第3話 タル・タルオと世界の秘密Ⅱ
想定の何倍も長い道を歩かさせられていたのに、一向に目的地に着かない。
「はあ、長くないか?」
「こんなもんだよ。文句言うなよ。弱いままだぞ?」
「しんど。まあいいや。」
四天王と八天中心のこの世界は、手下、そして個人の能力が命を握っている。
個人の能力を覚醒段階まであげないといけないのか。
完全支配、正直、今考えると弱いな。
「能力の覚醒ってどんぐらいでなんの?」
「んん、まあ、4から6年ぐらいじゃね?俺もまあ、まだだけどな。簡単じゃねえ。けど、勿論、四天王と八天は覚醒段階まで上げてるって噂だけどな」
は?四天王と八天強すぎだろ。
大丈夫かよ、ここ。
強さのバランス狂ってんだろ。
これ以上聞いても、ただただうんざりしていくな。
そういや、タルタルソースの詳しい話聞いたことないな。
まだ長そうだし、聞いてみるか。
「タルタルソースってさ、なんでこっちに来たの?」
「来たくて来たんじゃないけどな。なんか、当時の魔王に呼び出された。
呼び出されたってか召喚された。」
召喚できんだな。なんか意外だな。
そんな人間界から呼び出す必要あったのか?
「魔王はなんで召喚したの?人間より魔物の方が基本能力は強いだろ?」
「いや、なんかレアだけどさ、まあ強い人間が来ることに賭けてんだよ。
そこで召喚されるときに能力付与されるんだけど、そこで俺は出来損ないだったから出されたんだよ。
強いって判断されたら、保護されて残れるけど、追い出されたらもう生き残れるかはほぼ運ゲーだな。
だから、追い出されて生き残った人間たちが溢れてるから、この世界は人間の比率が多くなったとかどうとかだって聞いたな。」
結構過酷な生活だったんだな。
てか、よく生き残れんな。
さっきの蜘蛛みたいなのがうじゃうじゃいるんだろ?
俺だったら絶対生き残れるわけねえな。
「ここってさ、通知ってシステムあるじゃん?」
「おん」
「あれってなんであんの?」
「はは。知らねえよ。でも、分かりやすいようにってことだろ。
俺を召喚した魔王が討伐されたときも報告来たしな。
あれなんかゲームっぽい要素だよな。
まあ、あのシステム好きだから良いんだけどさ」
そういいながら笑うタルタルソース。
魔王のこと討伐したやついんのかよ。最強かよ。
まあ、でもその後、そいつが魔王になったんだろうな。
ちょっと適当に能力試したいんだよな。
「スライムとカエルと戦うまでに能力試したいんだけど」
「おい、サクト、いるぞ。あそこに」
タルタルソースが指さした先には人間の集団がいた。
ちょうどいいぜ。お試し体験と言ったところかな。
「タルタルソース、一回能力使わないでくれ。」
「わかったけど、いいのか?
多分勝てないぞ?」
「いや、いい。無理そうだったら言うから、そしたら能力付与して。ありったけ」
「ありったけはしんどいから勝てるぐらいには付与しとくわ。
さ、行って来いよ。主のお手並み拝見といったとこかな」
「見てろよ。しっかりな」
大きく溜息吐いてから、決意を決める。
「さーて、世界に名を轟かせちゃうか。」
軽くストレッチしながら、イメトレでもしてみる。
「おーい、異世界からの転生者は俺だよ-。こっち来いよ、ざーこざーこ」
すると、あいつらはやっと気づいて、こっちを睨んできた。
魔法使いが2人と、剣士3人か。
魔法使い早くやりたいな。
「いいか、お前らは俺の手下になるんだ。」
そう言ってると、剣士が剣を振り回しながら襲いかかってきた。
「ちぇっ、まだ話してる最中だろ」
我ながら華麗に避けると、魔法が追撃してくる。
雑魚の癖に無駄に連携取れてやがって、生意気だな。
「なぁ、お前らは誰の下についてんだ?八天でも四天王でもないんだろ?じゃあ、俺のところに来い」
少し洗脳がかかり始めたのか動きが鈍くなってきた。
それでも、攻撃は続く。
「あと、ちょい押さないとか」
洗脳なんてしたことないからわかんねぇな。
「いいか、俺には、強力な能力がある。このままいけば、八天だって、四天王にだってなれる。お前らはそんな俺についてきたくないのか?」
今だ!
そう思い、俺は剣士たちに蹴りを入れ、弾き飛ばす。
「おらあ」
剣士たちは、気が動転しているのか動きが鈍っている。
そこを突いたからか、剣士たちは起き上がる気配がない。
「あとは、魔法使いか」
俺は後方にいる魔法使いに向かって、走り出す。
近距離戦に備えて、身を構える魔法使いのガードの上から右ストレートを入れた。
もう一人の方にも、アッパーをお見舞いしといた。
「意外といけたな」
魔法使いと剣士たちが光る。
通知 『魔法使いAとY、剣士W、D、Kが支配下になりました。』
ふー、ひと段落か。
これなら、この後も行けそうだな。
「どうでした?手ごたえは?」
「結構いいね。はやくやりたいぐらいだよ」
「じゃあ、行きますか。もうそろそろですし」
あれが本物の魔物か。
さあ、序章としますか!