事件
控え室に着いた京介はドアに挟まっている1枚のカードに気がついた。そのカードには何も書いていない。
京介は、レベル4の話の中でも何も書いていない白いカードを炙ると文字が出てくるという犯行予告を書いていた。
もしかしたら犯人は僕の小説を読んで犯行予告のようなカードを挟んだのだろうか?
炙ってみると、案の定、犯行予告だった。
『オマエダイジナヒトウシナウダロネ×MA4221』と書かれていた。
そのカードを見て、すぐに叔父さんに電話を掛けた。
「もしもし、俺です、京介です」
「今日のパーティー、良かったよ」
「来ていただいて、ありがとうございました。ところで、叔父さんの身の回りに変わったことはありませんでしたか?」
「何を言うのだね。特に何もないが」
叔父さんは、まだ大丈夫なようだ。
「控え室に戻ったら、ドアに犯行予告が挟まっていました。オマエダイジナヒトウシナウダロネと。僕は、何か嫌な予感がしてなりません。念のため叔父さんのSPの方には十分に警護してほしいとお願いはしておきました。今、絶好調の叔父さんが、もしも総理大臣の職をお辞めになられたら日本は終わってしまいます」
「分かった。もしも、また何かあったら連絡をしてくれ。いいな」
「わかりました。叔父さんも変わったことがあったら、すぐに連絡を下さい。お忙しい中、失礼いたしました」
電話を切った京介が控え室のドアを開けると爆発が起きた。その爆発音を聞き付けたスタッフが駆けつけた。スタッフがすぐに救急車と消防車、警察を呼んだ。
京介は爆発して吹き飛んだドアの下敷きになって動けない様子だった。息はしているが今にも止まりそうだ。京介は救急車で運ばれた。
警察が爆発した控え室を現場検証をしていると1人の男性の焼死体が発見された。