが公爵様の向かいの席に座って大丈夫なんだろうか。失礼なことをしないようにと慎重に公爵様の向かいの席につく。

私が座ったことを確認した公爵様はジュースの入ったグラスを手に取り


「マリア、アレン今日からエミリアが我が公爵家の一員となる。エミリアは今まで子爵家のご令嬢だったから環境が代わり、わからないことも多いだろう。だからできる限り我々が彼女をサポートして行こう、、、、それではエミリアの今後の公爵令嬢としての成長を祈って、、、乾杯!」


と公爵様が乾杯の音頭をとった。マリア様とアレン様も

乾杯と杯を押し上げた。

1杯呑むと口の中にふわぁっとした甘い果実の香りが広がった。私が

「美味しい!」


と目をキラキラさせて言うと


「そのジュース、気に入って頂けた?そのジュースは私の庭園のビニールハウスで栽培しているオレンジを使ったオレンジジュースなのよ。レオンは美味しいって言ってくれるけど、アレンは飲んでもなんにも感想を言ってくれないんだもの。エミリアちゃんが美味しいって言ってくれて嬉しいわ」


とニコニコしながらマリア様がいった。なるほどマリア様の庭園から取れた果物のジュースなのか。道理で美味しいはずだ、、、。

そうして夕食を一通り食べ終わったあと、公爵様がいった。


「エミリアちょっといいかい?」


「はい、なんですか?公爵様。」


「その、、、家族になったからその、公爵様って言うのやめて欲しいな」


公爵様が苦笑いしながらいった。確かに義理とはいえ自分の父に公爵様とは今考えればかなり変だ。


「ならこれから公爵様はお父様。マリア様はお母様とお呼びしてもよろしいでしょうか?」


と言うとお父様はにこりと微笑んで


「あぁ、そうして貰えるとありがたい」


といった。

お母様も何だかとても嬉しそうだ。


「俺は?」


と隣から声がした。隣にいるのはアレン様だ。


「え?」


とアレン様の方をむくと1人だけ呼び方が変えられてなかったことに何だか不機嫌になったようだ。

するとお母様が目をキラーンとさせて


「ならアレンはエミリアちゃんになんて呼んで欲しいのよ?」


といたずらっぽく聞いた。

たじろぐアレン様をにやりと口角をあげ精神的に追い詰めるお母様。うーんなんとも珍しい光景だ。

するとお母様がさらにいいこと考えた!というような顔をして


「ならエミリアちゃん!アレンのことこれからはアルって呼んであげて?確かアレン、お友達にそう呼ばれてたから。」


「あ、ちょっ!」


明らかに赤面するアレン様。初めてあった時とはまるで違う。

やはりいくら怖がられるアレン様でもお母様には叶わないようだ。

私はこの光景を見てクスッと笑い


「ならばアレン様のことをこれからアル兄様とお呼びすることにします。アル兄様、よろしいですか?」


といった。始めわたしからアル兄様と呼ばれることには抵抗があったようだが最後は


「あーもう、、勝手にしろ、、、」


と髪をクシャっとしてため息をついた。

お母様、恐るべし。


お父様はしばらくその様子を眺めていたが、一通り流れると


「まだ話はあるぞ。実を言うと今から言うことが本題だ」


と偉く真剣な表情で言った。


「エミリア、アレンの部屋へ行く時私は急用ができたと言って離れただろ?実はね、あれは王家主催のお茶会が開かれるんだがそのお茶会にぜひエミリアにも来て欲しいという誘いの手紙を受けたものだったんだ。日時は一週間後だ。どうだい?行くかい?」


うーん王家主催と言えば公爵家と侯爵家、そして上位の伯爵家しか招待されないというあれか、、、、。

私の実家は元々子爵家と五爵の位の中でも2番目に低い。だから王家主催のお茶会など招待されたことも無い。

けど行けるものなら行ってみたいものだ。王家主催のお茶会や夜会は全ての下級貴族の憧れの的だからだ。


(けど、私なんかの未熟な小娘が王家主催のお茶会など、公爵家の家紋に泥を塗ってしまわぬだろうか。)


と私が悩んでいると


「あら!いいじゃないいってらっしゃいよエミリアちゃん!私の新しい娘を自慢できるいい機会だわ」


とお母様が目をランランと輝かせていった。

お母様の一言で完全に行ってみたいという好奇心が勝ってしまった。


「私、、、行きたい、、です。」


私がそういうとお父様はそう言うと思ったといって


「エスコートはアレンに任せよう。私はその日は仕事が入ってるからね。あと、お茶会用のドレスも新調しよう。今のままでは少し地味だからね。ちょうど明日ドレスと装飾の商人を呼んであるから」


といった。

するとアル兄様はため息をついて


「、、、、分かりました」


と渋々了承した。、、、、まじか。アル兄様が私をエスコート、、、気まずさが凄いことになるに決まってる、、、、

私があからさまに顔を曇らせたのが気に食わなかったのか

アル兄様はチッと舌打ちをして私に


「明日は忙しいだろうから今日は早く寝た方がいい。俺の部屋にも今日は来なくていい。」


といって足早に食堂を出ていってしまった。その様子を見ていたお母様はただただ笑うのを堪え、お父様はやれやれと呆れていた。


「エミリア、アレンは普段はあんなだけど社交界では一応社交界の貴公子と言う異名で通ってるほどエスコートが上手いんだ。だからそんなに気にやまなくてもいいよ。アレンが一緒ならエミリアもきっと楽しめるから。」


と優しく笑いながら言った。


「あと今日はエミリアちゃんはなるべく早くおやすみなさい。明日はドレスや宝石を選ぶので忙しくなるだろうから♡」


とお母様はいった。お母様はさほど明日がというかドレス選びが楽しみなのだろう。


「はい。分かりました。では今日はもう失礼します。ブライト、いきましょう。」


といって私はブライトを連れて食堂をあとにした。










最後まで見ていただきありがとうございました!

次回からいよいよ令嬢っぽい話を入れられそうです( ⸝⸝⸝•_•⸝⸝⸝ )♡︎♡︎

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