黄龍城
青龍街から黄龍街に入った瞬間、王族に出会い、あれよあれよという間に王城へ連行された。
連行と言っても、ひどく丁寧で、王族らしからぬ腰の低さに違和感がある。
大広間まで来ると、複数のテーブルがあり、テーブルの上には、果物や様々な料理が乗せられてる。
給仕の執事やメイドも複数動き廻っており、パーティーの準備でもしている様だ。
「いやいやいや、すみませんね。今晩の歓迎パーティーの準備がまだ終わっていないんだよ。ちょっと、隅の方で話をしましょうか。」
「あ、気にしないでくれ。私たちは長期滞在する気は無いんだ。」
「まぁまぁまぁ、今晩くらいいいじゃないですか。チィリン王国の救世主としてご参加くださいよ。」
「晩飯ね。あまり、騒がしいのは嫌なんだが・・・。」
「分かりました。・・・おい、ティーダ、演奏家はキャンセルだ。」
「は、畏まりました。」
細身の礼服に身を包んだ初老の男性は、指示を受けるとすぐに行動に移し会場のセッティングを続ける。
「では、歓迎パーティーの前に、湯あみなどいかがですか?長旅だったでしょ?」
「・・・そうだな、では、そうさせてもらおうか・・・。」
「分かりました。・・・おい、お客様が湯あみをなさる。お連れしろ。丁重にな。」
「はい。こちらにどうぞ。」「どうぞ、こちらに。」
ロア師匠とクローディアさんを女性のメイドが、俺は男性執事が風呂場へ誘導してくれる。
「武器と防具の手入れも行っておきますね。」
「・・師匠・・・。」
「大丈夫だ。渡しておけ。きれいにしてくれるさ。」
武器を奪われる不安はあったものの、ロア師匠が信用しているのであれば、多少は安心できる。か。
俺は、武器を渡すと男性用の風呂場に入った。
風呂場には、沢山の棚が設置されており、その棚には木で編まれた籠が置かれている。
ガントレット、ブレストプレートを順に外していき、執事さんに渡していく。
「確かに、お預かりいたしました。明日の朝にはメンテナンスを終えるようにしておきますので、本日はごゆっくりお過ごしください。」
「すみません、よろしくお願いいたします。」
俺は、タオルだけを手に、風呂場へ向かう。
・・・なんて広い風呂なんだ・・・。さっきの大広間の半分くらいありそうだ。
壁の一部が無くなっており、外の景色を見ながら風呂にはいれる様だ。
「・・・ぁぁぁ。体に染みわたる様だ・・・。」
「おっ、アルバートも入ってきたか?」
「・・師匠?」
風呂の中央が植物で遮られており、女性用の風呂と分けられているらしい。
「・・・いい湯だな。ゆっくり疲れを癒せ・・。」
「えぇ、体に染み込む様です。」
「デュアル様のお宅の風呂も大きかったですが、ここはすごいですね。
「そうだな。いつ入っても気持ちがいい。」
「あら、ロアさん、何度も入っているんですか?」
「あぁ、この王国でトラブルがあった時も、その前も。」
「へぇ、良いですね~。リーフにも作ってもらいましょうよ。」
「そうだな、師匠も風呂は好きだからな。作ってもらえるかもな。」
「しっかし、ロアさん・・・胸、でかいですね。何食べたらこうなるんですか?」
「そこまででもないだろ?でも、この中身は筋肉が殆どだ。大胸筋だ。」
「・・にしては、柔らかいじゃないですか。」
「お、おい、触るな!・・・ちょ・・。」
「アルバート君の頭と同じ大きさって事でしょ?」
「私のビキニアーマーは、少し伸びるようになっているんだ。あそこまで大きくはないさ。・・・で、話してくれないか?」
「アルバート君!ロアさんの胸、すごいわよ!柔らかいの!」
「・・・」
「あれ、アルバート君?」
「答えにくい事を言わないでくださいよ。」
それから、植物の垣根を境に、色々な話をして疲れを癒した。
体を洗い、香油を塗り、髪を念入りに洗う。しばらく洗っていなかったから髪の毛はゴワゴワだ。
3度洗ってようやく元通りになった気がする。
ロア師匠とクローディアさんは体を洗いっこしている様で、いつもの雰囲気とは違う、女性っぽい声が沢山聞こえてくる。
クローディアさん・・・後が怖くないですか?




