人はそれとゴブリンと呼ぶ!
『ゴブリンは愚かだかバカでは無い』そう言ったのは誰だっただろう。
殺され追い詰められ、狩られ続けたゴブリンが学習し、その敵の姿と戦いを真似たゴブリン戦士。
HUMANスレイヤー、或いはゴブリンスレイヤーを倒そうとする者。
(・・・頭が痛い・・)
ゴブリンスレイヤーバスター[希望]?!
やつを殺そうとすれば、私はゴブリンスレイヤーバスター[希望]を殺す者になるのですか。
いい加減にしないと私、消されてしまうかもしれません。
(ゴブリンスレイヤーバスター・キラー・イレイザー・・・)なにが何だか解らないです。
!「キノコ!マリエ!こっちです!集まって下さい」
グワン・・・視界が歪み思考が霞む!
(やはりいたか!)
「ゴブリン祈祷師がいます!弓にも注意を!」
彼らの戦いを学習したであれば、術士がいる。複数の術者でパーティを組んでいるはず。
大型のホブゴブリンが斧を振り回し、複数の小柄ゴブリン弓兵が矢を放ってくる。
『・・・そろそろじゃない?ボクと契約しようよ?
力をあげるよ?だから可愛くキュアキュアしようよ、ね?』
「うるさいです!」人が窮地の時に甘い勧誘を!この悪魔め!
「きのこ!」私の前に飛び出したキノコが盾になり、襲い掛かる矢を身体で受け止めた!
「エリン・・ギィーーー!!!!」無数の矢を身体に受け、傷だらけの身体で突撃するキノコ!
ホブゴブリンの斧で真横に両断されながらも腕は敵を掴み、自爆した。
「キノコさん!」「エリンギ!」
仲間が次々と倒され、敵の戦意は増していく。
「そろそろ観念したら?可愛いよキュアキュアは」悪魔は囁く、天使はいない。
「きのこ!」そいつはしっかりと私の目を見て、「ノコ!」残る仲間に目を向ける。
『キノコの山で!』頷きあうキノコは大きく傘を広げ、躊躇わず敵に突進し自爆した。
キノコ達が私達の道を切り開き、キノコの胞子が敵の目から私達を眩ませてくれた。
(毒のない胞子!アイツ!)
自分達が捨て石になる事で私達を逃がす、そう覚悟を決めたキノコの背中。
「きのこ!」「きのこ!」
次々と胞子を撒きながら突撃するキノコ達!
「お前ら・・バカヤロウが!」
お前らのせいでキノコの山が一杯になっちまうだろ!
そんな事になったらアッチの山もこっちの山もキノコだらけだ!バカヤロウ!
(くそっ視界が霞む!眠りの魔法!)
胞子の中でも石や矢が飛び、相打ちになったゴブリンの怒声が響く。
マリエの手を握る手に力がこもる、今は1歩でも走り、ゴブリンの包囲から抜け無いと!
「前へ!もっと前へ!前に前に前に前に!」前に!もっと前に!前に進め!
・・・・・・・・
フーフーフー
掠った矢の毒で肩と腕が痺れ、歪む視界と濁る意識、身体の限界が近い。
(キノコ達は全員逝ったか)
手を引いていたマリエは既に意識を失い、私のそばで倒れ崩れていた。
蹂躙されるまえに殺してやる方が・・・
(ふざけるな!)ゴブリン程度のカスにボロボロにされて追い回されて、、、犯され殺されて堪るか!
「手には刃が欠けこぼれた剣、足はガクガクと力が抜けた。
視界もぼやけて、全身の感覚が無い。。。それがどうした!掛って来いよ糞ゴブリンが!」
まだ私は殺られてねぇぞ!さっさと掛って来いHUMANスレイヤー!
胞子から逃れたゴブリン戦士、その重鎧が油断なく盾を構え兜の奥の目が光る。
煮えたぎる怒りを鎧に押し込め、冷静に人間を殺す事だけを考える知能。
より多くの人間を殺す為に身を守り、生き抜いていたゴブリンが二人の人間を睨み付け、その背後には弓を構えるゴブリン共。
(毒が回るまで待ってるのか、オレが倒れるまで待ってるのか?)
吐きそう、倒れそう、死にそう、熱い、眠い、息が苦しい、
「クソッ」ここまでか。悪魔の力を借りるしか。
(『さあ言え!』)「言え、言うんだ少女」
地中に潜む悪魔のネズミと空を飛ぶ悪魔の鳥、こいつら!
「・・・私がキュアしたらマリエは助かるんですよね!」
『勿論さ、キミがキュアしたらどんな願いだってかなえる事が出来るよ。
それがたとえこの宇宙の因果律だって変えられるだろう、それだけの可能性がキミにはあるんだ』
「。。。逆に恐いわ!」なにその可能性!おかしいだろ!
どこにでもいる40歳社畜男に何を求めてるんだよ!宇宙の因果率ってなんだよ!
(せめて今月の残業は40時間になる、くらいの願いにしてくれ)
休みたい寝たい美味しいご飯食べたい、お金貯めて会社辞めたい。
冗談を言える時間はもうなさそうです、40男がキュアキュアになるのは恥辱!
ですが隣で倒れている少女を助けられないような、下らないプライドなら捨てやる!
『言え』『言え』「言っちゃえ!」「ゴブッ!(言うんだ!)」
幻覚魔法のせいで、倒れてい下を向いているマリエの声まで聞こえる。
あとゴブリン!お前は殺す!
「心の底からキュアになるんだ!愛と正義の戦う女の子、キュアキュアになりますって言うんだよ」
「くっ、オレは・・」男なんだよ?40代未婚男性なんだよ?それを・・愛と正義の戦う女の子になんて。
くそ!「『キュア・・・キュアソードチェンジ』」
ジャン・ジャン・ジャン・ジャン
!?どこから?どこからかギターの弦をなでる音、?!まさか・・・これは。。。
「待てい!」
光をバックに人の影?!この影は!
「いつまでも他人を憎み、奪い盗み嘯き騙す、人はそれとゴブリンと呼ぶ!」
「「だ!誰だ!名を名乗れ!」」
「貴様らに名乗る名は無い!」トウッ!
まさかあの人は!
レベルが沢山上がってもすぐに強敵が現れる。ゴブリン祈祷師・ゴブリン弓使い・ゴブリン戦士
ゴブリンがいっぱい。




