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選考会という名の修羅場 10

 美奈が一位でゴールした姿を眺めた俺は、2位争いをしている浜崎さんと立花さんへ視線を移す。


「2位争いの方は白熱しておりますね!」

「2人ともパン食い競争に到着してますからね。しかもお互いに見える位置にいます。きっと2人ともお互いを意識してるでしょう」


 現在、浜崎さんと立花さんはパン食い競争に到着しており、2人とも必死にジャンプしている状況。

 しかし、あと一歩のところで届かず、お互いにパンを咥えることができない。


「パンが動いてうまく取れないよぉっ!」

「あーもう!なんで動くのよ!」


 そんな愚痴を言いつつも必死に口を開いてジャンプしている。


(美少女が“ぴょんぴょん”跳ねてる姿ってずっと見ていられるなぁ)


 そんな感想を抱きながら2人を見続ける。

 しばらく“ぴょんぴょん”と跳ね続けていると…


「ふぁっふぁー!」


 浜崎さんが“パシッ!”とパンを咥えることに成功した。

 そしてそのままゴールする。


「やりましたっ!」


 ゴールと同時に手を上げて喜ぶ浜崎さん。

 遅れて立花さんもゴールする。


「あと一歩のところで負けたから悔しいわね」

「早押しクイズでは立花さんに負けてしまいましたので、今回は勝てて嬉しいです!」


 そんな会話を2人がしていた。


「残すは愛甲さんと雨宮さんですが、2人ともパン食い競争に苦戦してる模様です!」


 その言葉を聞いてパン食い競争へ視線を移す。

 すると真奈美と桃ちゃんが必死な表情で“ぴょんぴょん”とジャンプしていた。

 “ばるんばるん”巨乳を揺らしながら。


「ぐふっ!」


 その姿を見て、咄嗟に目を逸らす。


(ヤ、ヤバい!ずっと見てたら人前では見せられない顔になりそうだっ!)


 先程は理性でなんとか視線を逸らせたが、今も揺れる巨乳たちが脳裏に焼きついてる。

 きっとこのまま見続けたら、放送NGな顔が披露され、『凛くんの変態っ!』などといった罵詈雑言が待っているだろう。


(さっきまで『美少女が“ぴょんぴょん”跳ねてる姿ってずっと見ていられるなぁ』とか思ってたけど2人は別だ。アレはずっと見てたら獣になってしまう)


 何時間も目の前で揺らされたら、さすがの俺も手が出そうだ。

 それくらい今の2人はエロい。

 しかし解説である俺が目を逸らし続けるわけにもいかず、理性をフル稼働させて2人を見る。


(おぉ揺れよる。やっぱり柔らかいんだろうなぁ……ってアホぉぉーっ!)


 2人を見て邪な思考しか出てこない。


(頼むからはやく終わってくれぇぇっ!)


 そんなことを心の中で叫んだ。




 あれから数分後、真奈美がパンを咥えることに成功し、そのままゴールした。

 結局、1位が美奈、2位が浜崎さん、3位が立花さん、4位が真奈美、5位が桃ちゃんと、早押しクイズとは真逆の順位となった。


「ここまでは皆んな互角のようね」

「そうだね。勝負は最終選考に委ねられたね」


 そんな話を真奈美たちがしている。

 ちなみに俺は疲弊し切っていた。


「お兄ちゃんどしたの?ぐったりしてるけど」

「あ、いや。頭の中で白熱したバトルを繰り広げたからな。ちょっと疲れたんだ」


 白熱したバトルとは理性vs性欲。

 無事、理性が勝利を挙げたが、ギリギリの戦いだったためかなり疲れた。


「……?」


 もちろんバトルの内容は言えないので、寧々が首を傾げる。

 そんなことを思いつつ椅子に座って休んでいると…


「リン様ー!私、リン様のおかげで1位になれました!あの時、私だけを応援してくれてありがとうございました!」


 満面の笑みを浮かべながら美奈が話しかけてくる。


「「「「私だけ……?」」」」


 それを聞いて4人が一斉に俺の方を向く。


「私がパンを咥えることができず悔しくて泣きそうだった時、リン様は励ましてくれました!そのおかげで私、1位になれました!」

「美奈を見てたらつい応援したくなってな。俺の声援が力になったのなら良かったよ」

「はいっ!とても力になりました!」


 そう言って美奈が満面の笑みを浮かべる。

 そんな美奈を他所に、なぜか不機嫌そうな4人。


「ふーん。小鳥遊さんだけを応援したんだ」

「私たちも頑張ったのですが、夏目様は応援してくださらなかったのですね」

「ウチ、とても悲しいです」

「わ、私は凛なんかに応援されても全く嬉しくないけど、美奈だけ応援するのはズルいと思うわ」

「そっ!そんなことないぞ!もちろん、みんなのことも応援してたさ!」


 変なことを言い出した4人に対し、すぐに弁明するが納得した様子はなく…


「凛くんからの応援が無かったから4位だったのかなぁ」

「運動音痴の私は応援する価値がなかったのでしょうか?」

「夏目さんは独走状態だった小鳥遊さんばっかり見てたんですね。ウチも応援してほしかったです」

「そうね。私のことも応援してほしかった……って!べ、別に凛から応援された美奈が羨ましいとかじゃないんだからね!」


 等々言っており、不機嫌そうな顔は変わらない。


「なぁ寧々。どうすれば皆んなの機嫌が治ると思う?」

「………鈍感お兄ちゃんから敏感お兄ちゃんに進化すれば治るんじゃないかな?」


 そんな訳の分からないアドバイスをもらった。

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