修行の末
ゴウン!
・・・。
外で爆裂音が聞こえる・・・。
どうやらミリアムがリア様に程よく焼かれたのだろう・・・。
俺はと言えば、治療医で横になっているのだが・・・。
「アルバートさん?お加減はいかがですか?」
「・・・シホさん・・・。俺・・・。」
「リア様の魔法を切ったまでは良かったんですがね~。爆風でね~。」
「見てたんですか?」
「ええ。みんな楽しく見学してますよ?」
いつの間にか、俺とミリアムの修行が、カトルフォイルのエンターテインメントとして定着しつつあるのだった。
「おい!シホ!ミリアムさん連れて来たぞ!」
「はいはい、そこに寝かせてくださいね。」
・・・何となく手慣れているのが嫌だな・・・。
ズキ!!!
「うぁ!いたた・・・。」
ミリアムの方を体をねじって見た時に、足に激痛が走った。
「あらあら、アルバートさん。急に動いちゃだめですよ?そんな状態で・・・。」
「そんな状態?」
首に力を入れて痛い所とみてみると、太ももの部分が紫色に腫れている・・・。
「え?なにこれ?折れてる?」
「そうですねぇ。多分、折れてます・・・。高~く打ち上げられましたからね。」
「・・・切ったんじゃないんですか?」
「場所が悪かったみたいですね~。爆風でため池を飛び越してましたよ?」
なんでそんなに楽しそうなんだ?もっと心配してよ!
あれ?マリーさんって、今この村に居たっけ?
え、どうなるの?俺!
「ありゃ・・。アルバートはケガしてたか・・・。」
「あ!リア様!足が!あしが!」
「えっと、ミリアムは・・・。腕が焦げたか・・・。」
「シホさん!マリーさんって村に居ましたっけ?」
「え?マリーさん?・・・いえ?」
おう・・・。誰か、マリーさんを呼んできてくれ!!
「はい、薬草を貼りますよ?ちょっと冷たいですからね~。」
「んんん!!!冷たいより・・・・痛い・・・。」
「薬草が取れないように巻いていきますね~。」
「んああああ!やっぱり・・・痛い・・。」
俺に命の精霊を呼ぶ力があれば、このくらいのケガはなんてことないのに・・・。
「はい、ミリアムさ~ん!お加減はいかがですか?」
「・・・火が!・・・火が!!」
「そうですね~。じゃ、薬草を貼りますね?ちょっと冷たいですよ~?」
「がああああぁぁぁぁ!!いだい!!」
「そうですね~。焼けただれてますからね~。じゃ、薬草が取れないように巻いていきますね?」
「んのぉぉぉぉ!!!!・・・・・・。」
ミリアムが急に大人しくなったと思ったら、気絶したようだ・・・。
「リア様?マリーさんを呼んでいらした方が良いんではないですか?」
「ん~。面倒ね。・・・ルーナ!回復魔術・・出来たわよね?あれ?ルーナ?」
「ルーナさんなら、パーティーの皆さんで狩りに行きましたよ?」
「な、なんで?タイミング悪いわね・・・。」
「いえ、リア様が、今晩は肉が食べたいと・・・おっしゃったので・・・。」
「・・・そう・・・だったかしら・・・。」
「それはそうと、リア様は回復魔術を使えないんですか?」
「・・・えぇぇ。・・・仕方ないわね・・・でも、骨折は治らないわよ?」
「えぇぇ!回復魔術ですよね?」
「そういう物なのよ。骨までは・・・時間がかかるのよ。だから、先にミリアムをやっちゃうわね?」
「そんな・・・。」
リア様は、ミリアムのベッドへ向かい、呪文を唱え始める。
「暖かなる炎よ、傷ついた者に暖かな癒しを…ヒール!」
柔らかな炎が揺らめき、ミリアムを囲む様に燃えあがる・・・。
と言えば良いよ言うに聞こえるのだが、ぱっと見火葬にしか見えない。
しかし、治癒の炎は腕のただれを癒していき、暫くすると傷跡が見えなくなっていた。
「・・・・・はぁぁぁ・・・これ、疲れんのよね・・・。」
ちょ!俺は?




