タイトル未定2024/04/03 21:39
目の前でトゲを立てるハリネズミを棒で殴り、石を投げ付けるゴブリン。
その攻撃は棘吉の[棘防御]が防ぐ。
ガサッ、突然背後に現われた少女は自分達を目に写し、素早く逃げ出す。
このトゲは囮だ!騙された!
怒りがゴブリンの思考を埋め尽くす、愚かに騙されたゴブリンは憤怒の奇声を上げティアナの後を追う。
獣の頭は食いでのある獲物を方を追いかけ、引き裂き、悲鳴を上げさせ犯しながら喰う事にのみ支配され、充血した目は獲物の逃げる後姿だけしか見えていなかった。
・・・・・・・・・・
湿度高い藪を漕ぐ、それは泳ぐような物だ。
早く進むためになのは、身体の大小では無く、いかに効率的に身体を動かすと言う事。
高い草の群れに逃げ込んだティアナは、身を屈めうずくまる。
息を殺し草のすれる音を聞く、すくそばにゴブリンが3体、獲物はたしか錆びた手斧と槍と小剣。
ざっ!ザッ!ざっ!草を苅る音、その背後に耳障りな2匹の声。
(バカが)
一番後にいるゴブリンの獲物は槍、背の高い草群で槍を持ったままとかアホ過ぎる。
しかも直線進行とか、『狩ってくれ』と言っているような物、ゴブリンが自分達で草を刈りながら道を作っている。
藪に隠れて遣り過ごし、その背後から飛び出せば間抜けなゴブリンの背中までの道がすでに出来ていた。
(なら真っ直ぐだ)草を刈る音で足音も掻き消える。
(背後が丸見えなんだよ!)
ゴブリンの作った道に素早く飛び出し、全力疾走のまま無防備な背中を1突き!
そのまま槍の前にいた手斧ゴブリンごと押し倒す!
グリッ!グリッ!死ね死ね!
ナイフを押し込み傷を拡げて素早く離脱!
背中の傷に悶え苦しむゴブリン、その下敷きになったゴブリン、2匹が絡み合い、身動きのとれないうちに退散。残り後2匹。
・・・・?
1度離れたティアナが距離とり、身体を縮こめ休んでいると、私が逃げていた方向にヤツらが進む音が聞こえる。
怒声を上げ乱暴に草を刈る音、それは私に対しての怒りと同時に『間抜け!』だの『バカが!』だの『無能が!』などと罵りあっていた。
獲物を追い込む猟犬の声なら解るが、光りの差さない藪の中で声を上げるバカがいる。
それが敵で、殺して良い魔物なら遠慮無く。
『敵が大胆に動くなら、こちらは静か、繊細に動け』
狙いはさっき殺しておいたゴブリンの槍だ。
背中から肝臓・胆嚢を突けば30秒も待たずに出血で意識を失う。
足音を消しながら慎重に草を分け、ゴブリンの死体に近づく。
背中を突かれ仲間に踏まれ、血と泥に顔を歪めた死体。
(一応)その首にナイフを通して確実に殺し槍を奪う。
死後硬直か末期の執念か、強く槍を握ったまま放さない指を切り落とし、槍を奪ったら直ぐに移動。
(槍の作りは悪いが、手斧相手ならナイフよりもマシだよな)
切れないナイフよりマシな武器を手に入れる、、、まともな武器がどこかに落ちて無いかなぁ。。
次ぎに背後から狙うのは、手斧もったゴブリン。
本来なら投擲で遠距離から殺したい所ですが、この身体では腕力が足りないでしょう。
投げて届くのか、そもそも投げた槍が刺さるのか、そんな非力な細腕。
命を奪うには全身全力を乗せ、体重をかけて突かないと死には届かない。
「と、言う訳で突貫です!」しねやぁぁ!!!
全力の不意伐ち!槍の穂先で狙うのは当然柔らかい腹。
ぶっ刺してやる!ゴブモツ[臓器]撒き散らせ!
ブッ!
1匹の腹を貫通した槍が2匹目の腹を突き刺した。
「gyalぁあぁ!!」「グギィィィ!!」
一石二丁、まだ私にも運がある、って事でしょうか。
生き物は腹を槍が貫通してもそう簡単に絶命しない。
ゴブリンは痛みと憎しみの目でこちらを睨み、叫び声を上げて暴れている。
「絶命するまで待つか」それともとどめを刺すべきでしょうか。
罠に掛った獣に不用意に手を出せば大怪我を負う。
(獲物が弱り、死神が命を狩る時まで見守るのも大事な事ですが)
槍で繋がった2匹のゴブリン、そいつらはお互い叫び罵りながら暴れ回る。
槍は長い藪の草が絡み、暴れる度に2匹の動きを縛る。
腹に空いた穴は動く度に血が溢れ出し、傷口が開いて汚れた体液が噴き出し地面を汚す。
槍が貫通した斧ゴブリンが膝から崩れ、ごぼっ、その重さで槍が剣ゴブリンの腹から抜けた。
「kaアア!!」痛みと怒り。
自分が槍を抜く邪魔していたゴブリンが不様に死んで「ようやく自由に動ける」そんな叫びにも聞こえた。
自分に痛みを与えたのは目の前のゴブリンであるように、死んだゴブリンの頭を蹴り、踏み、睨み付ける。
「お疲れさま」そんなバカを私が見逃すわけが無い。
背後で両手で握った私のナイフが、ゴブリンの首を突き刺し、首の中まで押し込んで上下に動かした。
「・・・・ふぅ、疲れた」
キッチリと息の根を止めてから、ゴブリンの短刀を奪い、斧ゴブリンの首を突く。
「手斧と短刀か、槍は・・・壊れましたか」
穂先は欠け柄は曲がり、ゴブリンの血と脂と体液でべとべとで槍はもう使えない。
『戦う為のカードは多く持て、それがクズカードであっても、いつかは使う時がある』
そんな言葉が頭を過ぎる。
「次ぎハリネズミですね」
情報は武器です、相手がうさん臭いハリネズミであっても、よい情報を聞き出す事ができればいいのですが。
重い足を上げノロノロ歩き出す、他にもまだゴブリンがいるかもしれない。
出来るだけ早く、安全な場所を確保して休みたかった
・・・・・・・・
寒気、嫌な予感の前兆が私の背中に冷たい汗を流させる。
この草の壁の向こうにいるナニカ、そいつは多分[避けて通るべき物]だ。
不意伐ちでなんとかできる相手じゃ無い、本能が逃走を選択する。
(逃げるか・・・)そう決めたら逃げるのは早い方が良い。
(良いの?このままキミが逃げたらアレ、[ダイキラーイ]が近くの町を襲うけど)
・・もうそれはいいって、で?何がいるんだ?
って[伝心]テレパス?
(マジカルランドのダークエナジーが、、って、こっちでの分類じゃ小鬼の上位種、中鬼かな?転生進化?今は存在進化っていうのかな?
キミがさっき殺し損ねたゴブリンが、死んだ仲間のゴブリンを喰って上位種に進化した見たいなんだ)
進化?・・ホブゴブリンか、しかも瀕死からの復活した直後。
テンションブーストとか掛ってるらしいです。




