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6話


 気づけば十月も半ばを過ぎ、校内は来週に控えた文化祭一色になっていた。発作のある航にとって、人でにぎわうイベントごとは大の苦手で男女ごっちゃで取り組む文化祭は心の底から遠慮したいイベントだった。幸いにも、クラスの出し物はお化け屋敷とかで航は真尋と制作物の手伝いだけで済んでいる。

 ちなみに、全と海人は当日のお化け役に立候補していた。

 海人との撮影はというと、「すっごいの撮れたから」と、あの日一日だけで一旦終わってしまった。挙句、コンテストの締め切り日も近くRAW現像とやらをしなければならないからと、放課後は一直線に家に帰るばかりで全然遊べていなかった。

 撮影の日に、スキンシップを取ろうと奮闘もむなしく大敗を喫した航は、距離を詰めるにも詰めれずにいたある日のこと。

「なー、海人って今まで何人くらいと付き合ったん?」

 放課後、お化け屋敷に使う装飾に色塗りをしている時、クラスの男子の声が航の耳に届いた。

 海人はその持ち前の人懐っこさから、今では航たちだけでなくすっかりクラスに馴染んでいた。今も、制作物を切ったり組み立てたりしながら、なにやら楽しそうに歓談している最中だった。

「俺も気になる!」

「んー、ちゃんと付き合ったことないかなー」

「え、それって体のカンケーってやつ⁈」

「うっわ、クズ発言キター!」

「これだから見た目のいい男はむかつくな!」

 周りの男子たちが盛り上がるのを聞きながら、航は手に持っていたスマホをぎゅっと握りしめた。聞いてはいけない話のような気がするけど、聞きたい気持ちの方が大きくて耳に神経が集中してしまう。

「俺さぁ、初恋が忘れられなくてさぁ」

「まさかの初恋!」

「その話詳しく聞かせろよ~」

「まぁ、小学生の時なんだけど……って、これ以上は教えないからね」

「ええぇー!」

「ちょっと男子! 口動かしてないで手動かす! いつまでたっても帰れないよ!」

 パンパンパン! と文化祭委員の女子が手を打って話を終わらせてくれてほっとする。それでも、心臓はバクバクと早鐘を打ち、明らかに動揺している自分がいた。

 頭に浮かんだ言葉は「やっぱり」。

 やっぱり海人は、自分のことを恋愛対象として見ていなかった。

 最初から、自分は被写体にすぎないと言い聞かせていながらも、心のどこかで少しでも希望があるんじゃないかと期待していたのだ。その淡い期待すら打ち砕かれてしまった。

 海人の心には今も忘れられない初恋の相手がいて、自分なんかが入る隙など一ミリもないんだ。

「気になるよね……」

 一緒に作業していた真尋の声で我に返る。止まってしまっていた手を動かして絵具で色を付けていく。

「なにが」

 すっとぼける航に、真尋は「海人くんの初恋」と言う。

「別に……興味ない」

 お見通しの真尋は眉尻を下げて笑った。

「俺はちょっと気になっちゃうなぁ。相手は男か女かとか、今その人はどこにいるのかとかいろいろ聞いてみたい」

「真尋がそういう話に乗るの珍しいな」

 本当に意外に思ってそう言えば、真尋は心外だと目を見開く。

「俺だって普通の男子高校生だからね、そりゃぁ人並に興味はありますよ」

「はは、なんで急に敬語なんだよ」

「なんとなく? 航は興味がないっていうより……苦手なのかなって思ってたから話題にしなかっただけで、部活仲間とはもう恋バナで大盛り上がりだよ」

「……そう、なのか」

 まさかそこまで気を使われていたとは思わなかった。真尋にはかなわないなと、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。表情が陰った航を見て、真尋は慌てて両手を振った。

「あ、別に恋バナするのを我慢してるわけじゃないから気にしないでよ? それに今のは、詳しく聞けた方が敵情視察ができるかなって思ったんだ」

「敵情……」

 そんなこと思いつきもしなかった。

 だけど……、もういい。この前の撮影の日の、海人の拒絶ぶりを思い出せば自分に勝ち目などないことは一目瞭然だ。

「なになに、なんの話? 俺も混ぜてー」

 海人が、航と真尋の間に割って入ってきた。興味津々な目を向ける海人を見た瞬間、なにかが音を立てて弾けた。体中の血液が沸騰して、かぁと頭に血が上った。

「あ、航、眉間が寄ってる。皺になっちゃうぞ」

 こちらに伸びてきた海人の指を手で振り払い、「トイレ」とだけ言って教室を出る。

 黒々とした底知れぬ感情が、全身に蔓延っていく。海人の一挙手一投足に振り回されている自分が、ひどく滑稽で馬鹿らしくなる。

 わかってる。海人はなにも悪くない。悪いのは全部自分だ。海人の言動を勝手に勘違いして、浮かれて、どん底に突き落とされただけだ。そうわかっていても、この荒ぶる感情のやり場がなくて持て余してしまう。あの場にいたら要らぬことまで口走ってしまいそうで怖かった。

 少し冷静にならなくては、と航は空き教室に入る。窓際の机に座って、窓の外をぼんやりと眺めた。

 初恋……か。

 それを言ったら自分のこれも初恋だ。

 思いを告げる前に散ってしまったけど……。そもそも自分は思いを告げたかったのだろうか。結局、自分がどうしたいのかが見えないままここまできてしまっていた。

 でも、海人に好きな人がいるということを知って、こんなに動揺してショックを受けているのだから、つまりはそういうことなんだろうと航は認めざるを得なかった。

 初恋は実らないって言うのは本当だったんだな。なんて感傷に浸っていた航は、人の気配を近くに感じて振り返った。

 すぐそこに、知らない女子が立っていた。驚きすぎて声もでなければ、身体も動かなかった。

「――あの、航くん」

 鼓動がぐんぐんと速度を増した。

 胸が、苦しい。

 ヤバい、駄目だ……。

「今、ここに入る航くんが見えて」

 心の準備もなにもできぬまま対面してしまい、頭も体もフリーズしたみたいに機能しない。

 異常なくらいの動機と脂汗に見舞われ、身体から体温が奪われていく。

 ここから離れなくては、と警報が鳴っている。だけど、動けない。

「す、好きなの、初めて見た時からずっと」

 言いながら、女子が一歩近づいた。そして、航の手を掴むと、自分の胸に抱きしめるように押し当てた。冷たい華奢な手と、自分にはない柔らかな感触に、鳥肌が立った。気持ち悪い。吐き気がした。今すぐ振り払いたいのに、自分の身体が自分じゃないみたいだ。

「私じゃだめ? 好きにしていいよ、私の身体」

 グロスの塗られたテカテカした赤い唇が近づいてくる。

「や、やめろ……」

 絞りだした声は弱弱しい。

 逃げようと必死に動かした身体はバランスを崩した。ガガガッと机がずれて航は女子と一緒に床に倒れ込んだ。

「うっ……、はっ……はっ……」

「航くん……好き、大好き」

 ――航くん、好きよ。大好き。

 呪いのようなあの言葉が脳裡に蘇った。それは、蜘蛛の糸のように体に絡みついたまま薄れることなく色濃く消えてくれない。

「いやだ……」

 もう、いやだ。

 自分は、一生この呪縛から逃れられないんだ。ずっと、この呪いと共に生きていかなければならないと思うと、どうしようもない程の息苦しさに襲われた。呼吸はどんどん浅くなり、視界が暗く狭まっていく。

 朦朧とする意識の中、女子が航の制服に手をかけて脱がし始めていた。どうにか逃げたいのに、のしかかる女子をどかす力も沸いてこない。

 助けて……誰か……。

 真っ暗になった視界の中に、ぼんやりと浮かんだのは海人の顔だった。

「やっ……」

 急に身体が解放されたように軽くなって、沈みかけた意識がと浮上した。

「失せろ! 二度と航の前に現れるなよ! いいか!」

 鬼気迫る怒声が耳に届く。女の声でないことはわかったが、混濁する意識ではそれ以上のことまで頭が回らなかった。

「航、大丈夫か」

「――いやだっ! やめろ、触るなぁっ」

 体を抱き起こされ、反射的に振り払おうと手で拒絶したが、それよりも強い力で抱きしめられて動きを封じられる。

「航! 俺だよ、海人だよ……、もう大丈夫だから」

 ――海人……?

「はぁっ、はぁ、はぁ……」

 息が苦しい。

 抱きしめる大きな手が、背中をさする。

 あ、本当だ、海人の匂いだ……。

 強張っていた身体から力が少しずつ抜けていく。

「大丈夫、……大丈夫だから」

 海人は時折子どもをあやすように身体をゆすりながら、航が落ち着くまで抱きしめてくれていた。ゆったりとした柔らかなぬくもりに、逆立った心がだんだんと落ち着いていく。

 きつく閉じたままだった瞼をようやく持ち上げると、ぼやけた視界の中に海人の輪郭が浮かび上がる。

「俺が誰かわかる?」

 漆黒の澄んだ瞳がこちらを覗き込んでいた。

「かい、と……」 

「うん、そうだよ。もう大丈夫だよ、航」

 力強く、けれど優しくぎゅっと抱きしめられて、安心感に包まれる。

 あったかい。体に血が通いだし、失われた体温がじわじわと戻ってきた。

 不思議だ、さっきまであれほど人肌が怖かったのに。今はずっとこうしていてほしいとすら思っている。

 ――でも、このぬくもりは自分のものにはならない。

 正常に戻ってきた思考が、そう自分に言った。

 嬉しいけど、苦しい。

 好きじゃないなら近づかないでほしい。思わせぶりなことをしないでほしい。

「……もう、大丈夫だから」

 そっと、海人の胸を押して離れる。

「あ……ありがとな……、助かった、マジで」

 はだけたシャツとブレザーのボタンを留めようとしたのに、震える手では上手くできない。

 くそ、くそ!

 こんな情けない自分がみじめで、泣きたくなった。

 思うように動いてくれない手を握りしめていると、自分よりも大きな手が伸びてきてボタンを留め始める。海人の手だ。

「じ、自分でや」

「――ごめん。俺のせいだ」

「は?」

「俺が航を怒らせなければ……、俺がもっと早く来てれば……」

 見上げた海人は、口を真一文字にきつく結び苦渋の表情を浮かべていた。

 なにを言ってるんだこいつは。

「お前のせいじゃない」

「でも……」

「俺がこんなんだから悪いんだ」

 女一人、突飛ばせない俺が悪いんだ。

「見ただろ、あんなみっともない……」

「みっともなくない。いつも言ってるだろ、俺はどんな航でも見たいんだって」

「俺が見られたくないんだよ!」

 あんな姿、海人に見られたくなかった。

 どうして自分は、いつまでたってもこうなんだろう。あの呪いから解き放たれたい。自由になりたい。普通に生きたい。なににも怯えることなく、静かに穏やかに生きたいだけなのに、それがままならない。

「モデルをやめたのは、これが原因なんだよ……。中一の時、俺……」

 もう全部洗いざらい話してしまおうと思った。そうすれば、きっと海人ももう写真を撮ろうなんて言ってこないだろうし、自分からも離れるだろうと。

 なのに、いざ口にしようとすると、喉が詰まったように言葉が出ない。

「俺……、女に……」

「無理して言わなくていいよ、航。……それに……知ってるから……」

「……なに……を……」

 知ってるんだ。

 そんなはずは、ないのに。

 先を促すように、海人を見る。

 海人は焦点の定まらない目をきょろきょろと彷徨わせていた。言おうかどうしようか迷っているような表情に、思わず海人の襟ぐりに掴みかかった。

「なにを知ってるんだよ! なんで、お前が!」

「……ごめん」

「ごめんじゃわからない! 言えよちゃんと!」

「……俺の母親が、ファジーの編集者で……」

 それを聞いた瞬間、手から力が抜ける。掴んでいた手がするりと重力に引っ張られてうなだれた。その場にへたり込んで、航は呆然とする。

 あの出来事が起きたのが、メンズ雑誌ファジーの撮影だった。海人の母親がその関係者なら、知っていて当然だ。それくらい、当時騒然となった事件だったから。

「そっか……、知ってて……」

 航は腹落ちした。

 海人はあの事件を知っていたから、モデルを辞めた理由も、女を遠ざける理由も、そしてついさっき発作を起こした理由も深追いしてこなかったんだ。

 モデルができない自分を憐れんで、写真を撮ろうとしてくれたのか。それなら納得がいく。ずっと風景しか撮っていなかった海人が、自分なんかを撮りたいってこと自体おかしかったんだ。

「……同情は、いらない」

「同情なんかじゃない! 言ったろ、航は俺のミューズだって」

 ミューズミューズミューズ!

 うるさい、もう聞き飽きた!

「俺は! お前のミューズになんかなりたくなかった!」

 ミューズじゃなくて、恋愛対象として好きになってもらいたかった!

 初恋が忘れられないと聞いて、どれだけ自分がショックだったか。なにも知らないくせに!

 心の中で叫んだ言葉が、ゆっくりと意味を伴って体にしみ込んでいく。

 そうだ、俺は……、

「お前が好きだから……」

 こんな風に気持ちを告げるつもりなどなかったのに、自覚した思いが溢れて口から吐き出されていく。

「ミューズじゃなくて、お前の恋人に、なりたかったんだ……っ」

「え……」

 もう、どうにでもなれ。どうせ叶わないなら、全部ぶちまけてきれいさっぱり終わらせてやる。

 ずるずるとこいつの近くで「ミューズ」だからと付きまとわれてもつらいだけだと腹をくくった。

「なのに……初恋が忘れられないとか……、勝ち目なんてないだろ。叶わないのに一緒にいるなんて耐えられないんだよ。だからもうお前の友達でいられない。モデルもできない」

「ちょ、待って」

「もう、俺に構わないでくれ」

「航……ごめん、もう一回言ってくれる?」

「俺に構うなって言ったんだよ!」

 人が真剣に話してるのに、こいつは頓珍漢なことを……!

 いちいちイライラする!

「違くて……、その前だよ。俺のことが好きって言った? 恋人になりたいって……。 え、俺、とうとう幻聴まで聞こえるようになっちゃった?」

「幻聴じゃねぇよ! 何回も言わせんな馬鹿」

 誰が二回も言うものかと、航は恥ずかしさから顔を背けた。ごめん、と自分を振る海人の顔を見る勇気なんかない。

「航……」

 その声に、名前を呼ばれるのが好きだった。いつも自分にくっついてきて、嬉しそうにする海人の笑顔にいつの間にか絆されて。気づけば、振り回されてるのは自分だった。

 でもそれも全部同情で、ただの被写体としか見られてなくて。

 さっきも助けてもらって、抱きしめてもらって嬉しいのに、それは全部単なる「厚意」だと思うともう耐えられなかった。

 海人が航の両手に手を伸ばしてそっと掴むと、真ん中で重ねて包み込むように握りしめた。好きじゃないなら、思わせぶりなことをしないでほしいと思うのに、触れていたいと心の奥底で願う欲望のせいで振りほどけない。

「俺も、航が好きだよ」

「……友達とか、ミューズとか……そんな好きは要らない」

 友達としての「好き」をもらったって喜べない。だんまりを決め込む航に、海人は続ける。

「もちろん友達としても、ミューズとしても好きだけど、それだけじゃない」

「そんなの、嘘だ。信じられない」

「航は、なにもわかってない」

「っ、わかってないのは、そっちだろ、俺が……っ」

 どんな気持ちで……。

「ううん、わかってない。俺がどれだけ……どれだけ航を思ってるか。なにも知らないくせに、勝手に決めつけないでほしい」

 きっぱりと言い放たれたそれに驚いた航は海人を見た。そういえば、こいつが怒ったり不機嫌な態度を取ったりした姿を、今まで一度も見たことがなかった。さっき朦朧としていた時に聞こえた怒声は、海人のもので、あんな怒気を含んだ迫力のある声を聞いたのは初めてだった。

「だって、俺の初恋は航だから」

 海人は真剣なまなざしで航を見つめていた。底なしの黒い瞳は、一点の曇りもない。そこにあるのは、確かな慈愛。

「は……?」

 言っている意味がわからなくて、変な声が漏れる。

「え、だって、小学生って」

「そうだよ、俺が小学五年生の時」

 訳が分からない。海人に初めて出会ったのは、二か月前だ。生まれも育ちもこの街の航は、それ以前に海人に出会った記憶なんかなかった。

「多分、航がmon-moの専属に決まってすぐの頃から知ってたんだ」

「……え?」

 久しぶりに聞く懐かしい雑誌名は航がデビューした雑誌で、その後専属で続けてきた仕事。航がモデルを続けられなくなった時も、復帰を待ってると温かい声をかけてくれた会社だ。

「さっきも言ったけど、俺の母親がファッション雑誌の編集者だったから、家にはいつも色んなファッション雑誌があって、パラパラ見るのが好きでさ。そこで偶然見つけた航に一目惚れしたんだよ」

 握られたままの手に、力が込められた。

「だから、俺たち、両想い、だね」

 ニコニコと、いつもの笑顔が目の前にあった。航は理解が追いつかず、目をぱちくりと瞬かせる。

 その間に、ちゅ、と触れるだけのキスが唇に落とされた。

「あぁ、夢みたい……。航も俺を好きになってくれたなんて……嬉しい」

 またキスされる。頭が混乱を極めていた。

 海人がモデル時代の航を雑誌で見て、一目惚れ? 海人の初恋は自分?

 そして、両想い?

「まだ信じられない?」

 呆然とする航を、海人が笑う。目を細めて、嬉しくてたまらないって顔を見たら、もう疑うことなんてできなかった。

「ちょっと、混乱中だけど……嬉しい」

 じわじわと、喜びが湧き水のように溢れてくるようだった。

「もう無理、我慢できない」

「んん……っ」

 むさぼるように触れた唇から、ぬるりとした舌が差し込まれ、航は身体をびくつかせる。だけど、両頬を挟まれて逃げられない。

「はぁっ、ん」

 初めてのディープキスは、舌と舌が絡み合ってすごくいやらしかった。ぞくぞくと、甘い痺れが広がって体に力が入らない。ただでさえさっき神経も体力もすり減らした後なのに、いろんな意味でもうたまらなくて、「んぁ、も……、むりっ」と海人の胸に縋りつくように崩れると、そのまま抱きしめられた。

 きつく、きつく。

 隙間がないくらいにきつくくっついて苦しい。でもその苦しささえ、愛おしかった。


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