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俺クエスト 所持金100Gをなくして0Gになった俺が魔王を倒す   作者: 早乙女
第2話 やっとモテると思ったら魔物っ娘が全然俺を相手にしてくれない件
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砂漠の城の美女

皆さんは、男女の友情を信じますか?俺は信じません。何故なら、女友達から恋愛に発展する展開、最高だからです。





「砂漠あちー……。日本みたいに湿気はないけどフライパンの上にいるみてえ……。」


「紫外線対策をしてないからそうなるんですよ。」


「ちゃっかり日傘持ってきてんじゃねえよ。」


「美容部員にとって肌は命なので。」



あ、皆さんこんにちは。はじめましての人ははじめまして。

え、挨拶が古い?すみません、俺ニヤニヤ動画世代なので。どうも、勇者タケシです。

ある日目が覚めると異世界転生して勇者になってました。

チートしてモテモテハーレム人生が始まるかと思いきや、結局現実世界に戻って転職活動中。

おまけになんやかんやで縁ができた魔物が居候中。


今はクソ王にのせられて美人魔物討伐に向かってます。


「つ、ついた……。」


「この城に魔物が居座ってるみたいですね。」


「こんな砂漠のど真ん中の城に魔物なんか……。」


ガシャーン!


「何よこの化粧品!肌が粉吹いちゃったじゃない!もうあんたんとこ使わないから!」


「……いるみたいですね。」


「……行くか。」


クソ王曰く美人らしいけど、性格きつそー。ああ、また俺の異世界ハーレムライフが遠のく……。


「失礼しまーす……。」


そろりと扉を開ける。


「ふん、次のエントリーはあんた?」


「エントリー?なんのことですか?」


おお、赤肌エルフ耳美女。目付きがキリッとしてて、なんだかバー〇ー人形みたいだ。西洋美人でナイスバディ。

あ、脚組んでるからパンツ見えそう。


「今私専属のメイクアップアーティストを探してるの。人を集めるために手っ取り早く城を乗っ取ったってわけ。」


「わざわざ騒動を起こして人を呼ぶとは、随分乱暴ですね。」


「ふん、なんとでも言いなさい。それで、あんたは私にメイクしてくれるの?」


あ、脚を組み直した。マジで見えそう。


「動くなおっさん!」


「うわっ!?」


前のめりになったら魔物娘にムチを打たれそうになった。な、なんだあれ、革のベルトみてえな。

当たったら地味にいてえやつじゃん。


「メイクのメの字もなさそうなおっさんは引っ込んでてくれる?あんた帰っていいから。」


「な、なんだと!?俺は勇者だ!お前を倒しに来たんだぞ。」


「下着をのぞき見しようとした男が言ってもね。」


「お前どっちの味方だよ!」


「ん……?よく見たらあんた……。」


「は?」


「あんたじゃないわよ!そこよ!そこの美形!」


「ナチュラルに失礼。」


「私が何か?」


「殺す!」


魔物娘はナイトに飛びかかる。


「あ、やめた方が……。」


「きゃあああ!」


ナイトの茨が魔物娘を跳ね除ける。あーあ、間に合わなかったか。


「顔は外しました。見ず知らずの相手に殺すだなんて下品ですよ。」


なんだこいつ、勇者の俺より目立ちやがって。


「ちょ、調子乗ってんじゃないわよ……。」


「調子に乗ってるのはどちらですか?力の差は分かったでしょう。さっさとここから立ち去りなさい。」


「ふふふ、あんたたち、まだ私を舐めてるわね……。」


「な、なんだ?」


「スリープシャドウ!」


魔王娘の目が紅くギラッと光る。闇が俺を襲った。


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