裏切りの発覚?
おっさんの一言に場が凍り付く。
「てめぇ!やっぱりそっち側か!!」
「記憶が戻った私を止められるなら止めてみなさい!!」
サンタスがおっさんの胸ぐらを掴み、コーギが剣を抜き構える、ギニンがおっさんの首筋にナイフをあてがう・・・。俺とビルットは、おっさんの言葉の意図を何とか読み取ることが出来た。
「まぁ、落ち着けお前ら!!ほら、コーギもギニンも武器をしまって!」
「サンタス!ママが悲しむぞ!」
「なんだそれ!」
「まぁ、落ち着けって。なぁ、おっさん。俺たちが森に入って、死んだ、もしくは行方不明って事にしてくれるって事だろ?」
三人をおっさんから剥がしながら、俺はおっさんの言葉の真意をみんなに伝えるように話した。
「あ、当たり前じゃないか!ぁ~。死んだかと思ったよぉ。」
「今のはおっさんの言い回しが悪い。」
コーギがおっさんを睨みながら剣を片付ける。意外と頭に血が上りやすいんだね。
「で、大体想像は付くけど、期限は明日の朝なのか?
「そうだねぇ~。軍も壁が壊れた無防備な状態でさぁ、ほったらかしにはしないだろぅ?今日は無理でも明日には必ず動き出すさぁ。」
「なんで、わざわざ軍を裏切ってまで、私たちを助けるのよ?」
「だってさぁ・・・。弟子には死んでほしくないだろぉ?」
「おっさん・・・。」
「「「弟子じゃないけどな!」」」
「えぇ~。じゃぁ、教え子ならいいかなぁ?」
まぁ、心底いい人なんだろう。有難く協力してもらおう。
「行方不明にするにしろ、死んだことにしろ、下準備はひつようだよねぇ。ザスタさんが君たちの武器を見てあげよぉか。」
そう言うと、それぞれの武器を値踏みするように鑑定し始める。
「コーギちゃん、良い剣使ってるねぇ。外でロックリザードに切りつけておきながら、刃こぼれが無いよぉ。すごいねぇ。
ビルット君は・・・。これは軍の支給品だねぇ。早めに買い替えなよぉ?君の体格なら、ショートソードが良いかなぁ。
サンタス君のは棍棒、というよりメイスに近いね。頑丈だし、君に会っていると思うよぉ。
ギニン君のナイフはしっかり手入れしているねぇ。いいナイフだよぉ。
アルバート君は・・・。木刀になっちゃったんだねぇ。この重さからすると、気の中には鋼が入っているねぇ。丈夫だけど、対人戦にしか効果はないかなぁ。君の体格から言えば、バスタードソードが良いかなぁ?」
一通りの評価を行うと、おっさんは荷物の中から財布を取り出し、俺とビルットに銀貨を手渡した。
「この金は?くれるのか?」
「その武器じゃぁ心もとないからねぇ。選別だと思ってよぉ。」
「俺もくれ!剣も買っておきたい!」
「君は・・・。その武器がしっくりくるよぉ。大事にしなさいねぇ。」
銀貨で8枚、そこそこの剣であれば買うことが出来るだろう。ビルットは、6枚か。得物の差かな。
「その金で、昼前までに適当な武器を買ってくるんだよぉ?今日の日暮れと同時に外へ出るからねぇ。」
その後はそれぞれが行動を開始した。
コーギは街の外へのルート確認へ、サンタスとギニンは保存食の買い出し。
俺とビルットは武器の調達に・・・。オーダーメイドではないので、一番早く用事が済んだ。
そして、リンクルと皆は、再開の約束をして別れの時を迎えた。おっさんからは「困ったことがあったら連絡するんだよぉ」と言われていたが、苦笑いでスルーしていた。
「じゃぁ、みんな。元気でね!」
「あぁ。」
短く別れの言葉を交わしてそれぞれの道を進んでいった。




