王女様の危機!?イースト公国の闇
「なんだよ、ナイト。寝るところだったのに、呼び出して。」
「ほんとそれ〜。ご馳走だったのに、体重制限で全然食べられなかった私の身にもなってよ。」
「呑気な話をしてる場合じゃありません。この件は限りなく真っ黒ですよ。」
「はあ?何が?」
「先にこの世界の秩序について説明しなければなりません。
バービーも一応聞いておいてください。」
「りょ!」
「いいですか?
タケシを召喚する王がいるのがセントラル王国。異世界の中心にして世界の秩序を司っています。それを囲むように点在するのがノース領、イースト公国、自由都市サウス、ウエスト連邦。
いずれもセントラル王国の庇護を受ける代わりに国境警備が義務となっています。
これらを中心に先日訪れたジュビア王国のような独立国家が点在しているわけです。」
「よく分かんなかったけど、もしかして王ってめっちゃ偉い?」
「ええ。本来なら1魔物の私は謁見できないほど。」
「クリスマスケーキのサンタみたいな顔して生意気だな。」
「次に姫についてです。率直に言うと姫はご病気です。」
「は?病気?」
「じゃあお姫様の病気を私たちになんとかして欲しいってこと。」
「それがそうではないのです。姫の病気は向こうで言う摂食障害。過食をしては戻している状態です。」
「あー、最近向こうでも聞くわ。それなら医者に見せた方が良くねえ?」
「現代医療でも難しいものを、この世界で治せるとは思いません。それに、姫は妊娠してます。」
「はあ!?にんしっ……!!」
俺とバービーはお互いの口を手で塞ぎあった。
「それって誰の子なんだよ。」
外の見張りのことも考えてひそひそ話す。
「メイドが言うには街の花屋だそうです。姫はこっそり通いつめてお互い恋に落ちたとか。
しかし、その事を知ってかんかんに怒った王に引き離されたらしいです。」
「で、お姫さまはその時妊娠してたってこと?」
「そうです。ここからはタケシ、あなたは特によく聞いてください。」
「お、おう。」
「イースト公国の王はあなたをお腹の子の父親にしようとしてます。」
「っ……!!!!」
俺の口はナイトとバービーの手で全力で塞がれた。
「な、なんで俺?」
「イースト公国の王は、セントラル王国の王をよく思ってないそうです。」
「それってセントラル王国に守ってもらってるのが嫌とか?」
「端的に言えばそうです。
セントラル王国はイースト公国に公共事業や仕事を割り振る代わりに大量の香辛料を要求しているそうです。
しかし香辛料はイースト公国にとって金の卵、簡単には渡したくない。
そこでタケシと姫に既成事実ができたことにして契約条件を有利にしようとしてるんです。王族の不祥事も揉み消せますしね。」
「思ったよりヤバすぎワロえない。」
「ていうか身重の姫が病気なのに放置してるだけじゃなくて、ほかの男と結婚させようとするってどういうこと?絶対許せない。」
同感。バービーは本気で怒ってるみたいで、険しい顔をしている。
「今すぐお姫様助けようよ。」
「もちろんです。姫の状況を考えると事は一刻を争います。
私の読みが当たっていれば王は今夜理由をつけてタケシを姫の部屋に呼ぶはずです。
チャンスはその時です。手順は……。」
ナイトの読み通り、メイドが俺を呼びに来るまで作戦会議した。




