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俺クエスト 所持金100Gをなくして0Gになった俺が魔王を倒す   作者: 早乙女
第4話 レベルが低いなら経験値を稼げばいいじゃない
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スライム達に不穏な兆し!?

「スライムって聞くとあいつら思い出すなー。元気かなー。」


異世界召喚され、王の指令を受けた後、私達は客室に通されてお茶を嗜んでいた。


「あいつらって誰?」


「スライムAとB。俺の異世界での最初の仲間。」


「え、そんな大事な魔物なのにテキトーに名前つけたの?」


「雑なんですよ、彼は。」


そういえばバービーは知らないのでしたね。この世界でタケシが見つけ、守り抜いた最初の仲間を。


「ちょっと会ってから行こうぜ?確か厨房と医務室だろ?」


「いいですね。私も懐かしいです。」


「うちも会いたーい!気になる!」


「じゃあ決まりな!」


お茶を飲み終えた後、私達は魔王さまの働いている厨房に向かう。







「よっす、お前ら、元気してたか。」


厨房に着くと、魔王様が振り向いて小さな手を振ってくださる。


「よう社畜、久しぶり。」


「それお前だろ。」


「残念でした〜。今は無職でーす。」


「威張れることじゃないでしょう。」


全く、お互い精神レベルが子供レベルというか。魔王さまはタケシの脚の鎧をギリギリ掴んでるし、タケシは魔王様の触覚を掴んで引っ張っている。


ただ、楽しそうなんですよね、2人とも。

魔王さまもかつては魔物の輪から外された孤独な存在ですからね。タケシもモテたいモテたいと口癖のように言っている一方で、一緒に住んでいて私やバービー、王以外と話しているところを見たことがない。

タケシと魔王さまは似たもの同士なのでしょう。だから横槍を入れるのも野暮というか。


「お変わりないですか?魔王さま。」


「うむ、お前も変わらんな。ナイト。」


「このちっこいのが魔王様?」


魔王さまを始めて見るバービーは、魔王さまの傍でしゃがみこんで指を指す。


「元魔王な。」


「言うなっ!」


魔王さまは小さな手をぶんぶん振って怒っている。


「こいつが勇者っていうか、タケシが倒したっていう?」


「はい。」


「ふーん。」


バービーがじろじろ魔王さまの頬にぷすりと指を埋める。


「うわ、ごわごわして柔らかくなーい。」


「こら!無礼だぞ!この硬い毛は外敵を遮断するのだ!どうだ!まいったか!?」


「えー、ますます可愛くない。」


「なんだと!?」


いや、あなた魔物でしょう。少々不敬じゃないですか?まあバービーは魔王さまの支配より、新作コスメの方が大事な魔物ですが。


「まあ、確かに小さいし弱そうだし、タケシでも倒せそうね。」


カチン。

バービー、それはいくら何でも不敬ですよ。魔導石の力を得ていたとはいえ、魔王さまを慕う者はたくさんいた。


「流石に失礼ですよ。元とはいえ魔王さまに向かって」


つい本音が口をついて出てしまった。


「え、何?こいつ怖い。」


「気をつけろよ、こいつ魔王過激派だから。」


「先に言いなさいよ。」


失礼な。タケシが現れなければ、魔物を総べていた方ですよ?

人間のタケシはともかく、バービーはもう少し立場を弁えなさい。



「プル!」「プル!」


ふと、向こうから懐かしい声が聞こえてくる。


「おー、お前らも元気してたか。」


タケシの仲間のスライム達だ。相変わらずボディには、タケシに書かれたAとBの文字が入っている。

いつ見ても愛がな、い……。ん?いや、スライム達、なんだか、体が濁って……?


「待ってください。あなた達、お腹黒くないですか?」


スライムたちのお腹が黒く澱んでいる……。まるで濁った宝石みたいだ……。


「あ、ほんとだ。お前ら葛饅頭みたいじゃん。なんか美味そう。」


「ふざけてる場合じゃないでしょう!この色はまるで魔導石……っ!!」


自分の口から出た言葉にはっとした。

魔王さまとの戦いの後、私もタケシも魔王さまも気絶していた。

あれから私たちが目を覚ますまで、裏で待機してもらっていたスライム達が何をしていたか私は知らない。


「ああ、それはあいつらがお前らが壊した魔導石を食ったからだぞ。」


「……は?」


「は?」


「魔導石って何?」


バービーは論外として、魔王さまから信じられない言葉が飛び出す。


「悪食すぎねえ?腹壊さなきゃいいけど。」


「それどころの話じゃないでしょう!!この子達にどんな影響が出るか……最悪、死……。」


「医者にみせたん?」


「こいつら医務室勤務だぞ。それで何も言われてないならそういうことだろ。」


「あっ(察し)」


元々魔物だから異常があっても気にしないということでしょう……これだから人間は……。


「なんかナイトが闇落ちしそう。」


「こいつ魔物過激派だからな。」


「俺からしたら、常識ぶったただのボケだけどな。」


タケシ、よほど私のローズハントをその身に受けたいようですね。


「プルっ?」


「どうしました!?」


スライムの様子がおかしい!


「ぶぶぶぶぶぶ……。」


小刻みに震え始めた。電子レンジに入れた卵みたいだ。

それに心なしか腹が膨らんでるような……。


「おい、これマジでやばくねえか?」


「すぐに医者を呼んでください!」


「は、はい!」


厨房にいた給仕に要請する。


「おい、お前ら大丈……。」


魔王さまが声をかけようとした、その時だった。


「プルーーー!!!」


スライム達のお腹から黒い光が矢のように飛び出す。


「うわっ!」


「なんてこと……!」


「おい、光が集まりだしたぞ!」


光は雲になり、雲は粘土のように形を変え、それは地に降り立った。


「こ、これは……。」


「やべえ……。」


みー。


「しょっぱ。」


タケシの間の抜けた声が厨房に響く。


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