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しあわせの国  作者: 狼眼


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暗殺・・・お断り

「おい、ちょっと待て。俺、暗殺されるの?」

「・・・あぁ。」

「軽いな!なんで俺が狙われんきゃならんのだ?こんな善良な一市民が!!」


俺が暗殺対象なんて、何かの間違いでしかないはずだ。多分。


「俺も詳しくは知らん・・・。ただ、暗殺部隊全体のターゲットではないな。おそらく個人、もしくは小部隊のターゲットにされている。・・・がんばれ。」

「頑張れって・・・・あ、あぁ!!あれか!」

「何かしたのか?」


ほら見ろ、とでも言いたいような態度でギニンが問いかけてくる。


「違う、少し前に商人のキャラバンと一緒に過ごしたことがあったんだが、その際に飲み物に毒を盛られたんだ。運よく俺はのまなかったが、あれが暗殺部隊の仕業だったのかもしれない。」

「なんだ、原因が分かったわけではないのか・・・つまらん。」


つまらんとは言いながらも、様々な情報を与えてくれた。

まず、隣国とは、リベラント公国であるという事。リーフ王国とは特に敵対はしていない。その国の暗殺部隊は公国の特殊暗殺部隊と裏組織の暗殺部隊に分かれており、俺の場合は裏組織の一部に狙われているという事だ。

そして、その組織の特徴としては、ターゲットは必ず始末するというもので、失敗が続くと暗殺部隊から追放されるという。

そのため、その暗殺者(おそらく個人)の襲撃をかわし続けるか、返り討ちにすることで暗殺のターゲットから外れるという事らしい。

一番確実なのは、返り討ちらしい。


「じゃ、生きろ。」

「・・・まぁ、助かったよ。ありがとう。」


言う事を言った彼らは、ロア師匠に一礼して去っていく。

さっきロア師匠が言ったように、ハンナ王妃たちには声を掛けずに王国に戻る様だ。



ハンナ王妃たちはいまだに研究に没頭している様で、こちらの動向には関心がないようだ。




「・・・じゃぁ、リンクル、呪文の言葉を・・・そうね・・・。無限に広がるマナよ、わが手となりてかの物をこの手に!・・・ってどう?やってみて?」

「はい。」


リンクルは、杖を構えて呪文を紡ぎ出す。


「無限に広がるマナよ、わが手となりてかの物をわが手に!」

「・・・石が落ちてきたわ・・。何をしたの?」

「あ、あの、あのあたりに石があるな~って思ってたんですが・・・。あのあたりの石を持ってきたみたいですね。」

「リア、あんたはあの辺りの岩場を見てきて。あそこから石が移動したなら痕跡があるはずよ。」

「はい、師匠。」


私は、今召喚された岩を見てみる。このあたりの岩は比較的角ばった岩が多い。降ってきた岩も他の岩と同じような形状をしている。この足立のものと言って間違いはないだろう。


「ハンナ師匠!ここに岩があったような窪みがあります!」

「よし!いいわ!戻っておいで!」


リアが戻ってきたタイミングで、私は魔術を増幅させる魔法陣の上に立つ。


「行くわよ・・・。無限に広がるマナよ、わが手となりてかの物をわが手に!」

「・・・。」

「・・・・。」

「駄目ね・・・。空間をゆがめるって・・・どういうことなのかしら・・・。」

「何なんでしょうね。」

「もう一回やってみましょうか。」


私は魔法陣を離れると、次の呪文の構築を行うために近くのテーブルに向かう。

様々な魔術書を開き、有効そうな呪文を調べる・・・。

次はこれ・・・シールドの魔術と穴掘りの呪文を組み合わせてみようか・・・。


「リンクル!次の呪文よ!」

「・・・すみません・・・もう、無理みたいです・・・。」


リンクルが石に腰かけてうつむいている・・・。


「なるほど・・・。魔力量の差ではないという事ね。分かったわ…。今日はここまでにしましょう。」

「では、食事の準備を始めますね。」


私の隣にいたグレイスが気を利かせて食事の準備をしてくれる。

沢山頭を使った後は、しっかりと食事をとらなくては、明日の活動に支障が出てしまう。その為、術者は食も大切にしているのだ。


「ハンナ様、今日は鳥と魚がメインです。デザートは、オレンジとパインです。」

「また!誰?パインを入れたのは?」

「お嫌いですか?」

「・・・嫌いじゃないけど、縁起が悪いのよ!・・・パインは・・・。」

「サラダではなく、パインケーキにしようかと・・・。」

「・・・不味かったら・・怒るわよ?」


こんな野営地でパインケーキだなんて・・・不味かったら怒鳴ってやるんだから・・・。


「ハンナ様、パインに何か嫌な思い出でもあるんですか?」

「・・・ないわよ。」

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