表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/30

第8話 装備購入

 朝食を食べてから麗華と共に下山し、街まで来て大体10時頃になる。下山は楽だが街まで走るのは麗華の魔力供給があるとは言え流石のミヤビも堪えたようだ。

「それじゃあ儂は買い物をしてから錬金術ギルドに向かうからお主も用が済んだらギルドに来るのじゃぞ。」

 麗華はそれだけ言うと街を歩いていく。

「さて、オレも素材を売りにいくか。」

 ミヤビは前回と同様の商人の店にやって来た。

「いらっしゃいませ。本日はどの様なご用件でしょうか?」

「素材を売りに来たのですが?」

 ちょっと下心丸見えな店員が出てくるとミヤビはすぐに猫を被る。

「それは何なりと。して、今日の素材はどの様な物で?」

 ミヤビはアイテムボックスを見てウルフの皮を21枚、ウルフの肉を10個ラビットの皮を4枚、スパイダーの糸を2束、ホーンラビットの角を1本、フォレストモンキーの皮を6枚、アウルベアの毛皮を11枚、アウルベアの肉を10個を提示する。

「分かりました。量があるので一旦奥の倉庫の方に入らしてください。」

 ミヤビは促されるまま倉庫に入る。何人か店員もいるようで整理している。ミヤビは大台の上に提示した物を次々と乗せていくと三人の店員がすぐに出された素材の状態を確認していく。


 少し時間を経て最初の店員がやってくる。

「大変お待たせしました。今回は合計11940Gになります。」

 ミヤビは金を受け取り、次の目的の場所を店員に聞いてみる。

「この辺で服の仕立屋はありませんか?」

「それでしたらここから3つ程隣に此方が贔屓にさせていただいてる仕立屋がございます。」

「そうですか、ありがとうございます。」

 情報を手に入れるとミヤビはすぐに仕立屋に向かう。


「いらっしゃい、綺麗なタイプのお嬢さんかい?今日はどんな用だい?」

 仕立屋は気前の良さそうなお姉さんだった。ミヤビは猫を被らず素の状態で話す。

「オレは男なんだが綺麗なお嬢さんと言われるのは嬉しいねぇ。」

「おっと、これは失礼したね。私は仕立屋のミレーよ。」

「オレは守人のミヤビだ。いや、そう思ってくれて良かったぜ。今日はオレに合う女が着るような服を作って欲しくてな。今の服ではこれからの冒険に心許ないから是非この素材で作って欲しいんだ。」

 ミヤビはアイテムボックスからアウルベアの皮を取り出し仕立屋に見せる。

「アウルベアの皮ね。どれくらいあるの?」

「10枚だな。服にズボン、スカートでもいいがその時はスパッツみたいなのが必要だな。後ブーツとベルトを頼む。」

「それでも大分余るわね。」

「それなら籠手の下地も作ってくれ。それでも余るなら引き取ってくれて構わない。」

「分かったわ。そうね、3日後には完成させるわ。代金は引き取りに来た時にしましょう。とりあえず採寸しようか。」

 部屋の奥で服を脱いでミレーがメジャーのような物で計っていく。仕立屋らしくあっと言う間に採寸が終わる。

「デザインはこっちに任せるのよね。」

「あぁ、女らしい装備でな。」

 お互いにニヤニヤしながら手を握った。


 ミヤビは次に鍛冶屋に向かった。目的は勿論斧であるが柄の短い物ではなく長く斧の刃も大きい物だ。アウルベアと戦った時に火力不足を感じたからだ。

「頼もう!」

 鍛冶屋の扉を勢いよく開けて言う。

「娘っ子が何の用じゃあ!?」

奥の鍛治場から金属同士を打ち付ける音が響く中親方の大声が耳に届く。

「オレが使う斧をくれ!」

「いくら用意してる!?」

「10000G!」

「どんな斧が欲しい!?」

「刃がデカくて丈夫で両手で振り回せるヤツ!」

「色々見てやるからちょっと待ってろ!!」

 ちょっとと言いながら暫く待たされて親方がようやく出てきた。

「誰かと思ったら昨日うちの弟子の失敗作を買った物好きの嬢さんか。で?何で斧なんか欲しがるんだ?」

 ミヤビは今朝の修業での事を説明する。

「威力と広範囲を求めるなら大剣の方が良いんじゃねぇか?」

「振り回し方が違うんだよ。ただ両手でぶん回すんじゃなくて槍みたいに幅の効いた振り回しが欲しいんだ。大剣じゃ柄が短すぎる。」

「そうか。実は今朝、出来たばかりの物があるんだがそれなりに重いから筋力が70ないと扱えないんだが……欲しいか?」

「はっ!何だそれは!今のオレの為にあるような物じゃねぇか!買う!いくらだ!」

「8000Gでいいが手入れはこまめにして、たまにメンテナンスに持って来い。それとうちの店を贔屓にしてくれれば良い。」

「任せろ。今、仕立屋にアウルベアの皮を使って防具全般を作って貰ってるんだが籠手の下地も作って貰ってるんだ。」

 ミヤビはアイテムボックスからアウルベアの爪を取り出す。

「こっちで格闘用の籠手を作って貰いたいんだが斧を使うのに邪魔にならない様にこの爪を指先に付けて欲しいんだ。」

「爪はこれだけか?」

「無論!」

 アイテムボックスから残りの9本を取り出す。

「指10本分全部ある。」

「良いだろう。下地が出来上がるまでに金を貯めとくんだな!斧を持ってくる、上手く扱えよ。」

「勿論だ!」


グレートアクス

親方ダンブルが製作した鋼鉄製の両刃斧。ここ最近では渾身の出来で気分転換に自分でぶん回す為に作った物。

必要筋力70

攻撃力+40 防御力+10 速力-10

 ミヤビは金を払い、親方から斧を受け取りその場で装備する。鑑定すると親方の名前が分かった。弟子が作った銅の籠手と比べても明らかに出来が違う。

「ありがとよ親方。また来るからな!」

(早く試し斬りしたいが師匠を待たせてるかもしれないな。)

 ミヤビは鍛冶屋を勢いよく出るとウキウキしながら錬金術ギルドに向かって走って行く。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ