表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/51

タイトル未定2024/03/26 20:20

「紐?ズボンの腰を絞っているのが紐?」

 男のボタンを外し、ズボンをずらして裾を括る。

 こうすれば直ぐに立上がる事が出来なくなるだろう。

 次に後手にした男の腕を脱がし、上着を捻って腕を縛った。


「さてと、いつまで寝てる!」男の持っていたナイフでヤツの脹ら脛を突き刺す。


「っがっ!が、なっ!?」

「ようやく起きましたか、話は出来ますか?」

 顎を打ち抜いて脳が揺れただろうから、目は回っているだろうが意識はあるでしょう?


「がっガキ、オレにこんな事をして」


「うるさくしないで下さい、大声は嫌いです」


『ゴキッ!』右手の一指ゆびを掴み、グイッと引く。

「ぐぎゃぁ!!」


「口を開く時は質問の答えだけです、それ以外に口を開けばもう1本折りますよ?」

『ゴキッ』さらに追加で折ってみた。

「うがぁ!」右手に中指がぶらんとうな垂れる。


「質問には黙秘は無しでお願いします。

 次ぎ、同じ事をしたら右手の指を全て折りますから」


 利き手の一指ゆびと中指を折って敵の無力化に成功、子供だと思って油断してるから。


「くはっ・・っクソ!」

「まずお聞きしたいのは、貴方が何者かって事ですが。。。どこのどなたで誰に頼まれました?」

 

「・・・!」

 一呼吸の沈黙を黙秘と捉え、薬指を握る。

 男の身体がビクンッと跳ねた。


「待て!待ってくれ!何の話だ!

 オレはこの辺で猟師をやってるバートってもんだ、誰に頼まれたとか、なんの事だ」

 

「この辺の猟師は女も狩るのですか?おかしいですね?」


 子供を犯して殺す猟師がどこに居る、、、それともこの世界じゃ常識なのか?


「ちっ・・違う、アンタがちょっと金持ちそうな子供だったから、脅して帰らせようとしただけだ。

他に他意は無かったんだ!」


「・・それで?」


「全部誤解なんだ、おれってこんな格好だから誤解されがちだが、ただの普通のどこにでもいる猟師なんだ、もう許してくれ頼む!」


「・・・・ただの猟師ですか、それにしては随分迫真の演技でしたね。

 股間まで膨らませてなぁ、オイ?」犯る気満々だっただろ?

 いい加減丁寧な喋り方も疲れてきた。

 全部の指をへし折ってから聞いたほうが、素直に喋ってくれるんならそうしようか。


「?!なっ、違う!それは・・女とはしばらくご無沙汰で、お嬢さんが美人だったから。

 男の本能ってヤツだ!もう何もしない、だからこの腕を解いてくれ!」


「美人なぁ、、、ところでお前、バートとか言ったな。

 この辺じゃそんなに儲かる獲物が獲れるのか?」


「この辺で獲れるのはウサギか鼠かイタチくらいだ、、、それがどうか・・」


「そうか、ウサギや鼠で所持金が金貨五枚、おかしいよな?

 イタチやウサギを何匹獲れば金貨に化けるんだよ?」

 ヤツからすれば、どうやらオレは儲かる獲物だったらしい。


「しかもコレ、前金だろ?オレを殺して金貨十枚・・十五枚か。

 イタチとかウサギ獲ってりゃぁ、良い儲け話だよな?」

 薬指をゴキッ!小指をベキッ!これで右手の指は全滅、本当にバカなヤツだ。


「ガキだと思って舐めるなよバート、こっちはいつでもお前を殺せるんだ。

 次ぎに下らない嘘を付いたら・・指でも切り落とすか」

 縛られた男とナイフを持った少女、どっちが強者か、少し考えるだけで解るだろ。

 それともバカは痛めつけられないと解らないのか。


「次ぎは左手の指を全部折る、それから手の爪を一枚ずつ剥がす。

 両足のふくら脛と太股をナイフでブッ刺して逃げられ無いようにしてから、徐々に身体の部位を削いでもまだその下らない演技を続けられるか試してみるか?」


 具体的に説明するオレを見るバートの顔は、目で見えるほど青くなっていた。


(ただの脅しなんだが)


 オレを殺そうとしている奴が想像通りなら、夜までにはここをはなれる必要がある。

 その為に確証が欲しいだけなんだ、あんまり手間をかけさせないでくれよ?


「誰から頼まれた?」

「知らない、本当に知らないんだ!」


「はぁ~~~ここまで説明しても状況を理解出来ないのか・・しゃぁ無しだな。

 まずは左手の指を全部折る、しばらくは両手が使えなくなるが仕方ないよな?」


「違う!違うんだ!本当に知らないんだ!

 猟師仲間のトーマが連れてきて!」


 バートが『この辺りで猟をしている猟師だ』と紹介された。

 酒を奢られたのが1月前、それから何日か酒と飯を奢られ、数日前に

『領主様の館へ続く道で服装の良い娘を見つけたら自由にして良い、正し、生きて館に戻られて泣き付かれたら困る』だと。

 

「領主様の娘さんを騙してカネを強請り取った悪い女だから、力尽くでも排除して欲しい。

そう言われたんだ」


「・・・その手段か犯して殺すか」

 まったくこの辺の治安ってのはどうなってるんだ、良識ってのは無いのかよ。



「ち、違う、この道で恐ろしい目に合えば2度と近寄らないだろう、って」

「それで?カネを貰ったんだ、そいつの名前くらい聞いただろ?」


「・・・」

「折るぞ?」


「女だ!ベルナと名乗っていたが多分偽名だ!それ以外は」


「なるほど、その女に頼まれたか・・」

 こいつ、やったな?それで言い含められたか、解りやすいヤツだ。


 女とカネを使ってまでオレを排除しようとするヤツがいる、それだけ解れば十分だ。


「大体解った」

 多分これ以上尋問してもバートは何も知らないだろう、時間の無駄だ。

 明らかに敵意がある人間・それもある程度の金持ちで。


「ベルナって女の容貌はどんなだ?美人か?」


「二十代後半~三十代後半で、赤色の混ざった黒茶髪の良いからだの女だった」


(十中八九、女は偽名を使っているな。

 それに髪は付け毛で隠せるし、化粧を使えば年齢も誤魔化せる。

 となれば後は身体か、いい女、ねぇ)


 ベルナと名乗った女に心当りは無い。

 それに顔を見た所で、以前の記憶的な物が無いオレに解る訳が無い。


 敵、か。見知らぬ誰かに追われる夢とか、ストレス溜ってたんだなぁオレは。 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ