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アレは悪い夢、こっちも悪い夢、社畜な現実も悪い夢。

・・・・はっ?!・・・

「夢か・・嫌な夢を見た。ですがその夢が覚めても、私の横に棘ネズミがいるは頂けないですが」

 小型犬ほどのサイズのハリネズミ、ヤツが私の顔を覗きながら鼻を膨らませていました。


「・・・?起きたの?急に動かなくなったからビックリしたよ、動ける?」

 

「やっぱり喋る、、、」喋る動物に囲まれてここが夢なのか、あちらが夢なのか解らなくなりますよ。


 木に持たれ掛かるように寝ていた私の身体を隠すように伸びた草、周囲を守るように生えているキノコ。こっちを見ているキノコの笑顔、なんだかなぁ、です。


(・・・一応確かめてみるか・・・)

「ステータス、オー・・いや止めておきましょう」嫌な予感がします、そう、とても嫌な予感が。

「?なに?何かするの?」


「しません、少しウトウトして寝ぼけただけす。そろそろ移動しましょう」

 全ステータス無限とか、成長限界突破とか、技能接収とか、創造魔法とかのチートスキルを持たされてたらストレスで帯状疱疹が出る。


 無限倉庫とか全属性攻撃無効とか、敵対者即死とかのスキルなんて持たされた時には、40歳社会人男性なら頭が頭痛で偏頭痛を起こしてしまいますので。


(アレは悪い夢、こっちも悪い夢、社畜な現実も悪い夢、、、)

 宝くじとか当たらないかな、良い夢みたいなぁ・・・


「はぁ、早く移動しましょう。

 この場に留まっていて、またワイバーンに襲われたりするのは嫌ですから」


「ため息ばかりしてると幸せが逃げるって言うよ?ユズキ。

 笑顔、笑顔。可愛く笑顔でみんなハッピーさ」

 

 感情の無い笑顔でハッピーになれるのは宗教関者だけ。

 私は無意味な笑顔より、本当に嬉しい時に笑える人間になりたい。


・・・・・・・・閑話休題。

 

(この夢から覚めるには聖女?と賢者?に会う必要があると、あの子供の姿をした神様は仰っていましたね。

 賢者がどこに住んでいるのかは解らないので、まずは聖女を探すとしましょう。

 聖女なら神殿か教会の総本部にいるはずなので、教会を探せば牧師さんとか神職の人に聞いけば場所だけは解るはずです)

 寄付して入信したふりでもすれば、大丈夫でしょう。


「宗教関係の人間は身内には無防備でしょうから」

 仲間意識か被害者意識か、宗教なんかに騙されている連中は基本、詐欺師に騙されているような者ですからね。マルチ商法とかネズミ講と同じです。


(そう考えると気が重い、先に賢者?に会うべきでしょうか)


 賢者ってくらいですから、理知的で建設的で冷静な話し会いが出来るでしょう。

 きっと元の世界に戻る方法も考えてくれますよね、賢者の知識と知恵で。

 

「?もう少し休む?疲れた?」

「いえ、少し今後について考え事をしていました、さあ行きましょうか。

 まずは『キノコ召還!』」キノコの山~は食べ盛り♪

 

『のこ?』抱き枕サイズのキノコが生えた。

「・・・毒キノコじゃ無いですわよね?」


『キノ!木之!』木之子の傘部分が前後に動く、「肯定、と取ってよろしいのですね」

『茸』木之子が頷く。 


(茸と会話する日が来るとは思いませんでした、キノコのレベルが上がって知性のレベルが上がったのでしょうか)

「では木之子さん、荷物をお願いします。

 あちらにあるワイバーンの首、アレを運んでいただけますか?」


「のこ!」召還した木之子が飛び跳ねるように地面から抜け、短い足で歩く。


「では出発です!棘吉も遅れないように!」


 旅の行き先は決まった、足は軽く愉快な仲魔も着いて来る。

 この森を抜けたら会うのは賢者か聖女、嫌な予感・悪寒がするのはなぜでしょう。


 さあ歩きだそう、冒険はこれからだ。



 ♪♬♫♬!! ♪♬♫♬!!

 ン・パカ ン・パカ いっしょにいこう

 うでを組んで、たのしさ100ばい!

 いつもの道も 知らない町も!空も海も私を呼ぶよ♬!


 両手に斧と剣を持った少女がスキップし、その後を大きなハリネズミが飛び跳ねて続く。

 最後に木之子がワイバーンの首を持ち上げ駆ける。


 問題はどこかあててみよう? 

 

 BINGO BINGO 足を、BINGO BINGO鳴らし!

 地球のこころを掴まえよう ヘイ!


「ン・パカ ン・パカ、誰か戦ってる」

「え?なんだって?」


 金属がぶつかり合う高音に混り、少女の叫び声が聞こえてくる。

『いやぁ・・・きゃぁ』って、村から遠いはずのこの森で私以外の子供の叫び声だ。


「行くの?」

「まぁ一応」

 ゴブリンが徘徊するような森で女性の声がするんです、無視して行く選択肢は無いでしょう?


 それに嫌な予感もする。

 この嫌な感覚は。危険を知らせる虫の知らせかも知れない。


(小鬼か中鬼か、それとも、もっと厄介な魔物が暴れているのか)

 行って見ないと、そう予感が告げるんです。


 目を瞑り自分の状態を把握。

 身体の中を澱み無く流れる魔力の感覚、筋肉に痛みは無く、関節も柔軟に動く。


(痛む箇所は無し、貧血の気も無しか)

 十分ですね。

[27連勤目の満員電車]一ヶ月休み無し!

 アレの絶望に比べたら全然マシだ。

 満員電車からの朝礼&社訓とくらべたら、この程度の疲労とストレスなんか皆無にすら思えます。


「さあ行こう・・・行きましょうか棘吉、木之子」

 身体が少し軽い、レベルってヤツが上がったのかも、ですが。


 簡易寝床でレベルアップとか、名作迷宮ゲームでしょうか。

(それとも確認していませんが、チートスキル[健康体] 常に疲労や怪我・病気・体調異常を全回復とかじゃないと思いたいですが)

 まぁ、これならキュアキュアしなくても戦えます。

 あとは・・・武器ですが。


 剣[ボロ]と手斧[壊れかけ]、素手よりマシって程度の武器で戦う事になるんですよね。

 後は覚えたばかりの魔法ですが、正直どれほどの武器になるのか解らない。


 下手に試し打ちして、森を破壊するのも今はSDGS的にNG。森林の無意味な破壊はだめです。

 1度やってしまいましたので『オレ、また何かやっちゃいました?』の二度目は正直嫌。


「森を破壊したせいで、環境保護団体が道路とか封鎖しにくるとか・・・」

「ん?なにか言った?」


「言ってません。

 といいますか、乙女の一人言は聞き流すのが紳士の役目ですわよ?」

 他人がブツブツ言ってたら無視するか距離を取る、それが社会人の常識。

 社会の常識をハリネズミに説明しながら走る私、常識って一体・・・


・・・・・・・・・


?「そこで止って」

 1時間ほど走っても息切れは無しです、さすがは夢。

 

 木々の間を抜け、草を飛び越え,木の根に転けそうになりながら走った先にヤツらはいた。


(ざっと見た感じ、20匹くらいですか)

 森林を抜け、走った先はゴブリンに囲まれているキュアだった。


(細身の剣・・・レイピア、上手く使っている)突きだけじゃなく斬撃も早い。

 足捌きは素人っぽいですが、キュア化しているから身体の動きが速い。


 ゴブリン共の隙間を素早く抜け、囲まれないように動いています。

 私ならあんな戦い方はしませんが。


「いやぁ!」気合を入れた一振りでゴブリンの腕を斬り飛ばし、横一線で首を切り

「きぇぇ!!」素早い突きで喉を裂く。


(うん、強いな彼女)


「ねぇ、助けないの?」

「彼女に助けは要らないでしょ?少なくとも劣勢には見えませんし」

 私が出ても行っても邪魔をする形になる。

 「アレは・・・多分訓練ですよ?」そう、実践訓練。

 生きたゴブリンを使って剣の訓練をしている、それ程の力の差が見てとれます。


「彼女が魔物を倒したら、その分レベルが上がるよ?」

「彼女はそのレベル上げをやっているんだと思います、私が行ったら邪魔になります」


「・・・彼女だけレベルが上がるのは危険だよ?

 おなじキュア同士、力の差は後々さ、困るんじゃない?」

「そのレベル至上主義、捨てた方がよろしいわよ?」下らないので。


 それともスカウターでも持って来ます?

 私、気をコントロールして力を爆発・上昇させるタイプの戦士かもしれませんよ?


『海皇拳!4倍だぁぁぁl!!!!』って。

 あとは消力?なぁ~んてね、うふふふっ。


『ギリッ!』顔を背けた棘吉から歯ぎしり音が、全くコイツは。


「戦闘力で全ての勝敗が左右するなら、人間はネズミにも勝てないんですよ?

 罠や毒ネコ、建築技術など知識を使って家からネズミを追い払ったんです。


 殺し合いではレベルとか戦闘力とかチートスキルとか、そんな物で全てどうにか出来ると勘違いした者から死んで行くんですよ」  

 自分が強者だと勘違いしたヤツから死ぬ、常識でしょう? 


「でもさ!キミだってあの赤カブトから逃げたじゃないか!」

「そりゃそうでしょう?勝てない相手からは逃げる、勝てない戦いはしない。

 勝てない戦いを回避する為に全力を尽くすのは当然じゃないですか」


 勝てない相手に挑んでケガするとか、アホです。

 まして死ぬとか、真性のバカのする事です。

 

 戦いは始める前が重要なのです、敵の戦力を計る重要性を知らないと死にますよ?

 戦闘力の数値化より、敵の強さを、苦手部分を見つける事に注視しなさい。

うんぱかまーち♬

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