赤い悪魔
「おい、お前!この隊の隊長か?」
「!だ、だれ・・・ひぃ!・・赤い悪魔!!!」
「お前が、この隊の隊長か?」
「ち、がいます。こ、ここで寝ている、この人が・・・この人です。」
「ちっ、指揮官クラスなのに、魔術への抵抗もできないのか・・・。ダメだな、お前らの国。
他の!起きているやつ!私と戦う者は居ないのか!」
「・・・赤い、悪魔め!・・・この私、エフロウ小隊小隊長のエヴァンゼリンが、お相手仕る!」
「よぉし!いいぞぉ!お前はその剣を使えばいい。私は、この鞘を使う。・・・楽しませてくれよ?」
ロアは、この大隊の隊長が持っていた剣を奪うと、剣を小隊長に渡し、鞘を自分で使う事にした。
「ば、馬鹿にしおって!」
小隊長がロアに斬りかかる。
ロアは迫りくる剣の腹を剣の鞘で受け流す。流された剣を逆袈裟斬りで更に斬りかかる。
・・・が、そこにはロアの姿は既になく、剣は虚しく空を切った。
「な!どこに!!」
剣を振り切った体勢で固まる小隊長。彼の視界にはロアが完全に消えた様に見えた。
油断せずに、目で辺りを見回す。・・・一体どこに・・・と、姿勢を戻そうとするが、振り切った剣が何かに引っかかっている。
「ん?なにが・・・。」
小隊長が剣を見ると、剣は鞘に納められた状態で、ロアに固定されていたのだ。
「あんた、根性だけはよかったよ。」
そう声を掛けるとロアは、剣をそのまま小隊長に向けて押し込んだ。
剣が押し込まれた力に負け、剣の柄頭が小隊長のこめかみにめり込み、小隊長のエヴァンゼリンはきお失った。」
「やっぱりだめだな。おーい、リア!やっちゃって~。」
「・・・少しは時間があると思ったのに・・。早いと、嫌われるわよ?」
「こいつらは、ダメだ。修練が足りん。」
「じゃあ、解呪しちゃうね。」
リアが杖を構え、魔力を増幅しながら呪文を唱える。
「闇の魔力の理を・・今・・解放せん・・・ディスペルマジック!!」
「・・・どれだけ解呪出来た?」
「10名前後ね。・・・今、頭を抱えてうめいている奴らね。」
「じゃぁ、終わった奴はこっちに移動しておくな。おい!そこの神官!こいつらに回復魔法を掛けて、説明を始めてくれ!」
「・・・はぁ、解呪、気合い入れても10名くらいか・・・。ハンナ様は増幅無しで10名以上。まだまだね。」
リアは少し落ち込みながらも、順番に解呪を行っていく。
「リア様、私も手伝いますね。」
「ありがと、ルーナ。」
「リア様、また威力が増しましたね。さっきの煙、そこそこ離れていたのに、ちょっとクラってきましたよ?無茶苦茶な効果範囲ですよ。」
「この杖・・・これね。以前、ハンナ様からもらったものなの。魔力の増幅効果がすごいの。これで魔力を増幅して解呪したんだけど、それでもハンナ様に追いつけなかったわ。」
「あの人は、神レベルですよ。比べる方が無茶ですよ。」
「あなたはどうなの?魔力は上がった?」
「え、えぇーと。ほどほどに・・・。」
「・・・冒険にかまけて修行はさぼっていないでしょうね?」
「ももも!もちろんです!!毎晩寝る前の時間を使って、魔力を練っています!ばっちりです!!」
「そぉ、今度、見てあげるわね?」
「はは、はははっははは・・・。」
しまった!話しかけるんじゃなかった!!!と後悔しながらも、400名程の雑魚寝兵に解呪の呪文を掛けて回った。
「リア!終わったら、王国の前まで来てくれ!先に行く!」
ロアはリアの返事を待たずに駆け出した。
残ったメンバーで解呪と回復を行っていく。
「・・・・ディスペルマジック!」
「はぁ、疲れますね。・・・・ディス・・・あれ、ヴァールも寝てたの?」
シャイニングフォースの中で、リアの魔術に抵抗できたのはルーナだけだった様だ。
「効果範囲から、あれだけ離れていたのに・・・」
ルーナは、ヴァールの頭を小突いて叩き起こした。




