表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しあわせの国  作者: 狼眼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

332/347

今回の作戦会議

「よし、みんな聞いてくれ。今回の我々の動きを説明する。」


ロア師匠がテーブルの最奥に座って説明を始める。


「まず、私たち姉妹は2人で行動、クロウ・イロン王国と、ガンドラ王国の国境へ向かって見る。お前達元勇者パーティー・・・いや、シャイニングフォースもそのままパーティーとして行動・・・。」

ロア師匠の簡潔で曖昧な作戦会議はすぐに終了となった。



「ん?なんだ?まだこんなとこに居るのか?迷子か?アンデルセン?」

「何言ってんですか?アルバートですよ。20日ほどもさまよってたら死んでますよ。テリーさん。」

「んじゃ、あれか?こないだと同じ木の実でも取りに来たってか?そんなに良いもんかね~?」

「ほら、俺たちの国でも、この時期は寒くて、こんな所まで来るやつなんで居ないんですよ。」

「はは、ちがいねぇ。」


俺は今、テリーさんの山小屋に来ている。

ここはガンドラ王国なのだが、すぐ目の前の山を登ればクロウ・イロン王国だ。

しかし、こんな山奥の国境付近には警備兵が巡回しているわけでもなく、戦闘が発生したような気配はない。メグ姉妹もあっさりと密入国に成功したようだ。


「あ、そうだ、来る途中でオークを狩ったんですが、一緒にいかがですか?」

「お!ありがてぇな。さっそく焼いて食おうぜ!」


テリーさんは薪をくべると、肉を切り分け始めた。

厳密に言えば、師匠が狩ったオークの肉を貰ったのだが・・・そこまで深く伝える必要もないだろう。


「そう言えば、クロウ・イロン王国の鎖国の話は聞きましたか?」

「なんだそれ?俺たちは何も聞いていないが?」

「なんか、俺の知り合いがクロウ・イロン王国の正門で、鎖国の為に追い返されたらしいんですよ。」

「ほえ~。鎖国して、何か良いことが有るのかね?」

「それなんですよね~。・・・あ、そこ焼けてますね。」


そうか、山に稼ぎに来ているテリーさんは知らないか・・・。


「テリーさんは、ずっとここに居るんですか?」

「バカ言え。5日働いて3日休むんだよ。ちょうど明日、帰る予定だ。肉も多少は取れたからな。」


テリーさんの後ろには、クマやイノシシと言った野獣や、オークの部位が転がっている。


「これをどうやって・・・運べるんですか?」

「これだよ。このソリに乗せて運べばいい。雪も使いようってな。」


テリーさんが椅子として使っていた木の台だと思っていた物は、移動用のソリだったらしい。

同じようなものが5つも小屋に置いてあるため、これに乗せて引っ張っていくのだろう。


「そうだ!俺も手伝いますよ!」

「良いのか?氷結樹の実を取りに来たんだろ?」

「それが、山頂まで登るのが面倒で・・・。」

「・・・妥当だな。この時期、山頂付近は大荒れだ。登ったらただじゃすまないぞ?」

「えぇ、だから、ちょっとだけ観光でもしようかなって。」

「そりゃ、こっちとしては有難いが・・・悪いな。」


テリーさんは、ニカッと笑って、着いたら酒でも飲ませてやるよといってオーク肉を頬張った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ