ハーレム状態?
「で、アルバート。お前、このメンバーで探索に赴くのか?」
ロア師匠がジト目で聞いてくる。
そりゃ、男一人に女3人、普通ではありえない様な編成だ。裏の意図があってもおかしくないように思えるだろう。
「いや、マリーさんは不可抗力ですから。リンとミリアムは誘いましたが・・。」
「え?私も誘っていただけたのではないですか?」
「いや、まぁ、回復が出来る方、と、お願いはしましたが・・・。」
「もちろん!私は回復も得意ですよ?」
「も?」
「えぇ、壊す方も、治す方もですわ。」
何故か拳を握りしめるマリーさん。その拳で勝ち取った試練なんですよね~。
「という訳で、偶然このメンバーが集まったという訳で。」
「ちょっとアル君。メンバーとか言ってるけど、何の集まりなの?」
「マリーさんの話、聞いてなかったのか?」
「私に関係ないと思って・・・はい。」
俺は、今回の探索の旅について皆に話をした。再確認の意味も込めて。
「じゃぁ、その東にあるテイケイ帝国に向けて探索を行って、途中でハンナ王妃の情報を集めたり、見つけたりするって事ね?」
「そう言う事。」
「私は、言っても良い。修行にもなるだろうし、炎の剣を使いこなすまでは一人で行動しない方が良いだろうし・・・。」
「私は・・・。私の魔術が影響しているのは確かだし・・・。何か役に立つことをしていたいの。何もしないままじゃ、後悔しそうだから・・・。」
ミリアムもリンも同行してくれるようだ。
マリーさんは効くまでもなく、笑顔で頷いている。
そんな中、クローディアさんが少し考えてから疑問をぶつけてきた。
「でも、マリーちゃんが言うような神の試練だけど、なんでそんなに人気なのかしら?人数が限られているにしても、探索に固執する必要も無いと思うのよね~。」
「それはですね!神の啓示を受けた者がいるからですわ。」
「啓示?どんな?」
「旅経つ者に試練あり。北、南西、南東への旅は更なる試練が待ち受けよう。・・・って感じですかね?」
「北・・海の探索部隊。近衛兵のパーティーだったかな?、南西はデュアル様のパーティー。で、南東は俺たちのパーティーって訳か・・・。」
「私の予想では、海の探索が一番危険を伴うだろう。だから試練と言われるのは当然ともいえる。しかし、南西、南東はなにが有るというのだろうか?」
「国がらみかしら?それとも、ハンナ王妃を迎えに行くのが遅くなって、激怒される・・・とか?」
ハンナ王妃の激怒が試練だとは思わないが、俺の方向が神の試練に値するものと言うのは、喜ばしいのだろうか?
「で、ですね。王様と近衛兵のパーティーについて行くメンバーは、デック様が直々に選別されましたので、だれも手を挙げる事は出来ませんでした。で、憲兵官と諜報官は即時メンバーを募っていました。そのため、南東の方向に行く方だけが不明だったのです。」
マリーさんはワインで喉を潤しながら話をつづけた。
「で、ですね。抜け駆け厳禁と言うルールで、私たちは街に出たわけです。そこでアルバートさんに出会ったという訳です。私の占いも結構当たるんだなって、神様に祈りたい気分でしたよ。」
「あぁ、だから片膝ついて拝む様にしていたのですか。」
俺の質問に対し、シチューの肉を頬張りながら頷いている。
・・・今回の探索は、そこまで大変だとは思っていなかったのに・・・試練、か・・。
「アルバート。もう一人くらいメンバーを募っても良いんじゃないか?」
「いえ、余り時間もとられたくはありませんし、みんなの準備が出来次第、出発としようと思っています。」
「私はいつでも構わないのですよ?」
マリーさんだけ即答だ。既に旅の準備を済ませていたのか・・・。
「あ、私は、今から帰って、おと・・両親に話をしてくるわね?」
「私は、ここの部屋に荷物があるし・・・いつでも行けるよ。」
どうやら、リンだけ準備が必要な様だ。
「分かった。じゃぁ、リンがここに戻ってきたら出発としようか。」
「分かった。」「了解。」「かしこまりましたわ。」
こうして、俺たちは木ノ葉亭での食事を楽しむことにした。
気が付けば、辺りには、いつも酔いつぶれている様な面々が集まりだし、酒を酌み交わしていた。
外に貼ってあった張り紙は、魔術でも付与されていたのだろうか・・・。
それとも、ロア師匠が怖かったから・・・。
それだな。




