レッサーファイアーワイバーン?
「・・・「?!」」二人の目が合った。
撤収!ショートソードと斧はもったい無いですが、それよりも私の身の安全が大事、私の本能が『関わるべきで無い』と告げています。
やばい新人、機嫌の悪い上司、家で何か有ったと思われる同僚。
他にも面倒くさい仕事や仕事を押し付けられそうな時に、時々教えてくれる警告です。
(JAPAN人は空気を読むの事が出来るのです!)
「まっ!待って」
待て、と言われて待つバカはいない。追われたら逃げる、それが正解。
ですが、“ティアナは回り込まれてしまった”逃げられ無い!
この天の声嫌い!何が回り込まれた!ですか!
“強制イベントなので逃げられたら困ります”
・・・・マジですか。
神がいるかも知れない世界、そんな事もあるのでしょうけれど私は嫌い。
はぁはぁはぁ「私を助けて頂いたのですわよね?どうしてお逃げになるのです?」
「・・・巻き込まれるが嫌でしたので」
明るい桃色・薔薇色とツツジ色の長い髪、ピンクのリボンで結んだツインテール、花をイメージしたようなコスチューム、可愛い少女でないと絶対似合わない姿。
「キュアキュアだ・・・」
「?私をご存じですの?」
(しまったのです!失敗しました。キュアキュアは正体不明、愛と正義の戦士でした)
誤魔化さないと。
「私の知り合いが少し詳しくて、そのかたから聞いた姿がその・・・」
棘吉は知り合いで合っているから、ウソは言っていません。
「ふふっ、秘密ですわよ?」
『燃え上がる正義!キュア レイピア』ビシッ!
ポーズを決めた!?
自分で秘密と言ってるのに何故?!
「キュア レイピア、、、その、秘密なんですよね」
「存在は秘密ですけれど、隠す事ではありません!
わたくしは、正義のキュア戦士ですからから」
『秘密ではあるが、隠さない』なんでしょうこの???って感じ。
「町の皆さんを虐める[キラーイダー]をやっつけて安心安全を守る、それがキュアの使命なのですわ。
それで貴女は、こんな所で一体なにを?」
「それは・・・」キラキラの瞳、正義を本当に信じてる少女の目、すごく眩しい。
(う~~ん、どう言って誤魔化そう)
澄んだ綺麗な目をした少女を欺すのは心苦しいんですが。
!?「レイピア!その娘から離れるんだ!その娘もキュアだ」
高い木の枝に隠れていた獣が翼を拡げ、その影が覆い被さって来た。
大きな口で白い大きな翼を持つ鳥。
「ペリカン??」ペリカンが襲って来た?
(喋るペリカンだと?コイツもまさか)
「レイピア!あっち、あっちを見るんだ」巨大な口で喋るペリカン。
ヤツの大きな翼で指す先では、きのこがワイバーンの頭を持ち上げて運び、棘吉の中身がゴブリン共の死体を貪り喰っています。
「あの汚らしい食べ方、あんなのを連れてるなんて?!!・・・バカっ!おまっ!」
早歩きのペリカンがバサバサと翼を羽ばたかせ、食事中の棘吉に向かって行った。
「お、お前、バカか!中身!中身を出すな、正体がバレるだろ!」翼を棘吉の広げて姿を隠してます。
「ん?・・・もぅ、ちょっとだけ待ってよ」
棘吉の中身は喰う手を止めず、後頭部に現われた口と目がペリカンに応えた。
『メシャ、もしゃ、ブシャぐしゃ』
肉をちぎり骨を千切り、新しく生やした腕も使ってゴブリンチーフを喰って行く。
「邪魔なんかしたら同郷のあく・・マスコット仲間だって殺すよ?」
「お前なぁ・・」よく観察したら、ペリカンの口の中にナニカいます。
そいつがペリカンの口の中から目を開き、棘吉の中身を見て呆れてる。
(こっちも悪魔、、、あと何匹マスコット動物共がいるんだ?)
レイピアが倒した敵は炭のように黒化し、灰が風に散るように砕けて消える。
ムシャッ・ムシャッ、棘吉に文句を言っていたペリカンから聞こえる咀嚼音。
(コイツもか)レイピアが殺した魔物を喰ってやがる。
「・・・あのワイバーンの頭、あそこにいる木之子は」
「あそこにいる木之子は魔物ではありません、大丈夫です」
木之子が持つワイバーンの首、その切り口から血が溢れ、ワイバーンの舌が『でろぉ~~ん』ってなってちょっと不気味になっているだけです。
「あのワイバーンは貴女が?アナタはいったい・・・」
「アレは、、、」
キュアレイピアが見る不信な目、子供がワイバーンを狩る事が普通じゃない事くらいは解ります、なので。
「アレは飛竜の中で最も弱いレッサーファイアーワイバーンですわ。
森の中で翼を休めていた所に偶然出くわしてしまって。
戦闘になってしまい、運よく倒せてしまいました」
と言う事にしておこう。
「レッサーファイアーワイバーン?そんなワイバーン聞いた事は有りませんが。
貴女は嘘を言うような方には見えませんし」
(私もそんな生き物がいるなんて聞いた事が無いですが、お互い知らないなら追求しようがありません)
「戦う声が聞こえましたからお手伝いしようと来たのですが、その心配も無かったですね。
では私はこれで」キュアキュアルートには入りません。
少女と二人、[二人はキュアキュア]とか無理ですので。
「もう行くの?」
「ええ、彼女が正義の戦士だと解ったのです、彼女の戦いを邪魔しては迷惑でしょうから」
ハリネズミの中に戻った棘吉、ヤツを睨むペリカン、これ以上変なヤツが出てくる前に移動するのです。
「じゃ、ワイバーンの首も忘れ無いでね。せっかく食べずに残したんだから」
「・・・棘吉、アレはレッサーファイアーワイバーンですわよ?」間違えないように。
「?・・そんなワイバーンいるわけ無いじゃんバカだなぁ、キミは」
知ってますけどぉ!知ってますけど、そこは空気を読んで下さい!
キュアレイピアが黙って私を見ている、ペリカンは驚いた顔で棘吉を見ていた。
「いっ、嫌だなぁ、アレ、あれはレッサーファイアーワイバーンですわよ?
飛竜の中で最も弱いワイバーンじゃないですよね」ね?ね?解りますよね??
「そんなワイバーン聞いたことないよ?
それにキミが狩ったあのワイバーンはレベル15、この森の中じゃ真ん中くらいの強さの魔・・キラーイだよ?」
「まあ!そうなのです?」
「さあ?」どうなんでしょうか。
レイピアの視線が痛い、全く、空気を読めこのクソネズミが!
私、興味を持たれてるじゃん!
ふたりはキュアキュア?いいえ、違います。




