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しあわせの国  作者: 狼眼


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202/339

王様との謁見準備

「くぁぁぁあああああ!」


ロア師匠は大きな伸びをした後に、ゆっくりと立ち上がり胸元を見つめている。


「ほら、アルバート。ビキニアーマーを着たまま寝てしまうと、胸元に赤い線が出来るんだ。ほら、脇の下から、ず~っと。胸の肉がビキニアーマーの淵に当たって、こう、こうなって、こんな風に跡が出来るって訳だ。」

「師匠。弟子だからと言って、目の前で胸の解説を始めないでくださいよ。」

「何を言っている。お前が以前、寝るときに全裸になるのはなぜか?って言ってたじゃないか。その理由を説明してやってるんだ。」

「しかし、俺も男ですよ?」

「なんだ、恥ずかしいのか?」

「・・・それもありますが・・・。服を着てください。」


今からデュアル様に謁見するわけだが、ロア師匠は胸に付いた赤い線がどうしても気になる様だ。


「ほら、ロアさん、この服を着ていったらどぉ?これなら胸は隠れるし、薄手だから熱くはないわよ?」

「・・・こんな、ヒラヒラ・・・恥ずかしいじゃないか・・・。」

「ビキニアーマーの方が、圧倒的に肌を露出しているわよ!」

「そうじゃなくてだな・・・。」


恥ずかしそうにしながらも、白いワンピースに着替える師匠。いつもビキニアーマーなので、普通の服は何処か新鮮だ。


「クローディアさん、中にもう一枚薄手の服を着た方が・・・。」

「あ、あらあら。そうね、確かに、これ一枚ってのは無いわね。色々凹凸が見えちゃって逆に恥ずかしいわ。」


そう言うとクローディアさんは薄手の肌着を渡してきた。

ロア師匠は抵抗なく着替えを再開する。


「だから!ここで着替えないでくださいよ!良い年の女性が、パンツ一丁なんて!子供ですか!!」

「見たくなければ目を閉じればよいだろう。気にするな。」

「そうじゃないんです・・・。ここは、俺に与えられた部屋なんですって!俺も着替えなきゃ、デュアル様に失礼でしょ?着替えるんで出て行ってください!」

「お前!パンイチの私を部屋の外に追い出すって、鬼畜か?」

「ほら、アルバート君、着替え手伝ってあげるから、早くしなさい。」

「ちょ!なんでそんな!違う!やめ!なんで下から!!ちょ!まって!あぁぁぁぁぁ!」


強引に着替えを手伝われた俺は、変に抵抗したせいで、ロア師匠から「女子か」と言われてしまった。



服装も整い、と言ってもほぼ私服だが、旅の汚れは落とすことが出来た為王城へと向かう事になった。

昼時はとっくに終わっているので、いっしょにランチという事にはならないだろうし、公式な訪問でもないので気張る必要もないだろう。


「ミリアムはお留守番か。」

「そうね。あたしはこの国の者でもないし、正式なロア様のパーティーメンバーでもないし。国王への謁見は違うと思うの。」

「じゃぁ、ここでゆっくり食事でもしていきなさい?食べて飲んで、収穫祭の間は全部無料だから!」

「そうね。そんなに食べれる方じゃないけど、この国の料理を堪能しようかしら。」

「おばちゃん!この子、ミリアムって言うの。私たちが出ている間、面倒見てあげて!」


厨房の奥から、いつものおばちゃんが顔だけを出してミリアムを歓迎する。


「あぁ、ゆっくりしておいで。ミリアムちゃん、部屋も使えるし、水浴びも出来るから、自由にくつろぎなぁ。」

「ぁ、ありがとう。ございます。」


木ノ葉亭を出た俺たちは、デュアル様の待つ王城へ向かう。


ロア師匠・・・風でワンピースの裾がめくれる度に、必死に裾を抑えるの、こっちが恥ずかしいです。

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