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第四章

時間は(am1:04)で止まっていた・・・


     第四章


恵子は男に声をかけた。

「時計に気がついてますか?時間が一時四分で止

まっています」

正一は言った。

「本当だ。壊れているんじゃないですか?」

恵子はそんなはずはないといった表情で答えた。

「私の携帯の時計も同じ時間で止まったままなん

です。たぶん壊れてるんじゃないと思います」


正一は自分の腕時計を見ながら言った。

「なるほど。この世界では時間という概念が存在

しないという訳だ。もうひとつ君に悪い知らせが

ある。さっき東京まで二〇キロという標識を見か

けたんだが、今、目の前の標識も東京まで二〇キ

ロと書かれているんだ。それにどうも同じような

所をずっと走っているように思える。」


正一は車を止めた。辺りを見回して「何か」がい

ないのを確認すると車から降りる。

 正一は少し先の「ビル」に目を止めた。満月の

明かりに照らされて屋上に複数の人影が見えた。

 正一は恵子に慌てて声をかけた。

「車から降りてあそこのビルの屋上を見てごらん

よ。人影があるんだ」

恵子は車から降りると正一の指さす方角を目を凝

らして見てみた。一〇階建ほどのビルの屋上にた

しかに、複数の人影が見える。だが何か様子がお

かしい、屋上にいる複数の人影は互いに手を取り

合って宙を見上げているように見えた。

 

 その時だった!


 その人影は徐々にビルの端へ寄って行く。そし

て一人がビルから飛び降りた。その後次々と人が

飛び降りていった。

恵子は心の中で叫ぶ。 

(いったいなんなの!?)


アスファルトの道路に人影は皆叩きつけられてい

った。そして屋上には誰もいなくなった・・・

 正一も恵子も唖然とするしかなかった。不可解

な行動をとる人達に、なす術もない。

 正一は重苦しい表情で言う。


「もしかしたら・・・この 異次元の世界 には

我々だけでなく、多くの人々が閉じ込められてい

るんではないだろうか? そしてその恐怖に耐え

きれなくて 自殺 を選択する者がいたとしても

不思議ではないと思うが・・・君はどう思う?」


恵子は言葉に詰まった・・・

(わからない。もう嫌・・・帰りたい。家に帰り

たい)

恵子は今にも泣き出しそうな表情だ。正一は恵子

に優しく声をかけた。

「車に戻ろう。まだ絶望するには早い。きっと希

望はあるはずだ」


 ゴーーーーン

 ゴーーーーン

 ゴーーーーン


 正一と恵子が車に乗ろうとした時。何処から、

ともなく「鐘」の音が聞こえてきた。

 

 ゴーーーーン

 ゴーーーーン

 ゴーーーーン


 正一は言った。


「鐘の音だ!行ってみよう。この音の方角へ、何

か答えがあるかも知れない」


正一は再び恵子を助手席に乗せアクセルを踏んだ


   第五章へ続く・・・






恐怖も加速していきますよ・・・

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