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ラベンダーの風に、星影はアルタイルのように

作者: 逢乃 雫

夏鳥とともに


空を駆け上がる太陽は



広がる青い海原へ


かざす光の帆のように



夏色の風にのって


かすかなラベンダーの



薫りが心を


やさしく彩りながら



青水無月(あおみなづき)


街へと降りそそぐ



陽射しは


クレッシェンドのように



風の小径に


咲いた夏雪草を



見つめる心にも


やわらかな


風をそっと感じながら




ラベンダーの風に


星影は夏鳥のように



太陽がやがて


遥かなバーミリオンの



山間の彼方へと


とけゆく時



夜空の舞台へと


羽ばたく


わし座の星々



星の琴が


奏でゆく夏の旋律を



青水無月の


(そら)に追いかけて




ラベンダーの風に


星影はアルタイルのように



煌めく翼で


天の川を渡りゆく



鷲の背に


アルタイルの星は白く



羽ばたく翼は


リベルタスの光とともに




星が駆けていく


空が駆けていく



いくつもの


夜と季節を越えて



幾光年の


遥かな時の空を超えて



夢が駆けていく


心が駆けていく



見上げた宙は


この今も


広がり続けているように



心という宙も


この今も


きっと、広がり続けて




時に向かい風のときも


あるけれど



鷲はその翼を


風に向かい広げて



より高く


空を舞うように



他の誰でもない


自分という


宙を越えていけたら



自分らしさの


翼を描きながら




夏鳥とともに


空を駆け上がる太陽が



広がる青い


海原へと帆のように



青水無月の


陽射しと雨の中で



夏色に染まりゆく


景色と街を


そっと流れゆくような



ラベンダーの風に


羽ばたく心は、アルタイルのように



















6月下旬頃から夜空に上るわし座は、「夏の大三角」の一つ、白銀の星・アルタイル(アラビア語で「飛び立つ鷲」)を中心に、こと座に続いて現れます。


アルタイルの隣には、リベルタス(ラテン語で「自由」)と呼ばれる星があります。青水無月あおみなづきは6月、クレッシェンドは、イタリア語に由来する「だんだん強く」の意味の音楽用語です。


爽やかな薫りのラベンダーは、6月下旬頃から見頃で、「幸せが来る」の花言葉があります。夏雪草なつゆきそうは、夏に雪のような花が咲き、花言葉は「思いがけない出会い」「幸福」です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
まるで心の中にひとつの季節が訪れたようでした。 太陽が起こす、ラベンダーの風、ラベンダーの薫りに運ばれる夏が清々しく感じました。そして、太陽は落ち、タイトルの星空の夏に導かれますね。 >風の小径に 咲…
6月の青水無月の街の情景にラベンダーの香りや色合いが優しく 沁みますね。これからクレッシェンドしてゆく、 駆け上ってゆく陽射しを感じさせる風に乗って。 星と空が、いくつもの夜と季節、幾光年のはるかな時…
>夏鳥とともに >空を駆け上がる太陽は 冒頭から惹き込まれ、力強さに心を動かされます。 >他の誰でもない >自分という >宙を越えていけたら 他にも素敵なところはたくさんあるのですが、進路の事で心を…
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