君の名は
(魔力・・神器・魔道具を使って魔力自覚させる感じでしょうか・・・!)
[集中]そして[凝視]!・・これって!?
身体から湧き出す蒸気のような薄い熱。
揺らぎ、体から離れ、次々と身体から抜け出し散ていく体温のようなエネルギー。
(これが魔力なら、オーラのような感じで扱う事ができれば)
呼吸を整えてリラックス、全身脱力しながら皮膚触感に意識を集中。
逃げ出す熱で身体を纏うように意識し、洩れ出さないように体内に留め置くイメージを。
!?「なっ!?なんで?!もう魔力が循環しはじめてる?」
「集中してますので、少し静かにお願いします」
10代の頃に読んでいた漫画、その中に[念]っていう能力がありまして、私も子供の頃は良く真似をしてみたものです。
(それをまさか、実践する日が来るとは思いませんでしたが)
「普通なら何日か寝込んで、身体が魔力の流れを覚えるまで魔力が洩れ出し続けるんだよ?!
キミは一体??」
私の周りを興奮したハリネズミがぐるぐる回る、本当に静かにして頂けませんかね 怒?
「魔力は生命エネルギー、身体から出る熱と近しい物。
洩れ出したエネルギーを周囲に留め、熱を逃げないようにする技術は既に確立済みなんです」
熱いお風呂・冷たいお風呂、その中で体を動かさずじっとしているようなイメージでしょうか。
([纏]とも言います)
「魔力がもう安定してる・・・信じられない、キミは本当に何者なんだい?
こんな直ぐに魔力の制御を覚えるなんて」
「ただの社畜だ」百年に1人の逸材とかではありません。
むなしい・・・自分で言っていて涙が出そう。
せめて『ただのコックだ』と言いたかったです。
「・・・」言葉を吐きだす口は呼吸にのみ集中。
呼吸で取り込んだ酸素を血に取り込み、心臓の脈動が全身に酸素を廻らせる。
身体を廻る熱に意識を向け、血の流れを利用するように魔力?を全身に廻す。
(落ち着いて来ました、もう大丈夫でしょうか・・・)
10秒で身体の脱力を回復、15秒で無気力からの復活、30秒で私の足は歩き出す。
「ねっねぇ待ってよ!社畜ってなに?なんなのさ?」
「・・・」私は背中を向けたまま沈黙でこたえ、ショートソードを拾う。
手斧を拾い・・・
「止めといた方がいいよ?ゴブリンは人の食用には向いて無いんだ」
「別に喰おうと思ったわけじゃありません!」
・・・・喋るハリネズミ・・・喰べられるでしょうか?・・
(少し待ちましょう、、、この剣の借りもあります。
何を隠してるのかは解らないですが、表面上は意思疎通が出来る獣を捌いて食すのは、少し問題がある可能性が)沈黙の料理、露西亜の料理?
「じゃあさ、ボクが貰っても良い?
最初に会った時にも言ったけど、ボク、お腹が空いているんだよね」
血が足らず、上手く頭が回らない私の足下で、見上げるような目を向けるハリネズミ。
(見た目だけはサン○オなんですよねぇ、料理するのはやっぱり・・・?貰ってどうするのでしょうか?
こんな見た目でゴブリンを喰べるのですか?喋る獣が小鬼を?・・・ああっ、空腹で頭が回らないです)
食い物とか落ちないですよね・・・
そう言えばこのハリネズミ、寝ていた私を喰べようとしていたんでした。
耳を噛まれたし、ハリネズミは肉食でしたっけ。
「なにか食い物と交換でお願いします、私、今はタダで物を誰かに貰えらるほどの余裕はありませんので」
食べ物くらい持ってるでしょう?それとも魔法で探して戴いてもいいので。
「持って無くても、木苺とか茸くらい探せるますよね・・・」
そうだと言って下さい、お願いですから。
「キミはアレだね、賢いバカだね?
ボクがもし食べ物を持ってるんだったら、こんな所でお腹を空かせていると思う?」
誉められたのか馬鹿にされたのかはさておき「確かにそうでしたね」
「警戒心・瞬間的な作戦力と遂行力、会話の中から情報を拾う話術、
それだけ出来るのに現状把握能力が欠如している。
くふふふっ、ねえキミ、本当に何者なんだい?」
「そちらこそ何者なんですか、はぁもういいです。
そこのダイキラーイだかゴブリンの死体は持って行ってください、貸しにしてあげますから後で返してください」
現状把握能力の欠如、痛いところを突かれました。
実際いまの私は、ここがどこで自分が何者かすら理解していないんです。
(それをこの不気味な喋るハリネズミに知られるのは、まずいですよね)
早く離れ無いと。
「ダメ駄目、ボクはキミが名前を教えてくれるまで離れ無いよ?」
背中を向けた私をハリネズミの目線が怪しく追って来ます。
「それに、そのキュア プリティー・レインボーリボン[以降・リボン]をキミが身に付けている限りボクがキミを見失う事は無いんだ」
追跡機能付きストーカーアイテムだった、なんですかそれ。
呪物?呪われ装備は外せない?
「・・・ヒトに名前を聞く時はまず自分からです」
それ次第で偽名を名乗るか、それとも本名を名乗るか判断します。
「う~~ん、トールマンの社会は面倒だなぁ・・・僕らは名前を知られると[縛り]に捕らわれるんだ、だから」
ごにょごにょと口ごもるハリネズミ、やはりですか。
悪魔め!「・・・天と地と精霊よ!主と聖霊と光りの名において、悪魔よ!名を名乗れ!!!」
十字を切った私は、驚き顔で見あげるハリネズミを睨み付け、斧とショートソードで十字を作り迫る。
AMEN!!
「悪魔よ!名を名乗れ!聖なる主の御前でその名を告げよ!!!」悪魔よ主の信仰を欺くべからず!
「グッ・・ぐぁぁぁぁ!!なっなんで?なんで解っ!!」
「うるさいです!このチビ悪魔!
最初からポロポロと不穏な単語が聞こえてるんですよ!」
「ギャッ・・ぐぎゃぁぁ!!!・・っ!ボクを祓うつもり?っ!
そんな脆弱な身体で!ボクがいなければあのホブゴブリンに!!くはっ!」
悪魔の讒言[ざんげん]は聞こえません!
「いいから名乗りなさい!交渉はその後です」
「???こっ、交渉??ガァァッ!悪魔のボクと交渉だっ!?交渉だって?!」
「聖霊よ!神聖なる神よ!私はあんまり信仰していませんがお許しを!
私は自分を害さなければ悪魔だろうと悪人・狂人だろうとその手を取ります。
ですが正体不明の敵であれば交渉の余地はありません!」
「いっ、異常な現実主義者なんだねキミィ!?
でもダメ!ダメだ!ボクの名前は教えられない!!」
現実主義ではありません、使える物はなんでも使う主義なだけです。
「では仕方ないですね棘吉[仮]で、私も本名は教えられませんので([勇飛])・・・夕月・・・[ユヅキ]で」
“マスコット生物、ハリネズミ。個体名 とげきちが登録されました”
・・・「え?えぇ?!!!~~~~なんで!なっなんで?
ボクの名前がとげきちになってる!キッ!キミは一体何をしたんだ!」
え?知らないのですか?
捕えたマスコット動物とかモンスターは、名付ける事が出来るって、常識[仕様]ですよ。
現代知識チートの追加です。




