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しあわせの国  作者: 狼眼


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リーフ王国の収穫祭

心地よい馬車のリズムに目を開けると、日は既に高く上がっていた。

俺の横にはロア師匠。熟睡している様だが、珍しく真っ赤なビキニアーマーは身に付けたままだ。

ロア師匠の奥には、いつの間に乗り込んだのか、ミリアムが白目をむいて倒れ込んでいる。寝ているわけではない様だ。


「クローディアさん、おはようございます。御者、ありがとうございます。」

「あぁ、おはよう。よく眠れた?」

「えぇ、夜の間はミリアムちゃんが頑張ってくれたから、何ともなかったわ。」

「ミリアムもお疲れ様。・・・ミリアム?」

「ダメよ、夜明けごろに坂道が緩くなってきた辺りでこけちゃって、暫くの間、馬車に引きずられていたから。体力の限界を超えちゃったみたいなの。」

「ロア師匠も、起きないですね。」

「それはそうよ。三日間、あなたの看病で眠れなかったみたいだから。」

「え?添い寝してたって・・・。」

「周りに気を遣わせないように、してたのよ。アルバート君を瀕死の状態にしてしまったのは、師匠である私の責任だって、泣きそうだったのよ?」

「・・は、はは。聞かなかった事にしておきますね。」

「その方が良いわね。・・・ほら、我がギルドの本拠地が近いわよ!」



城門で国王直属である探索ギルドの証を見せ、なんの抵抗もなく木ノ葉亭まで戻ってきた。


「ほら、みんな起きてください!到着しましたよ!!」


クローディアさんが馬を馬車から外し、厩舎へと連れていく。

おれは、食材や調理器具などを裏口から厨房へ持っていくことにした。


「あら、アル君お帰り!結構長くお出かけだったわね。成果は有った?」


厨房のおばちゃんが声を掛けてくれる。


「えぇ、クローディアさんを借りっぱなしですみません。大変だったでしょ?」

「まぁねぇ、でも、王様の頼みだし、お手伝い要員も来てくれたし、困った事は無かったのよ?」


すると、奥で昼前の仕込みをしていたであろう女性がこちらに近づいてきた。


「お久しぶりです、アルバート様。お帰りなさいませ。お食事はいかがですか?」

「あれ、シーリスさん?メイド長がこんな所で働いていて良いんですか?」

「えぇ。お城の事は、メイに任せてありますし、たまに手伝いに戻りますので。」


確かに、このスーパーメイドさんがいてくれたら、数人抜けても平気だろう。


「あら、シーリスちゃん。もう準備が終わったのかい?」

「はい、まずは300食分の下ごしらえが完了しました。他に何かございますか?」

「いや、ね?本当に300食もさばけるのかね?正直、そこまで繁盛していないよ?この店。」

「大丈夫です。ここより規模の小さい町の祭りでは、300食などあっという間になくなっていました。ご主人様・・・デュアル王の大盤振る舞いを侮ってはいけませんよ?」

「あぁ、あの祭りの間は飲食が無料になるってやつだろ?本当に大丈夫なんだろうかねぇ。」


おばちゃんの不安は分かるが、シーリスさんの見積もりに間違いはないだろう。


「所で、お食事をされないのであれば、お城にお向かいください。デュアル王が皆さんの到着を楽しみにしていらっしゃいますよ?」


「では、ロア師匠を起こして、身なりを整えたらお城に向かいますね。」

「畏まりました。そのようにお伝えいたします。」


すると、シーリスさんは小さく呪文を唱え、風の魔術で声を飛ばした。

魔術ってやっぱり便利だな~・・・精霊魔法でも出来そうな気がする。今度やってみよう。


俺は、馬車から荷物を下ろし終えると、ロア師匠を起こし、城へ赴く準備をした。

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