少女を覗く者は、少女にも覗かれていると言う。
「は~~~、気持ちいい」
頭から浴びた冷たい水が汗を流し、全身に溜った熱が溶ける感じ。
「思っていた以上に身体が疲労してました、徹夜明けに浴びたシャワーのように身体と心が癒されますね」
(森で少女が1人、全裸というのはとてもいただきませんけれど)
下着も服も洗いたい、私はなぜ着替えを1着くらい持って追い出されなかったのでしょうか。
とても辛いです。
はぁ・・「夢の中なのに、こんな所だけ現実的なのは困りました。山賊でもいれば、襲って服をいただきますのに」しばいても良い悪党、そんなのがごろごろいたら遠慮無く斬れますのに。
水浴びをしたあと、汗の臭いがする服を着なければならないなんて、すごく不幸です。
・・・・?
(そう言えばマリエさんからは良い匂いがしましたが、アレはいったい・・)
あれもペリカンの魔法か何かでしょうか。
少し離れた所に焚き火の光りが揺れ、毛布でくるまれたマリエが寝ている。
私は彼女の瞼が閉じている事を確認し、ゆっくりと近づいて彼女の顔を観察した。
(綺麗に洗ったような髪と頬、服も汚れていないように見えます)
いったいこれはどんな魔法を使えばこんなふうに出来るのでしょう。
くんくん・・・
香水を使っているような爽やかな花の香り、それとミルクかバターのような若干甘い匂い。
「・・・?」「・・・・!!」
目が合ってしまった!なぜこのタイミングで目を覚ますんですか!?
「・・・おはようございまzzz」
よしっ、まだ寝ぼけています。即時離脱するであります!
全裸の少女は素早く飛び退き、音も立てず岩の影へ!
(危なかった、危うく痴漢扱いされる所だった)
少し全裸で寝顔を覗いて観察して、匂いを嗅いだだけで痴漢扱いされるなんて、世の中は理不尽すぎます。
痴漢とかするつもりなんて無いんですから、これって冤罪だよ。
「・・・なにやってんの?」
「私は何もやってませんし見てません、無罪です」
目撃者はいないはず、証拠も無い。つまり私は無罪です。
「ボクは見てたよ?」
「・・・なにを・・どこから見てました?」
その答えによっては、私はこのハリネズミを殺さなければ・・・
目撃者は消さないと、私が容疑者にされる前に証人を、土の下に埋めてしまわないと!
「ユズキ、スゴク恐い目をしてるよ?」
「良いから答えなさい、棘吉君は何を見ました?」
(水はある。まずは水に沈めて大人しく溺死させてから・・・)
「ふふふっ、秘密だよ?
キミが全裸で年端もいかない少女の寝込みを襲おうとしてる所なんて、誰にも言っちゃ駄目なんだからね!」
(良し殺そう!)このアホネズミは殺す。
殺して土に埋めて証拠も証人も証言も、全部隠滅してしまいましょう。
「さあ棘吉さん、こっちにおいで?綺麗な水で身体をゴシゴシしてあげますから」
「目が恐い!近づかないで!」じりっ、トゲを逆立てて防御態勢、こいつは!
「良いからこっちに来なさい!」「それ以上近づいたら大声を上げるからね!」
「「・・・」」
「ここは、お互い『なにも見なかった、何も問題ない』と言う事にしません?」
お互い命は惜しいでしょう?
「それじゃキミだけが特してるんじゃない?」
「なにを言ってるんです?棘吉くん、キミだって私の裸を覗き見ているんですよ?」
この痴漢ねずみ、いま私が大声を上げると困るのはどっちかな?
「?!・・卑怯な!」「私は事実を言っているだけですよ?
現在、絶賛痴漢中のキミの話と私の言葉、世間はどちらを信じるのでしょう?ね?
ああっ可哀想に!
私には痴漢ネズミが吊り上げられて、棒で打たれる姿が見えます。
だから交渉です、私達はお互い何も見なかった、何も問題にはならない。
そうでしょう?」
「ぐむむむ・・・」「うふふふふっっっ」
勝利!私は無罪を勝ち取り、ガッツポーズ!『勝訴!無罪!』です。
「良い笑顔だね、ユズキさんなにか良い事でもあったのかい?」
「何も無いよ、棘吉。ところで聞きたい事があるですけど。
道具袋とか便利なスキルとか、マスコット動物は持ってるって聞いたんだけど、それはどうなんです?
棘吉はなにか知ってます?」
「あ~~その前に一つ、キミに言っておかないとなんだけど、、、彼女、マリエちゃん、最初の方から起きてた感じだよ?」裸で水浴びしてる所をこっそり見てたんだから。
・・・・・いやぁ======!!!なにそれ!どう言う事?
エッチ!マリエさんのエッチ!
きゃー-!!のび太さんのエッチ!
「え?僕も裸なんだけど?お風呂なんだから裸だよね」
・・・・・エッチ! のような感じでしょうか?




