表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/30

第11話 ルイとルナ

 煌雅と昼食を済ませてエルヴィスに戻る。目を開けてアイテムボックスから卵を取り出し抱えていると卵がパキッと音を起ててひび割れていく。少しすると一瞬で発光し、思わず目を瞑るも目を開けてみると腕の中には明らかに卵よりも大きい生き物がこちらを見上げている。

 顔と言うか上半身が鷲、下半身が獅子の四つ足と翼を持つ生物。

「グリフォン?」

 ルイが知っている生物ではこれぐらいしか当てはまらない。

「とりあえず【テイム】」

 テイマーはテイムから始まる。卵から孵化したばかりだから確実に成功するが通常は弱らせてから【テイム】を使い説得する。


名前

種族-ベビーグリフォン

性別─雄

LV 1

HP 24/24

MP 20/20

筋力 21

体力 18

知力 16

精神力 16

敏捷 23

器用さ 20


 鑑定で見るとグリフォンはグリフォンでもベビーのようだ。

「といけない。先にやらなくては。君の名前ルナ。これから私の相棒として一緒に居てもらいます。よろしくね。」

 ルイが微笑むとルナも嬉しそうに鳴くのだった。


「おはようございます。バザックさんは居りますか?」

 ルナと仲良く朝食を摂ったルイはテイマーギルドに足を運ぶ。バザックと修業の為条件通り従魔を連れてきたのだ。

「おう!随分早いな。ぬっ!?そいつはもしやグリフォンか?」

 バザックは目敏くルイの隣を歩くルナを見付ける。

「まだ赤ちゃんですが。」

「いや、でも珍しい魔物だ。成長すればAランクのグリフォンに成るのだからな。高位の魔物の卵は希少だからほぼ手に入らない。だからしっかり育ててやるのだぞ。」

「ええ、分かっています。それで修業の方は?」

「おう、そうだったなと言ってもやることは難しくない。ただの狩りだ。従魔との連携を確認するのに丁度良いからな。従魔には野良の魔物と区別する為専用のタグを着けて貰うがそれが済んだら外に行くぞ!」


「ルナ!」

「グルゥウウ!」

 ルイがゴブリンの肩を矢で射抜きルナを呼ぶとルナは飛んで顔を鷲掴みにし力任せに地面に牽き倒し体重を乗せて頭を潰す。

 やり方はともかくルイの指示にしっかりと答えてくれている。ルナはAランクの魔物なだけあって賢く戦闘センスがある。極力攻撃は回避し、回避し切れないものは爪で払い除けていた。

「ふむ、なかなか良い連携だったぞ!次は集団戦だ!相手の数のの方が多い状況はいくらでもある!だがそれに臆する事なく互いに支えて乗り越えるのだ!」

「はい!」


 視界に5匹のウルフの集団が見える。ルイは今度は杖に持ちかえる。ルナだけでは対処し切れないだろうからルイも前に出て一緒に戦うつもりなのだ。

「主が前に出てどうする?」

「無論、ルナを支えます。別れて一対多数で戦うよりも二対多数で戦った方が負担が少ないと思いますので。」

「その心意気やよし!存分に戦え!」


 最初にルナがウルフを引っ掻くが怯むのは一匹だけで他のウルフが襲ってくる。しかし、横合いからルイが割り込んでウルフを杖で殴り、足で蹴り飛ばしたりしてルナが一対一の状態で戦闘出来るようにする。数が多いのでたまに二匹行くこともあったがルナはそれでも自身で対処出来ていた。

(兄さんなら一人で対処仕切れたでしょうね。)

 戦闘が終わった時ルナと共にレベルが上がった。


名前─ルイ・スメラギ

性別─女

職業─テイマーLV1

種族─エルフ

LV 4(↑UP)

HP 36/45(↑9)

MP 53/67(↑14)

筋力 26(↑2)(↑1)

体力 18(↑2)

知力 30(↑4)

精神力 30(↑3)

敏捷 32(↑3)(↑2)

器用さ 32(↑4)(↑2)


名前-ルナ

種族-ベビーグリフォン

性別─雄

LV 2(↑UP)

HP 24/44(↑20)

MP 20/35(↑15)

筋力 29(↑8)

体力 25(↑7)

知力 21(↑5)

精神力 22(↑6)

敏捷 31(↑8)

器用さ 26(↑6)


 プレイヤーと違って魔物のステータスの上昇値は大きいようだ。1レベルアップでルイの筋力が抜かれてしまった。だがルイは嬉しそうにルナを撫でている。

「まだ産まれたばかりで危ない部分もあるがそれも数をこなせば安定するだろ。と言うことで狩りを続けるぞ!」

 そしてルイとルナの狩りは続く。


 ルイとルナが狩りを終えギルドに戻る。職業レベルが上がり種族レベル以上の上昇値にルイもミヤビと同様に驚いたがそれ以上にルナのレベルアップに喜んでいた。

「今日はご苦労だった。初クエストとしては上出来だろう。報酬は2000Gと調教術の魔道書だ。と言っても謂わばテイマーの教本だ。それで調教術を学ぶが良い。こればかりは練習あるのみだ。励めよ。」

「ありがとうございました。ルナもお疲れ様。とりあえず素材を売りにいきましょう。」

 ウルフを多く狩っていた為素材が多い。仕立屋に行けば持ち込んだ素材で防具や服などを作ってくれるらしいがそれでも数が多いのである程度は売って金にした方が良い。ルイが使う矢もタダじゃないので金はあるに越したことはない。


 初クエストを終えても午後になったばかりで矢束を補充しても時間がある。

(調教術の練習ついでに討伐クエストでも受けてみましょうか?)

 近くの店で昼食を済ませてから再びギルドに戻ってクエストを受けて街を出る。平原を進みながらルナと共に狩りを続ける。魔物もホーンラビットが普通に出てくるくらいに進んでいた。


 そして今、目の前に森がある。

「この先がトレントの森ですか。」

 NPCの商人の話だと名前の通り、木の魔物トレントが出没する森で入った者達を木に擬態して襲い掛かる性質を持っている。他の魔物も生息しているのでこの森では二重の注意が必要になる。

「討伐クエストの範囲外ですが行ってみますか。」

 ルナが嬉しそうに鳴くとルイは森の中に入っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ