約束とお約束?
「恐い目をしやがって、てめえの本性はそっちか?」
「そう思うなら退いてくれませんか。いくら見た目が可愛くても、嘘つきには手加減できませんから」
自分が出してきた条件・約束を、すぐにくつがえすような人間は信用出来ない。
信用の出来無い人間相手は正直疲れる、近寄りたくない。
嫌いと言ってもいい、嫌悪すらしている。
(法治国家の社会人なんですよ、オレは)
自分勝手にすぐ約束を反故するような人間は嫌いだ、殴って黙らせるに限る。
私は常識・良心・感情を意識の底に沈めて行く。
ゆっくりと思考を切り替え、感情と感覚をヒトに対する物から敵に対す物に換える。
(そっちが出した条件を自分勝手に反故にしたんだ、痛い目にあって反省しろ)
どうすれば嫌がるか、どうすれば目の前の敵を壊せるか。
敵の最悪・自分の最善をシュミレートし、最短行動を取るにはどう動くかに思考の全てを使う。
指を折り、足に切りつけ、額に切りつけ耳を殴る。
握力を奪い、足の動きを封じ、血で視覚を閉じさせ、聴力を奪うにはどうすれば良いか。。。
「!可愛いってお前!オレのどこが可愛いんだよ!」
「・・・?」反応が・・なんだ?へんなノイズが思考に混じる。
「いえ、普通に可愛いでしょう?大きくて強い瞳とふあふあの髪、鍛え上げられ引き締まったお腹と逞しい太股、私は好きですよ」健康的な太股は実によいものだ。
ですが私は、そんな誘惑には、、負けませんよ!
そんなセクシーな体なんて・・・いや、良いものだけど!
「可愛い?!?好きだとか・・そんなのを言われても騙されないぞ!」
「先に好きとか言ったのはそっちじゃないですか!」
ぶんぶん振り回すフプリティな戦斧、それをなんとか避けながら言い返す。
(なんだこれ?!なんだこれ!?)
感じてくる敵意がおかしい、どう言う状態なんです?!
戦って良い物か悪いのか?壊すのか、敵の判断が出来ない。
折って良いのか?切って良いの?敵は悪い女なんだよな?
悪意・敵意が感じないから戦意が保てない。
(頭がバグる、くそっ、こうなったら!)
「!今だ!」大振りの斧を躱し、もう一度懐へ!
・・・って!なんで!?
私が突っ込んだせいで、バランスを崩したプリティハンマーが倒れ、その上に覆い被さるようになった私がいた。
(勢い余って張りがあって柔らかい、頭が押し返されるような)・・・オッパイだ。
「・・・ちょ、ちょっお前、早く退けよ」
「嫌だ、こんな極上オッパイ、あと1分だけ堪能させて下さいお願いします」
(すみません、これは事故なんです。直ぐに退きますから)あと少しだけお願いします!
「・・・キュア?本音と発言が逆になってるよ?」
「マジですか」
ゴン!頭に堅い拳骨が!少し涙が!ううっ、頭を殴らないで下さい。
「事故なんです、ワザとじゃ無いんです」本当ですよ?
「すごいよ!素早く押し倒してからの、流れるようにオッパイに顔を埋めて、おまけに[すりすり]するなんて、ボクじゃ無きゃ見逃しちゃうよ」
「見逃して下さいお願いします、ほんと、ただのトラブルなんです」
胸を両手で隠すプリティ、仲間のはずのレイピアさんの目も気持ち冷たい気がします。
「そっちが本性かよ」
「違うんだ!」
言葉が冷たいよ。
40歳、彼女いない男性なんです、可愛い女の子が好きなのは仕方ないんだ。
「ちっ、戦う空気じゃ無くなっちまった。はぁ・・・いいぜ、今回は見逃してやる。
だが次ぎは無ぇぞ、次は最初っから本気だ、解ったな!・・・あとコレは忠告だ、
その喋る畜生の言葉は信用するな」
痛い目に合いたく無かったらな、そう言って彼女は斧を肩に担ぎ去って行く。
(やっぱり話の分る良い人だ、出来れば私は敵対したくないですが)
それに大丈夫ですよ、私、コイツらの言葉なんか何一つ信じてないですから。
「それにしても、プリティとは一体何者なんです?」
彼女の姿が見えなくなって、ようやく私は疑問を口に出した。
「キュア?そんな真剣な表情して、真面目な空気作ってもだめだからね」
おっぱいモミモミで敵をやっけるなんて、キュアがやっちゃ駄目なんだからね。
「私は真剣に聞いているのですが」この獣!忘れなさい!
クアッ「お前もキュアなら話してやる、アレはプリティ、ヤツらはキュアの敵だ。
キミ達の夢を邪魔して妨害してくる、魔王の手先みたいな連中だ」
こっちの鳥が説明してくる、夢の邪魔、ですか。
「キミ達は自分の夢・希望を叶える為にキュアになったはずだ。
その為にキラーイ達、生物の生命りょ・・ダークエナジーを集めて力を付け、魔王を倒す使命を受けたはず」
コイツも棘吉と同じかよ!悪魔ってバカばっか?!
「それがさ、ボクのキュアは特別でね。
まだ契約は半分しかしてなくて、まだ彼女の願いとかは聞いてないんだよ」
「私、半分も契約されてるの?!マジですか!?」
そんな勝手な!私の魂が半分も契約済みなのですか!?
「・・・半分よりちょっと下かな?3割・・2割くらい?」
ティアナが追求したので少し訂正する棘吉、本当はどのくらいなんでしょう。
「契約書も無くサインも刻印も無い契約は無効!双方の合意が無い契約は無効!
世界の常識ですからね」私は認めませんよ!
「ふふふっ、知らないの?ヒトが行った最初の契約は、口約束なんだよ?
お互いが契約の意思を持ち、約束した事を履行すれば契約は成り立つんだよ?」
「だから、私は合意していません、ゆえに口約束も不成立です!」
約束を守る、それこそが契約。
約束を守らない者とは契約が出来ない、信用とはそういうこと。
それくらい子供でも知ってますよ。
(口約束も契約の一つ、知ってましたか、ですが)
「もう一度確認しますね?
私は契約の意思は無く、約束もしていない。
つまり契約など最初っから存在していない、ですよね?」
「でもボクの剣を使った、よね?」
((こいつ!))
(ありもしない契約を締結した事にするつもりだな?)させませんよ!
(ボクの武器をただで使うつもりだね?)絶対取り立てるからね?
「あははははは・・・」
「ふふふふふふ・・・・」
「あの・・・貴女は本当に、キュアなのですか?」
キュアレイピア、彼女は棘吉と私を交互に見て聞いた。
(違う、とは言えませんが、そうですとも言いたくないのです)なので。
「一時的に武器を借りただけの関係です」
そう、剣を借りただけでキュアでは無いんです。
「私も!私も数日前にキュアになったばかりなのですわ!
私達、お互い新キュア同士なのですね、感激ですわ」
こちらは人の話を聞かないタイプらしい。
彼女は両手で私の右手を掴み、激しい握手。そして凄くキラキラな瞳。
(無理、40のオッサンがキュアキュアなんて無理!
ダメ、不可能。キラキラ少女にはなれません!)無理むりかたつむりですわ。
ふっ、このくらいで勘弁してやるよ。と言いながら胸を揉む主人公。




