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俺クエスト 所持金100Gをなくして0Gになった俺が魔王を倒す   作者: 早乙女
第3話 王女さまとウハウハする前に結婚させられそうなんだが
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王女様を救え。スリーマンセル始動

「おえええ……!」


ああ、お嬢様は今日も大量の食事を吐いては戻している。


「お嬢様、お辞めください!お身体に触ります!」


「うるさい!私にはもう何も無いの!食べ物にぐらい依存させてよ!」


「しかし、お腹の赤ちゃんが……。」


「どうせ赤ちゃんは知らない男を父親にされるの!政治の道具としてお父様に使われるの!

私たちはもう終わりよ!」


わあああ、と泣きじゃくるお嬢様。

ああ、なんとお労しい。元を正せばあのクソだぬきのせいじゃ。地位と金が目当てで故王女様に近づいたのは分かっておった。それをあのクソだぬき、口八丁に王女さまをたぶらかしおって!


今夜もまた、たぬきが送り出したお見合い相手がくるはず。お嬢様を汚い男に渡すものか!わしが守る!


「姫様。」


ドアの外からノックと見張りの声がして、モップを構える。


「姫様、勇者さまがお越しになりました。」


ドアから顔を見せたのは、なんとも弱そうな貧弱男。


「どーもー……。」


ドカドカ!間髪入れずにモップで殴る。


「うわっ!?」


「近寄るな、けだもの!!お嬢様に触れるでない!!」


不意をついた隙に畳み掛ける。


「俺を殴りたきゃ好きなだけ殴ればいい!それであんたたちが俺を信じてくれるなら!」


「信じるか!たぬきじじいが寄越した悪魔め!」


ガッ


「あっ……。」


貧弱男の額にモップの角が当たる。額から血が出る。仕返しされるか……?しかし、この老いぼれの命に替えてもお嬢様だけは……!


「落ち着いた?」


「……は?」


「大丈夫。俺は怒ってない。ただ、もし良かったら手当してくれないかな?

血が止まらないと怪しまれるし。」


「何を言っておる?あのたぬきの差し金ではないのか?」


「まあ、否定しないけど、少なくとも俺も俺と仲間は姫様の味方。あんたたちをここから逃がしてやりたい。」


「し、信じるか……!」


「信じて欲しい。そのためならいくら殴ってもいい。何を投げつけてもいい。俺は絶対に手を出さない。」


な、なんじゃ、こいつ……。この優しさと温もりは……。まるで故王女様のようじゃ……。


男の額から血が流れ、目に入る。


「!す、すぐ治療いたしますじゃ!」


「!ありがとうございます!」


男は礼儀正しく深々とお辞儀した。






「まさかあなたが噂の勇者様じゃったとは……!この年寄り、腹を切って詫びたいところですが、私にはお嬢様が……。」


「いやいや!そんなことしなくていいから!それより、状況を教えてくれます?」


俺はばあやさんに大体の事情を聞いた。


「じゃあ俺の認識は大体あってるんですね?」

「はい……。

お嬢様は妊娠されてからというもの、この部屋に軟禁され、来る日も来る日もお見合いをさせられて……。

あのたぬきじじいはお嬢様のことを何も考えてない!

お嬢様の症状は悪化するばかり……。私はお嬢様が不憫で不憫で……」


おいおい泣くばあやさん。これはなんとか力にならなきゃダメだろ。


「大丈夫。姫様は俺たちが助けるから。」


「勇者さま、この年寄りの最後の願いを聞いてくだされ!

どうか、どうかお嬢様をお救い下さい!」


「それはできない。」


「!!そ、んな……。」


泣きじゃくったばあやさんの前でしゃがんで、目線を合わせる。


「最後の願いなんて聞けない。あなたも姫様と逃げるんだ。

姫様が元気になるには間違いなくあなたの助けが必要だよ。だからばあやさん、力を貸して。」


「おお!なんと慈悲深い!あなたはこの世界の救世主です!」


なんか大袈裟な気がするが、この人の立場を考えるとそうなるか。さて、バービーは首尾よくやってくれてるかな?


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