表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お義兄様の仰せのままに  作者: しょこらあ
2/19

アレン・ラ・ヴァレンシュタイン

前回の続きでシリーズ2作目です(*'ω' *)

公爵様と別れたあと私は1人でアレン様の部屋の前に立っていた。

恐る恐るノックをするが中からは返事もなければ物音もしない。

もしかして聞こえなかったのかな?

そう思い私はより一層大きな音でノックをした。

((ゴン!ゴン!ゴン!))

『 アレン様!いらっしゃいませんかー?!』

((ゴン!ゴン!ゴン!))

((ゴン!ゴン!ゴン!))

そうやって何度も激しくノックをしていると


「うるせえーーーー!!!」

大きな怒号とともにバーンと内側からドアが開けられた。

「あ!アレン様!激しくノックしてしまいすみません。1度ノックしたのですが聞こえなかったようでしたので」

アレン様は何故か眉間にシワを寄せてThe怒ってるという顔をしていた。

「あ、あの、、、何かアレン様が怒るようなことを私してしましたでしょうか、、?」

するとアレン様は何故か深いため息をついて

「お前誰だよ」

とぶっきらぼうに私に聞いた。私に対して好感を抱いていないどころか悪感すら抱いているのは前の家族からもKYと言われていた私でも明らかだった。

嫌な汗が私の頬を伝う。しかしここで黙りこくる訳にも行かないので、勇気をふりしぼり


「は、初めましてアレン様。私は本日よりヴァレンシュタイン公爵家の長女として引き取られたエミリアと申します。11歳です。これからよろしくお願いします。」


「、、、俺はアレンだ。アレン・ラ・ヴァレンシュタイン。ヴァレンシュタイン公爵家の時期当主。お前と同じく11歳。」


その見た目で私と同い年なのかと衝撃を受けた。

何しろアレン様は11歳とは思えないほどの高身長。

オマケに顔も人間離れした美少年だった。極め付きには公爵様譲りの鮮やかな金髪にマリア様譲りの奥行きのあるグリーンの目。黙っていればどこかの国の王子様と本気で思ってしまうほどに綺麗だった。

アレン様をじっと見ていた私を見たアレン様は何かを思いついたようにニヤニヤと笑い

「あーお前か。例の没落子爵家の娘って言うのは」

と見下しながら言ってきた。

没落子爵家。確かにそうだが改めて他人に言われると心にくるものがある。続けてアレン様は鼻で笑いながら

「それにしても、、、お前も大変だな。家を没落させるような無能な父親をもって。まぁ、これからは家族になるんだ。せいぜい挨拶くらいはしてやるよ。」

ブチン。私の中の何かが切れた。きっとあれだ堪忍袋の緒とかいうものが切れたのだ。勝手に没落子爵家呼ばわりすることに飽き足らず家の事情も知らずに私の父様を勝手に愚弄するのだ。何が公爵家だ。何が義兄だ。

「あなたに、、、、」

「ん?どうしたガキ」


『あなたに私の家の何がわかるの!勝手に私の父様を愚弄して、、。私の事を没落子爵家の令嬢と馬鹿にするのは構わないわ!でも父様のことまで無能のように言わないで!

父様は、、、私の父様はとてもご立派な方なんだから!

あとガキじゃない!!私をガキだって言うのならあなただってただのガキじゃないの!』


思いの丈を息継ぎなしで全てぶちまけた私は若干酸欠気味になった。呼吸を乱しあからさまに肩を上下させる今の私は誰が見ても滑稽だと思うだろう。

(あれ、、アレン様からの反応がない)

そう思いちらっとアレン様の顔を見ると酷く驚いたような顔をしていた。初めてあった時と比べるとかなり滑稽だ。

すると突然アレン様は下を向きクックックと笑いだした。

「ちょ!何がおかしいんですか!!」

「あぁ、すまない。確かにそうだな今の俺の発言はたしかに俺に非があったな。すまん。」

そう言ってあっさりと謝られてしまった。そんな簡単にあやまられては喧嘩上等の体制で喚いた私としてはなんだか拍子抜けだ。


するとアレン様はフッと何かを思い出したように考え出し

「よし、エミリアとか言ったか?今日の夕食の後もう一度俺の部屋にこい。」

「、、、、へ?」

驚いて変な声が出てしまった。そんな私を見てまたアレン様クックックと笑いだした。

顔がカァッと熱くなるのを感じた。

「わ、分かりました!!夕食の後もう一度アレン様の部屋に行けばいいのですね?!それでは失礼します!!!」

そう言って私は早くこの場を立ち去りたいがあまり廊下を全力疾走してしまった。

「あ、ちょっと待ってって、、、ったく」

アレンはエミリアの背中を見ながらまたクックックと笑った。


❁✿✾ ✾✿❁︎❁✿✾ ✾✿❁︎❁✿✾ ✾✿❁︎❁✿✾ ✾✿❁︎❁✿✾


私はアレン様と別れたあと恥ずかしさのあまり全力疾走をしてその場を離れた。しかしそのおかげで迷ってしまった。

「ここどこなの、、、確かに公爵邸は大きくて立派だけど、迷うほど大きいというのはそれはそれで困ったものね」

私があてもなく屋敷内を散策していると

「どうなされたのですか?エミリア様。てっきりアレン様にご挨拶に行ってらしたとおもっていたのですが、、、?」

と、背後から私に話しかけてきた人物がいた。

「、、、誰?」

そう言いながら振り向くと執事服のあのぶっきらぼうな少年がいた。

「ブライト、、、?」

するとブライトは、はぁと溜息をつき

「何故疑問形なんですか、、合ってますよ。」

といった。

ホッ良かった。実を言うとかなりあやふやだったのだ。

するとブライトは何故かさっきあった時よりも不機嫌そうな顔をして

「何故こんな所にエミリア様がいらっしゃるのですか?アレン様へのご挨拶はお済みになったのですか?」

と聞いてきた。

「ええ。済ませてきました。あ、ブライト一つ質問いいですか??」

「はぁ、、、私がお答えできることならできる範囲でお答えしますが」

「私はいつまであなたやクレアにこの丁寧語で接すればいいですか??」

「は?」

何を言ってるんだと言いたげな顔で私を見たブライトは少し呆れたような目をして

「私たち使用人に丁寧語や敬語は不要です。お好きなようにお話しかけ下さい」

なんだ。別に公爵家の使用人だからといって私まで敬語を使う必要は無いのか。

「そう!ならこれからこの口調で話すわね。ブライト」

なんて気が楽なんだろう。いつもいつもあの堅苦しい敬語では息が詰まってしまいそうだったのだ。

そしてニコッと笑いかけるとブライトまたカァッと顔を赤らめた。

ムッ。人の顔を見て急に顔を赤くするとはなんなんだ。かなり失礼なのではないか。

「ブライト!私の顔になにかついてるの!?」

「い、いえ、、、何も、、、付いてません、、。」


「はぁ、、まあいいわ、、、、、あっ!」

「エミリア様どうかなさいましたか?」

「ブライト私の部屋まで案内してくれない?」

そうなのだ。私は全力疾走のおかげで絶賛迷子なのだった。

「あぁ、、良いですよ。」

はぁとブライトはまた溜息をつきながら「ついてきてください」

といった。ブライトは溜息をつき過ぎではないだろうか。

「ブライト、溜息をつき過ぎると幸福が逃げていくわよ?」

「、、、誰のせいかとおもってるんですか、、」とブライトが言った気がしたがまあ気の所為だろう。

そうして話しながら私たちは私の部屋へと向かった。




最後まで見ていただき、ありがとうございました

今後もなるべく良い作品を作れるように頑張るので気になる点や感想がありましたらメッセージで教えて欲しいです(>_<)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ