ハリネズミとキュアキュア??
(夢とは言えハリネズミの解体とか)
腰のナイフに手を伸ばし針鼠の身体をイメージ、骨とか手足は普通のほ乳類と同じですか?
(鼠の肉・・・雑食動物の肉は堅いと聞きますが)
魚のボラ・町のカラス・残飯で育ったブタ、かれらが食卓に並ばないのは不味いかららしい。
だとすると目の前にいる針鼠も美味くない可能性が高い。
(殺しても食べられないのなら、一撃で首か腹を・・・)
人の言葉を話す生き物を殺すには覚悟がいります。
「凄いねキミ、ボクを見ても一番の感情が驚くとか恐怖とか興味じゃなくて、食欲が優先するとか。
そんなの始めてだよ」
「こっちも喋る針鼠を見たのは始めてです、この辺の針鼠は全部そうなのですか?」
その上こっちの感情を読んだような物言い、知性が高いな。
このネズミが群れを作る動物なら、仲間を呼ぶ前に殺すしか。。。
「そう警戒しなくても大丈夫だよ、この辺にいるのはボクだけさ。
ボクも仲間と離れ離れでね,今はパートナーを探していたんだよ」
仲間が隠れて隙を覗っている、そう警戒していたオレを安心させるような声色を使う。
ハリネズミの言葉が嘘である可能性もある、なので周囲の警戒は解かずにヤツと話を続けた。
「あなたのパートナーですか?
残念ながら私、ハリネズミの雌?の知り合いはいません。
どうか他を当たってくれませんか」喋る巨大ハムスターなら心辺りがあるかもですが。
「パートナーって言っても伴侶の事じゃないよ?
ボクの言うパートナーは契約者、つまり『ボクと契約して魔法少女にならないか?』って事さ」
おぅふ、マジか・・・いやいやいや待てまて、40代後半のオッサンに何を求めているんだよ!
コレが夢だとして、おれはこんなのを望んでるのか?
オレの深層意識はどうなってるだよ!?
(心の中でオレは魔法少女になりたかったの?オッサンのオレは魔法少女に憧れていたの????)
「そうだよね、キミが混乱するのも解るよ。
でもねこんな森で一人で倒れているって事は、色々と問題を抱えているんだよね?
でもボクと契約して魔法少女になれば力が手に入る、『力が欲しいだろ?なら・・・』」
(この混乱は少しは違うんですが・・・『力が欲しいか?』ですと?このネズミ・・・)
「この森、この森を抜けた先にある山には悪マッ・・悪い妖精の『ダイキラーイ』がいっぱいいるんだ。
彼らをやっつけて浄化しないと、この世界が魔か・・悪い心に染まって皆困って、人間の生命りょ・・エナジーを吸われて大変な事になるんだ。だから」
ハリネズミが顔を上に向け口を開く。
「うっ・・ぐぇぇっっっ!!!!つ!!・・はぁはぁ・・
このキュアソード[フォルシオン]を使ってダイキラーイをやっつけて浄化するキュア」
?????
口から剣を吐き出すとか!こいつ大魔王かよ!
あと悪魔とか魔界とか生命力とか、聞こえてるからね?
「さぁ!ボクと契約してキュア フォルシオンに変身だ!」
唾液?胃液?で濡れた剣とか吐きそうです。
それ以上に情報過多で頭痛が痛い、目眩が歪む。。。
?、??魔法少女じゃないじゃない!
「それはプリ〇ュア!日朝の方です!
オレは男ですから、プリキュ〇になれません!」
「?・・男?・・男の娘?・・でもキミは女の子だよね」
「身体は女でも中身は男なんだよ!」しかも四十代後半の疲れたオッサンだぞ!
「じゃぁポリコレに配慮したキュア ト〇ンスジェンダー・フォルシオンって事でね。
さあ魔け・・・聖剣を掴んで変身だ!」
「黙れ!ポリコレの話は止めろ!」
このハリネズミ、さっきからちょこちょこ変な単語を口走る、がそれよりもです。
色々とまずい、キュアはマジ危険、マジ危険なんです。
「とにかくキュアは無理です、色々問題が有り過ます!」
40の疲れた社畜が朝からキュアしたら、子供達が泣きますよ!良いんですか?!
大きな子供達も、怒り出すよ?最悪存在を消されます。
オッサンの体臭&ポリコレ臭い変身ヒロイン、そんなの地獄じゃないですか。
あとLGBT変身ヒロインも無理すよ!
「でもキミ、ボクと契約しないと大変じゃないかな?
見た[観察]した所、キミのステータスじゃこの辺の魔も・・生物に勝つのは難しいよ?
死んじゃうよ?良いの?」
「ステータスですか?」ステータスとか、ゲームとかやりすぎたかも。
「そう、ステータス。
筋力2俊敏性2体力2知力・・?知力は不明?精神力・・精神力も不明???
なんで?・・このからをぬが・・」
「殻って?」不穏な単語がまた。
「え?なんだって?
まぁ良いじゃんさ、それでキミの器用さが・・3くらい、魔力もスキルも無い普通の只人・人間・ヒューマン・トールマンの子供?どこの村にもいる女の子だよ」
「へーふぅ~んそうですか、それで?」只人とかトールマンとか。
最近のオレ疲れてるんだ、起きたら病院に直行しないと。
「この辺りに住む魔物のレベルは大体LV5~15、普通のトールマンの子供がなんの装備も無しに入り込める場所じゃないんだ」
レベル、ステータス、魔物、って魔物とか、コイツ隠さなくなってきました。
「下らない」本当に下らない。
「下らないって、、、レベルは絶対だよ?
ステータスの違いは戦力の違い、数の多さは力の差、力が強い者が勝つってのは世の中の道理だよ?」
「相手が強いから挑まない、勝てないから勝負しない、それじゃ弱い者はいつまでも敗者のままです。でもそうじゃないのが現実ですよね?」
筋力2?俊敏さ2?体力2?
馬鹿馬鹿しい、そんな数値で人の戦力が測れると本気で思ってます?
「ふふふっやっぱりボクの歯は間違ってなかった、努力だね・勇気だね・希望だよ。
キミはやっぱりキュアキュアになるべきだ。
愛と勇気と希望と正義とカワイイで世界を救うキュアソード・フォルシオンにね」
目じゃなくて歯で相手を計るの?噛んで人を判断する生き物ですか。
「なんと言われようと断る!」
あとキミ、愛とか勇気とか希望とか正義とか、全然信じてないでしょ。
その目と表情を見たら解るよ!バカにしてます?!!
薄ら笑うハリネズミ、こんな生き物見た事無い。