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明影  作者: kazoo
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(5)

翌週、佐藤はエリックソン社との重要な打ち合わせのため、会議室に向かった。会議室には、エリックソン社のリーをはじめとする担当者たちが既に席に着いており、佐藤と彼のチームも続いて入室した。


リーは以前と変わらずプロフェッショナルな態度で迎えてくれたが、今日は少し様子が違っていた。「おはようございます、佐藤さん。では、今日のアジェンダに移りましょう。」


会議が始まると、リーはプロジェクターを使ってプレゼンテーションを行おうとした。しかし、スライドの表示が遅れたり、資料が正しく表示されなかったりと、技術的なトラブルが続いた。リーは焦りを感じながらも、何度もスライドを切り替えようとしたが、うまくいかなかった。


「すみません、ちょっと調整が必要みたいです。」リーはぎこちない口調で説明を始めたが、その説明が不明瞭で、参加者たちは状況を理解するのに苦労した。リーは資料の一部を飛ばしてしまい、重要なデータが欠落している状態で説明を続けていた。


「お手数ですが、少々お待ちください。」リーは苦笑いしながら、何度もパソコンの画面をクリックし、イライラした様子を隠せなかった。


会議が進むにつれて、リーの対応が徐々に焦点を欠き、説明の流れが混乱した。資料の一部が見当たらないまま進行するため、佐藤は途中で補足説明をしなければならなかった。リーの普段の有能さが少し影を潜めていた。


会議が終了した後、佐藤はデスクに戻り、心の中でリーのパフォーマンスについて反省していた。プレゼンテーションの準備が不十分で、会議の進行がスムーズに行かなかったことを悔いた。


午後、佐藤の携帯電話が鳴った。エリックソン社の担当者からの連絡だった。「こんにちは、佐藤さん。今日はお疲れ様でした。」


「こんにちは、お疲れ様でした。」佐藤は電話に出た。


「実は、少しご連絡があります。リーさんがプロジェクトから外れることになりました。」担当者の声には少しの曖昧さが感じられた。「理由については詳しくお伝えできませんが、別の担当者が決まり次第、お知らせいたします。引き続きよろしくお願いいたします。」


佐藤は驚いた。リーがプロジェクトから外れることは予想外の出来事だった。彼女のプロフェッショナルな姿勢を評価していただけに、その変更がプロジェクトにどのような影響を及ぼすのか不安になった。「了解しました。ご連絡ありがとうございます。新しい担当者が決まったら、すぐにご連絡ください。」


「はい、こちらからも速やかにご連絡いたします。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。」担当者は丁寧にお礼を言って電話を切った。


佐藤は電話を切ると、少し考え込みながらデスクに戻った。リーが担当から外れることで、プロジェクトの進行がどう影響を受けるかを考えた。彼は自分の失敗を反省しながらも、新たな担当者とともにプロジェクトを成功させるために、気持ちを切り替えて準備を進める必要があると感じた。


その日の終業時、佐藤は帰宅する前に、プロジェクトの進行状況や次のステップについて再確認し、今後の計画を立て直すために必要なアクションをリストアップした。リーの不在という新たな状況に対応しながらも、プロジェクトの成功を目指して全力を尽くす覚悟を決めていた。

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