エピローグ
諸人と冴子は、横浜のランドマークタワーの、展望レストランで食事をとっていた。
「まったく、いつになったら報道陣は引きとってくれるんだろうね。営業妨害もいいとこだよ」
「そうね。でも、嬉しかった、これ」
「ああ、オーダーメイドで、ゲーム中、ずっと渡せるかどうか心配で……」
「ゲームのことは忘れましょう」
諸人は苦笑いをした。手元には、婚約指輪がある。
「でもふたつだけ、いい? まず五億円はどうするの?」
「福祉団体に寄付するよ。僕も医療者だからね」
「また、気が大きくなっちゃって。で、もうひとつは」
「何?」
冴子は顎に手を添え、
「夏帆さんのお母さんは、どうして諸人くんが生き残ることを、予知していて、夏帆さんに言わなかったのかしら、というか、どうして諸人くんを参加者に加えたのかな」
「そうだね。泰三さんや穂香さんが殺されたのは、不謹慎だけどうなずける。だけどレイ先生と涼くんに手をかけたのはどうしてだろう」
「あの二人、同性愛だったんでしょ? 日本じゃ同性愛への偏見はまだ強い。その同性愛を、生死に結び付けて、社会に訴えたかったんでしょう」
「じゃあ、僕は何故選ばれたんだろう。何故僕が勝つことを知っていて、夏帆さんに言わなかったんだろう」
「実を言うと、それ知ってるの、私」
「え? どういうこと?」
「それはね……」
パアン!
突然諸人の胸に、激痛が走った。そして、胸からは大量の血が噴き出ていた。
「冴……子……?」
冴子の手にはピストルが握られていた。
「ごめんね。次のゲームが、始まっちゃうから」
レストランの客は、全員立ち上がり、拍手をした。客の男がマイクを握り、
「間もなく、M・ゲームが始まります、今度のルールはですね……」
諸人は、死体らしく、ゆっくりと死後硬直を始めたのであった……。
[了]
あー、ホント楽しかった。トリックとか相当練りましたよ。二週間ぐらいトリックについて考えたのかな。だけど僕はミステリ・サスペンスの書き手としてはまだまだ初心者で、トリックだけでなく、「謎」「ギミック」が必須だということがまだA・ゲームの段階では分かっていなかったんですよ。P・ゲームでは意識して書いたんですけど、気づいたことがあって、練ったトリックを、ギミックを用いて捜査、解決していくわけですよね。その際、ノートが必要なんじゃねえのっつーことに気づいたんですが、もう書き始めちゃったんでノートもくそもねえぞということで、ノートは次回作から活用しようととか考えています。そうしないとねえ、伏線とか、時系列とかがめちゃくちゃになるんですよ。で、最後に、バッドエンドで締めてみたんですけどどうでしょう。あんまりバッドエンドって使いたくないんだよなー。と思いつつ、使ってみたら、すごい高揚感があって、あ、こういう終わらせ方も悪くねえなとか思いました。とはいえ、読後感が頭おかしいくらい悪い(作者の頭が、と言いたいところでもある)と思うんで、そこんとこは申しわけないといったところです。あとはエーテル学院風紀委員も、今後の作品で活躍するかもです。今は多くは語りませんが。さて、最後までこの駄作に(なんつってもバッドエンドだからね!)つき合ってくださり、ありがとうございました!




