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明影  作者: kazoo
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シンクラ社の急速な進出が、クレスト・テクノロジーズにとって思いのほか深刻な影響を及ぼしていることは、日を追うごとに明らかになってきた。佐藤はシンクラ社の動向を探るべく、情報収集を試みたが、確たる策を講じることはできず、ただ焦燥感だけが募っていく日々が続いていた。


その影響は、ついに身近なところにも及んできた。中村が担当していたエリックソン社の取引が、今回の案件をもって打ち切りになるという通知が突然届いたのだ。エリックソン社とは、長年にわたって築いてきた信頼関係があり、これからも続くと思われていたため、この知らせはクレスト・テクノロジーズにとって痛手であり、特に中村にとっては大きなショックだった。


会議室で打ち切りの通知を受けた中村の顔は、明らかに落胆の色を隠せなかった。中村もシンクラ社の影響が原因であることを理解していたが、実際にそれを目の当たりにすることで、無力感が一層強まっていった。自分が何もできず、状況を改善できないことへの悔しさが、彼女の表情に浮かんでいた。


仕事が終わった後、佐藤はそんな中村の様子を見て、黙っていられなかった。普段は冷静沈着で、何事にも動じない彼女が、これほど落ち込んでいる姿を見るのは初めてだった。少しでも気分転換になればと考え、佐藤は中村に声をかけた。


「中村さん、今日は少し飲みに行きませんか? 気分転換も必要ですし、美味しいものでも食べて、少しリラックスしましょう。」


中村は一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに微笑みを浮かべて頷いた。「そうですね、そういうのもたまにはいいかもしれません。ありがとうございます、佐藤さん。」


二人はオフィスを後にし、会社の近くにある静かな居酒屋へと向かった。席に着くと、佐藤はメニューを手に取りながら、少し気まずい雰囲気を和らげるように、軽い話題を振った。中村も少しずつ表情を和らげ、二人は仕事の話を忘れるように楽しい時間を過ごすことにした。

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