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勇者と魔法都市  作者: 昆布太郎
序章:まずは準備しようか
1/2

魔法都市と勇者の目覚め

初投稿、文章力、語彙力がない人間なので読みづらいところがあるかもしれません、それどころかこれが小説とかなめてんのか!!って思われる方もいるかもしれません。


不快に思われたらブラバしてください、でもよければダメな箇所の指摘をしていただきたいです。

手探りなので、修正すべき物がなにかもわかっていないので(汗)

 ーーここはどこだ?


 目を覚まして第一声がそれだ。 覚えている限りでは買ったばかりのゲームを起動し、ダウンロード中に暇だから眠ってしまった?


 分けもわからないで辺りを見渡すと一つの球体が目の前にあるだけで、枯れた草木と、破壊された煉瓦の壁、荒らされた形跡、見たところもうどれだけかわからないが長い間使われていない町のように見える。


 夢だと思い、自分の頬をつまんで引っ張ると、痛みを感じてすぐにやめる。 夢でないことが確定したところでとりあえず球体に近寄る。 すると球体が輝き始め、同時にジジジ……と奇妙な音が聞こえ始める。


『ガァーーピッ、勇者の反応を感知しました。 コアの起動に移行します。 勇者はコアに魔力をながしてください』


 球体から流れる無機質な音声にビクッとしながらも俺は近寄る。


「コアってこれの事か?」


 ペタッとコアと思われる球体にさわるが、まったく反応する気配がない。 あちこちさわってみるがそこからは進まない。


「なんだ? どうすりゃいい?」


 魔力を流せって言っていたがやり方がわからない。 手になにかを集めるように集中してみると、コアが動き出す。 これがどうやら魔力を流すというものらしい。


『魔力を確認、コアの起動。 魔法都市[ザザザッ]構築失敗。 保存された都市情報が破損しています。 初期化します』


 コアの音声が流れると同時に周りの景色が徐々に変わる。 荒れた廃村のような景色が消え、最終的には草原に変わってしまう。 恐らくこれが初期化の影響なのだろう。


『初期化完了。 名前の登録をお願いします』


木津喜(キヅキ) 太一(タイチ)


 コアの音声に従って名前を口にすると、無機質は音声で登録完了と告げる。


 コアのすぐ近くにポータルのようなものが現れる。 そこから銀色の長い髪、透き通った無機質な肌に無表情という言葉似合う切れ長な目に小さな鼻と口、白いワンピースを着た歳は16そこらの少女が現れる。


「転送完了、私はイヴ。 よろしくマスター」


 イヴと名乗る少女は俺に向かって綺麗なお辞儀を見せると、コアに向き合う。


「私は魔法都市作成のサポーター。 マスターのサポートをすることが私の役目。 まずはこのコアに魔力を流して」


 半ば何が起こってるのか頭が追い付いていないが、とりあえず頷いてイヴのいう通りに、さきほど同様魔力をコアに流し込む。


 コアを通してホログラムのようなものが現れる。 そこには幾つかの項目が書かれていた。


「これは魔法都市を作るに当たっての必要項目。 一つ目の都市製作、編集は自分の持つ建物を設置するためのシステム。 二つ目の製作は建物やアイテムを製作するためのシステム。 三つ目の分解は、設置していない建物やアイテムを分解し、素材を得るシステム。 四つ目以降はまだマスターでは使用できない。 まずは一つ目の都市製作を選んで」


「その前にイヴ。 俺はよくわからないでここにいるんだけどここはどこで魔法都市ってのはなんなんだ?」


「ここはアストラスの南部に位置する草原。 魔法都市はこのコアを軸に自ら設置という形で作られていく都市」


 聞いたことのない地名、しかも日本ではないのが字面で分かる。 ここが地球ではないことはコアの存在で信じ難いが半ば確定している。


 魔法都市については、このコアを使うことで自由に町が作れるっていうことか。 こういうのはゲームで何度かやったことがある。 しかし、どうして勇者が都市を作るんだ?


「なぁイヴ、なんで勇者が都市を作るんだ? こういうのって国王だったり、魔王だったりそういう類いなんじゃないのか?」


「魔王との戦いのための都市作り、今時四人パーティーの勇者一行で魔王討伐なんてナンセンス。 これが今の勇者の魔王討伐方法」


「つまり?」


「集団でボコる」


 俺がひきつった表情を浮かべている中、イヴはここぞとばかりにあまり崩しはしないが誇らしげなどや顔で返答してくれる。 


「逆に勇者が集団でボコられることもある」


 イヴの言葉にさきほどまであった廃村のような景色を思い出す。 恐らく魔王との戦争で負け、イヴの言う“ボコられた”結果なのだろう。


「そうならないためにも私がサポートする。 マスター都市製作を始めよう」


 俺は頷いて都市製作の項目をタッチする。 画面が変わると草原を上から見渡すような画面が写る。


「この青い点がコアの位置。 まずはコアを隠すためにマスターの家をコアに被せるように設置して」


 イヴのいう通りにコアを表す青い点をタッチすると、新しく項目が現れる。 設置と書かれた項目をタッチし、建物の選択をする。 所持している建物は小さな小屋と地下室のあるすこし大きめの家。 すこし大きめの家を選択すると。家がたてられるであろう範囲が表示される。


「これを、建てたら俺たちはこの家のなかにいることになるのか?」


「なる。 でも、それが嫌なら後からコアを移動させて隠す方法もある。 その場合しっかり場所を把握してないと、どこにいったかわからなくなることもある。 前例だと地面のしたに埋まってたこともある」


 コアの移動は慣れてからの方が良さそうだと感じるが、自分の中にあるロマンのようなものが疼く。


「地面を山のように上げたり谷のように下げたりってできないのか?」


「出来る。不必要な土を削り取って固定することも可能」


「自分で地下ダンジョンを作ったりも出来るってことだよな?」


「勿論。 魔法都市に不可能はほとんど無い。 でも勇者がダンジョンを作るという前例は無い」


 なるほど、これでコアの隠し場所が決まった。 家の見取り図を一度消してから一部の土地を引き上げ丘を作る。


「なぁ、このCPってのはなんだ?」


 画面の右上に表示されたCPという文字と、その横には856/1000と書かれた謎の数字。


「クリエイトポイントの略。 土地を変えたり、木や水源のような手に入れなくても設置出来るようなものを使うときに支払うポイント。 一ヶ月に一度200ポイント回復する。 魔法都市のレベルに応じて上限は上がる」


 なるほど土地を変形させたりするのは無制限というわけで無く、しっかりポイント制なのか。 これは考えなしの適当な事はできないな。


 とりあえず丘の土を削って階段を作り、自分の家となる建物を設置。 コアはちょうど地下室の中になるよう調節し、CPは430ほど余る。 これなら水源や木を設置しても問題無さそうだ。 ただ、このままだとCPが無くなって水が確保できなくなるのでコアを自作の地下ダンジョンに隠す考えはもうしばらく後になりそうだ。


 家の裏に少し大きめな穴を作り水源を設置すると、そこから水が溢れだして穴一杯に水が溜まる。 丘を覆うように木を満遍なく設置することでようやく完成。 少し暗い地下室に場所が変わり、イヴと一緒に家の外へと向かう。


 外は高台というほどではないが小山程度の丘に家があり、玄関をでれば回りを見渡すことのできる絶景スポットとなっていた。


「どうだイヴ」


「いい感じ。 もしかして都市作り経験者?って思うほど」


 イヴからおほめの言葉をもらったがまだ都市は作っていない。 とりあえず自分のテリトリーの確保を優先しただけだか、イヴは予想してたより立派な拠点に満足なようだ。


「そろそろ夜」


 周りを見るとすでに夕日で茜色に染まった景色となっている。 集中していたからか思っていたより時間が経過していた。


「マスター、都市作り素材集め遍のはじまり」


「素材集め?」


「夜は魔物が活発になる」


「ま、まさか魔物と戦えと……?」


「そう」


 当たり前と言わんばかりの即答に冷や汗をかく。 勇者と言えば確かに冒険だが、生まれてこのかた真剣どころか木刀も竹刀も持ったことがないし、なんならグリモワールどころか国語辞典すら俺の天敵だ。


 ……つまり俺は力がない。 そんな俺が魔物と戦える気がしないし、そもそも野生の動物すら無理だろうし、もし剣道を習っていたとしても躊躇してしまう。


「俺は戦うことできない! 剣すらもったことない!」


「? マスターが戦えないのは分か

ってる。 だから英雄を召喚する」


「はぁ!? 英雄召喚!?」


「コアの能力がひとつ解放された。 都市レベルかが2に上がった結果」


 知らない間に都市レベルが上がっていたらしい。 おそらく条件は建物を建てるとか都市を発展させるとかだろう。 それにしても英雄召喚……まるでソシャゲのガチャのようなシステムだな。 とりあえず召喚の説明を聞くためにコアの前まで移動してコアを起動させる。


 たしかに項目がひとつ増えている英雄召喚の文字をタッチすると1回と10回+1と書かれた文字を見て顔がひきつる。


「本当ソシャゲみたいだな……」


 召喚に必要なアイテムは魔石とよばれる物で、500個で1回とリアルマネーを使って召喚するにはぼったくりじゃないのか?と疑問を覚える量だった。


「今回ははじめてだから一回分私の物を使ってみて」


 イヴが何か唱えてから右腕を前につき出すと、その先に黒い(モヤ)が現れ、イヴの腕が靄に飲み込まれる。 しばらく何かを探る動作をすると、あったと言って腕を靄から引き抜くと靄はスゥッと消えていき、引き抜いた手には小さな麻袋が握られている。


「さっきの靄はなんだったんだ?」


「ストレージ。 空間中級魔法でアイテムを仕舞うことができる。 それとこれが魔石」


 イヴから手渡された麻袋の中を確認してみると、中には虹色と言えば大袈裟かもしれないが、幾つもの色に光る石が大量に入っていた。


「召喚してみて」


「分かった」


 イヴに言われた通りに召喚をタッチする。 するとイヴが現れたようなポータルが現れる。


『英雄を召喚します。 対象選択しています。 完了、転送します。』


 コアの音声が流れたと思ったら次はポータルが怪しく光る。 白かったポータルは銀から金、金から虹色と色を変え、最終的には目映い光を放ち始める。


「これは……ランク6以上の反応。 マスターはとても幸運」


 光が消えるとポータルに人影が見える。


「けほっ! けほっ! な、なに!?」


 可愛らしい声と共にポータルの中心で噎せながら周りを見回す少女。 赤いトゲトゲのツインテールに、幼さが残るクリクリとした大きな赤い瞳。 小さな鼻と口、まさに美少女と呼ばれる容姿に、赤と黒を基調とした甲冑に残虐性溢れる黒を基調とした大剣を担いだ10歳くらいに見える可愛らしい顔つきの少女。


「ランク10未覚醒……ありえない。 一回目の召喚でこれほどのランクが出るなんて前代未聞」


「よ、よくわからないけどここはどこよ! ボクをラチカンキンなんて良いドキョーしてるじゃないのさ!」


 サイドポニーの少女は大剣の柄に手をかけて威嚇する。 召喚は相手の状態とか関係なしに勝手に呼び出すようだ。 なんというか迷惑な話だ。


「ま、まて! 俺は木津喜 太一、この魔法都市を作る勇者らしい」


「魔法都市? 勇者らしい? ふーん」


 疑いの眼差しで俺を睨み付ける少女は一応柄から手を退けると、俺とイヴを交互に見る。


「拉致したんじゃなくて召喚したら君がここに現れた。 で、いまこの状況ってこと」


 少女の疑いの眼差しは更にキツくなると、じっと俺の顔を見続ける。 しばらくたつと、ふぅと息を吐く。


「嘘の気配はないね。 わかった、信じてあげる」


「私はイヴ魔法都市のサポーター。 マスターはまだ初心者、なにも知らない。」


「ミリア・ブレイア、それがボクの名前! こう見えてもコクエンのキョウセンシなんていう二つ名をもらうほど強いんだから! 英雄として召喚されたからにはがんばっちゃうよー!」


 焦りはしたものの、ミリアは先ほどとの説明だけで納得してしまっている。 飲み込みの早い彼女に少し疑問に思い聞いてみる。


「もしかして魔法都市とか勇者とか英雄召喚っていうのはこの世界では常識なのか?」


「この世界の常識? どういうこと?」


 ミリアはなにをいってんだ?と言いたげ顔をしている隣にいたイヴは真顔のまま淡々と説明しはじめる。


「魔法都市の勇者は決まって異世界の住民。 こちらの世界の常識を知らない。 マスターが言ったように魔法都市と勇者の存在、英雄召喚についても魔王を倒す為に選ばれたという解釈。 それがこの世界の常識」


 “異世界の住民”。 彼女は表情を崩さないでこの世界の常識を説明したが後者の方は俺の頭に入ってこなかった。


 人間に召喚されたわけでもなく、魔法都市の中心に召喚された。 つまり俺はこの魔法都市に選ばれ、召喚されたということ。 更に異世界という概念、干渉の力がこの魔法都市には存在する。


「イヴ、俺はもとの世界に戻れるのか?」


「結論から言えば可能。 ただし条件が厳しく、成功した勇者は二人だけ。 条件は魔王の討伐数5回、さらに魔法都市のレベルを最大値にする、勇者レベルを最大値にする。 これで魔法都市最後の項目“異世界の扉”が解放される」


 厳しすぎる条件を聞いて感じたのは、何がなんでも魔王を討伐させたいという何かしらの意思。 魔法都市のレベルを最大値なんて最大値がどれだけかわからないが、相当年月がかかる。 さらに勇者レベルを最大値にするという部分については魔王の討伐が一番効率のいいレベル上げだった場合確実に討伐数5回を上回る。 このシステムを作った奴が誰かはわからない。 が、相当な恨みを魔王に持っているように感じられる。 こういう利用されるような感じはあまり好きではないが、自分のためにもやるしかない。 なかなか良くできたシステムだな。


「じゃあお兄ちゃんはこの世界の人じゃないってことかー」


 元々一人っ子だった俺にはすこしくすぐったい響きの呼び方に戸惑うものの、ミリアの言葉にうなずく。


「とりあえず今日は休もう。 いくら強いとはいえミリアもわからないことばかりだろうしさ」


「了解、狩りは明日から」


「うん? なんかよくわかんないけど、わかった!」


 ミリアがアホの娘属性ということだけは把握できたところで、俺たちは建てたばかりの家のなかに入り、ゆっくり休むことにした。






ここまで読んでくださりありがとうございます。

一ページ大体15ページ分前後で書いていく予定なので、更新等遅めになるかもしれませんがこれからも見ていただければ嬉しいです。

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