イースト公国編終結。愛は権力より強し
「アトム!」
「レムリア!」
城から連れ出した姫は、お腹の本当の父親と愛おしそうに抱き合う。
「レムリア……姫が病気なんじゃないかって噂が流れて……。それから心配で心配で……結婚の噂も絶えなかったし……。」
「お父様が……お父様が怖かったの……。でもこの子を守らなきゃいけなくて……ごめんなさい……私が弱かったの……。」
「そんなことない!弱かったのは俺だ!
お城にいれば君が何不自由なく暮らせる、そう思ったのは間違いだった!
俺たちの子を守ってくれてありがとう、レムリア。これからは一緒に暮らそう。」
「……うん!」
遠目で2人と近くで泣いてるばあやさんを見守る、俺とナイトとバービー。
「警備の薄い逃走ルートや馬車も用意してましたが、必要ありませんでしたね。」
「ふふーん、私ってばしごでき!」
「ここの王、クソ王以上にたぬきオヤジで国民から信頼されてなかったみたいだしな。」
「ま、丸く収まったならいいでしょう。」
タケシ「にしても、よくお腹の子の父親が今朝会った花屋だって分かったな。」
「菊は葬儀で使われることが多い花。贈り物、ましてや勇者への餞別には不向きです。
しかし、7本の花束は、それだけで別の意味を持ちます。それは『ひそかな愛』。メイドから話を聞いた時、ピンと来ましたよ。」
「でもそれってナイトが分からなかったら、意味なかったわよね。」
「花屋の身分で本当のことを、しかも王族のスキャンダルなど言えるわけが無い。彼は賭けに勝ったのですよ」
「……なんか、かっけえな。」
その夜、見上げた星空に祈った。どうか姫様が幸せになれますように。
そんなロマンス思想も長くは続かず、現実に帰った俺は床で伸びていた。
「楽してモテたい……。」
「全く、あれだけの純愛を目の当たりにしてそれとは……。」
「うるせー!俺だってお姫さまと秘密の恋とかしてみたかったわ!」
「だからあなたはモテないのですよ。」
♪てんてろりん♪てんてろりん
「はーい、王様?今度は何?ドラゴン退治?裏ボスでも出た?」
「なんかやさぐれとる。
いや、今回は依頼ではない。
お前たちが先日助けたイースト公国の王女の近況報告が来てのう。今は田舎で花屋を始めたそうじゃ。
ナイトが紹介した医者の助けもあって、みるみる回復しておるそうな。」
「おお!それは良かった!」
「軽く1000年は生きてる魔物の医者ですからね。人間の医療では難しくとも、年の功で太刀打ちできます。」
「そうそう。姫から伝言を預かっておるよ。」
タケシ「なになに……。」
……。
「ふっ、別にいいのになあ。」
「むしろ美しい愛を見せていただいた我々のセリフです。」
『ありがとう。』
to be continued。佐藤タケシ、またまたレベル1。
「プルッ。」
「お前ら頻繁に遊びに来るな!ん?なんか腹が黒くないか?」
「プルッ。」
「プルッ。」




