王国軍との戦闘
「ハンナ様、準備が整いました。」
「じゃあ、予定通りいきましょうか。」
「「「「はい!」」」」
シャイニングフォースの皆さんは、元気に返事をすると、洞窟入り口へ向かった。
王国軍との戦闘・・に見せかける闘いを行いに。
俺たちも気合を入れなおす。
「よし、摸擬戦は十分行った。あとは舞台に上がるだけだな。」
「よぅし!やってやるぜ!!」
「あれ、サンタス、武器はフレイルにしたのか?」
「あぁ、ヴァールさんが、お前とモーニングスターの組み合わせは危険だって、恐れていたからな!今回は見逃してやるんだ!」
「・・・まだ、上手い事、鉄球の操作が出来ていないんだ。」
「なるほど、危険だな。」
そして、俺たちは、男爵から防具を預かっている。殆どが魔術対策だが・・・。
「!勇者殿!此方でしたか。現状はいかがですか?」
「先方は、闘いの姿勢を見せています。先日も巨大な木の巨人を差し向けてきました。」
「やはり、王国への謀反の話は本当だったのですね。」
「あと、鬼の様に強い戦士がいます。皆さんは防御に集中した方が良いかと思います。」
「ご助言、感謝します!」
まあ、こんな所か。俺たちは今回、楽な役回りを任せてもらっている。格下の戦士たちのおもりをする事が今回の任務。あとは、ルーナがいない事がばれないようにするだけだ。
「それでは、シーリスさん、お願いしますね。真似だけでいいので。」
「かしこまりました。私は、魔術を使えないので、それっぽくやってみます。」
「ありがとうございます。軍の方は、ロア様にくぎ付けでしょうし、人数さえ揃っていれば平気かと思います。」
「はい、微力を尽くします。」
かくして闘いの幕は切って落とされた。
「さぁ、シーリスさん、闘いの狼煙を上げましょう!」
「はい。炎の化身よ、力を貸して・・・風の乙女よ、その力をここに!
ファイアストーム!!!」
「え、シーリスさん!やりすぎ!!」
シーリスさんは、サラマンダーとシルフの同時召喚で、メイジの上位魔術であるファイアストームをまねて見せた。
巨大、とまではいかないが、炎の竜巻が迫りくる。
「やばいぜ!防御!!」
「・・・いらないね!」
ロアさんは正面に出てグレートソードを一振り。その風圧で炎の竜巻をかき消した!
「行くよ、坊ちゃんたち!」
「・・・お、おう!」
予定通り、俺たちはシャイニングフォースの皆さんへ闘いを仕掛け、ロアさんは軍隊の前に躍り出た。
目の前で炎の竜巻をかき消した荒業に、軍の前衛は完全に腰が引けている。
「情けないねぇ!・・・死ぬなよ!!」
ロアさんは、兵士の武器や防具だけを的確にかすめ、攻撃力と防御力を削いでいく。それに合わせて洞窟の上部で待機していたハンナさんたちが、一斉に解呪を行う。
「「「闇の魔力の理を・・今・・解放せん・・・ディスペルマジック!!!」」」
ロアさんが無力化した兵士の周辺一帯が、糸を切られた人形の様に崩れ落ちる。
「ば、化け物だ!!」
「守りを固めろ!!」
「下がれ!おい!邪魔だ!!」
「勇者様!此方に!!こちらに~。」
ロアさんが一歩ずつ、ゆっくりと歩を進め、再び風圧の強い素振りを行う。
「「「闇の魔力の理を・・今・・解放せん・・・ディスペルマジック!!!」」」
風が吹いただけで、十数名が倒れる・・・。もう、半数近くが意識を断たれた。
「撤退!撤退!!」
「退け!!」
「隊長!無理です!!洞窟の中から岩の巨人が!!」
軍隊の視線が洞窟入り口のストーンゴーレムに注がれた。
いまだ!!
「風の乙女よ!!」
シーリスさんが自分たちに向けて、殺傷能力の無い強風を吹き付ける。
「ぎゃぁぁ!」
「やられたぁ!」
「!勇者様!!」
「勇者様が、やられるなんて!!」
「散開!どうにかして王国へ戻るのだ!!エリック様に報告を!!」
「「「・・ディスペルマジック!!!」」」
更に十数人が倒れ、残るは数人。司令官とやらも地に伏したようだ。
ロアさんは残りの兵に対し威圧し、剣を上段に構える。
「あ、赤い悪魔・・・。」
「ウ・・・死ね!」
「ひっ・・・。」
残りの兵はロアさんの威圧で気を失った。
「・・ディスペルマジック。これでおしまいね。お疲れ様。」
「ヴァールさん・・。俺たち、必要でしたか?」
「・・・あの、メグ姉妹が本気になれば、いや、ならなくても、一個大隊は沈むだろ。そこにハンナさんやルーナ、シーリスさんも加われば、国も落とせるんじゃないか?」
「俺たちって・・・一体・・・。」
「!あの訓練も必要なかったんじゃ?」
「・・・・まぁ、君たちは強くなったよ。・・・頑張った。」
男爵・・・オーバーキル過ぎました。




