表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺クエスト 所持金100Gをなくして0Gになった俺が魔王を倒す   作者: 早乙女
第1話 チートもハーレムもない異世界転生ってアリ?
7/28

終局

『魔導石?そいつが魔王の本体なのか?』


『正確には魔王さまの力の根源です。

噂によると魔導石を得てから、しがない魔物だった魔王様は今の地位に就いたとか。』


『なんか他人のふんどしで相撲をとるみたいだな。』


『とにかく、魔導石を壊さないことにはどうにもなりません。

魔導石は魔王様が強力な力を得るために、同じ空間の魔王の間に置き、オークに守らせています。』


『ん?あいつ力はやばいけど頭悪くね?』


『知ってましたか。そうです。だから私の茨で魔王様と同時に叩けば……。』


『魔王の気も引けて、オークも対応出来ない。』





ナイトの茨は、オークごと魔導石を貫いていた。


「知っていましたか?魔王さま。

チェスのナイトの使い方はフォーク。

クイーンを狙いながらキングも取れるのですよ。」


「く、そ……。」


魔王はばったりと倒れた。俺も、もう限界……。


「タケシ!」


朦朧とする意識の中、ナイトの声だけが聞こえた。




「はっ!?」


「おっ、気がついた。」


目が覚めると、我はあの人間が持つ縄にぐるぐる巻きにされていた。



「な、何をする!離せ!」


「そりゃ無理だよ。

お前だいぶ酷いことしてたし。これからお前は王に突き出すから。」


「わ、我に手を出せば死霊どもが黙ってないぞ!」


「魔王さま、魔導石はすでに破壊しました。

あなたもお分かりでしょう?あなたの体から、魔導石の魔力が消えていることを。


囚われた人間もすでに解放しました。

今のあなたはただの魔物です。」


「ふはははは!笑わせるな!魔導石なぞなくても、手負いの人間振りほどくぐらい、造作もないわ!」


「……いや、お前俺の体よく見ろよ。」


「……ん!?」


な、な、なんか治ってるーー!!


「なんで無事なんだよ!!」


「裏に待機してもらってたスライムに治してもらった。」


「魔王さま、あなたのお体も回復しました。しかし、タケシは腕力だけはそこそこなので、逃げるのは難しいと思われます。」


くそっ、くそっ、これじゃ馬鹿にされてた昔に逆戻りじゃないか……!


「ふざけるな!我が何をしたというのだ!」


「はあ?悪いこといっぱいしただろ。」


「先に我に手を出したのは人間と魔物どもだ!

人間は我に石を投げた!

魔物は力の弱い我を相手にしなかった!


みんなみんな我を馬鹿にしおって!だから我の力で分からせてやったのだ!」


「……それはお前の力じゃない。魔導石の力だ。」


「黙れ!」


「魔王さま、あなたの過去は知っていた。しかし、あなたはやり過ぎた。

でも、加担した私も同罪です。


一緒に罪を償いましょう。私は魔王さまの忠実なナイトです。」


「……ふん、ナイトのくせに。」


長いこと忘れていた感情が、目から溢れて地面を濡らした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ