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登校初日

 自宅から歩いて20分程度のところにある大学に到着する。

 寧々は弱っていく母さんに何もできなかった悔しさから看護師を目指して看護学部に進学している。

 対する俺はギリギリの学力で滑り込むことができた経済学部に進学している。


「じゃあ、私はコッチの建物だから!」

「あぁ。また後でな」


 俺は寧々と別れ、経済学部を目指す。


「寧々から帽子とマスク、サングラスは外すなって言われたが、もう外して良いよな。無事、大学に辿り着いたし」


寧々が俺に変装をさせた理由は大学に行くまでの道中に声をかけられて大学に辿り着けなくなるから。


 そのため無事大学に辿り着いた俺は、帽子とマスク、サングラスを外して歩き出す。


 すると…


「えっ!リン様がウチの大学にいるっ!」

「ほんとだっ!」

「スーツを着てるってことは新入生!?」

「うそっ!リン様がこの大学に通うってこと!?」


 周囲からそんな声が聞こえてくる。

 そして一瞬で女子大生たちに囲まれる。

 その数、なんと15人。


「リン様はこの大学の新入生ですか!?」

「は、はい。新入生ですが……」

「「「キャァァァァっ!!!」」」


 俺の返答を聞いて、女子大生たちが騒ぎ出す。


「えっ!学部はどこになるの!?」

「新入生ってことは大学内を詳しく知らないよね!私が案内するよ!」

「あっ!ずるいっ!リン様っ!私が大学内を案内します!それこそ手取り足取り!」

「私、テニスサークルで活動してるんだ!リン様もどうかな!?」

「リン様っ!是非、演劇サークルへ!リン様ならトップも夢じゃないから!」

「あはは……」


 女子大生たちの声に苦笑いで返答する。


(寧々っ!助けて!)


 そして先ほど別れた寧々に、俺は心の中で助けを求めた。




 結局、俺が女子大生たちから解放されたのは囲まれてから30分後だった。


「おかしい。最初は15人くらいだったのに、なぜか時間が経過するとともに増えていったぞ……」


 俺を囲んでいた女子大生たちが時間の経過とともに増え、最終的には「入学式に遅刻するから!」と言って逃げてきた。


「舐めてた。1日経たずに100万人もの会員を獲得する俺の人気度を舐めてたぞ」


 俺は心の中で反省し、大学内を移動する際はしっかりと変装して移動することを決めるが、なぜか俺が経済学部に入学することが広まっており、大変な一日を過ごした。

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