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第1話 転生

 赤子が目を覚ます。


(ここは?)


 赤子が周囲を見渡した。


(どうやら成功したみたい)


 そんなことを思っていると、母親らしき人物が心配そうな表情で赤子の顔を覗き込んでいた。

 どうやら出産したばかりのようだ。


「あなた、この子泣かないわ。どこか悪いのかしら?」

「それは大変だ!」


 周りの雰囲気的に大事になりそうだと悟った赤子が、とりあえず嘘泣きをする。

 それを見て父親と母親が胸を撫で下ろす。


「心配する必要はなかったようだな」

「ええ」


 少しして、幼い男の子が部屋に入ってくる。


「母上! その子が!!」

「ええ、そうよ。今日からあなたがお兄ちゃんよ。しっかり妹の面倒を見てあげるのよ」

「うん! 名前は?」


 男の子が嬉しそうに話していた。


「この子の名前はティルテインよ」

「よろしくな。ティルテイン!」


 男の子が満面の笑みを向ける。


 あれから数ヶ月が経った。

 おおよそだが、この家族についてもわかってきた。

 ティルの兄の名は、グエル・ディア・ソリエティア。

 そして母の名がミカエラ・ディア・ソリエティアで、父の名がアレス・ディア・ソリエティアという。

 聞こえた話によると、どうやら子爵位の貴族みたいだ。


(出かけた時に領地を少し見たけど、私の家族が慕われててなんか嬉しかったな〜)


 そんなことを思いながら、今日もティルは全力で怠惰を貪っていた。


(赤ちゃんの体で出来ることなんて、たかが知れてるもんな〜)


 とか思いながら、ティルは魔力操作などの動かなくても出来る鍛錬を始めていた。

 鍛錬を始めて数ヶ月経った。

 その頃には、浮遊魔法が使えるようになっていた。

 両親や使用人が居ない時、部屋を徘徊するのが日課になってしまうくらいには、暇を持て余していた。


(この光景を見られたら終わりだよね〜)


 誰かに見られたら、と考えるとゾッとするものがある。

 そんな思いを抱いながらも、暇を潰すためには仕方ない、と自分に言い聞かせる。

 部屋を徘徊していて、ティルがあることをふと思った。


(私の容姿って、そういえばまだ見てないや。えーと鏡、鏡っと)


 ティルが周囲を見渡してそれらしい物を探すが、なかなか見つからなかった。

 仕方ない、と小さく息を吐いてティルが魔法の練習がてら、鏡を生成した。


(おお! 我ながら可愛いじゃん!! まあ、赤ちゃんだからって可能性はあるけど……)


 ふと現実のことを考えてしまい、思考が数秒停止した。

 鏡に映し出された姿は、右目が真紅の瞳で左目が少し灰銀色がかった瞳をしたオッドアイであり、髪はこの国ではあまり珍しくはない金髪だった。


(前世が黒髪だったからか、新鮮な気分!)


 そんなことを思いながら鏡を見ていると、鏡が消滅した。

 時間が来てしまった

ティルはまだ前世のように、魔法を使うことは出来ないないようだ。

 そして次なる暇つぶしの一環で、鑑定魔法を自分に使う。


(どれどれ)


 映し出された自身のステータスを覗き込む。



 ――ティルテイン・ディア・ソリエティア Lv1 +1

  種族ヒューマン(???)

  筋力B  俊敏B

  耐久C+ 魔力EX

  魔導EX 幸運C


  職業スペル・キャスター Lv9■9■

    ロスト・キャスター Lv■■99

    エレメンタル・キャスターLv■999

    ウォーロックLv99■■

    ロスト・スペラーLv9■■9

    ロード・キャスターLv■999

    エレメンタル・スペラーLv■99■

    オーバーロードLv9■■■

    エンペリスLv■■■9

    ラグナレスト・オーバーロストLv■■■■


    タップで全て表示


  スキル一覧

     大賢者A+

     破壊者S

     厄災の獣B

     数字の悪魔C+

     対魔力EX

     神性D

     魔性C-

     魔導EX

     叡智EX

     原罪の権能A

     異界の理B

     七つの龍冠C+

     自己改造S

     陣地作成EX

     第八の厄災EX

     試作無管世界アトリエEX

     侵食魔力A

     世界の法則(魔法)SS

     先駆者(魔法)B

     領域外生命B

     ゼノ・ロギスA


     タップで全て表示


  弱体化一覧

     魔力回路の接続が解除された状態

     器が魔力及び魔法に耐えきれない状態

     

     タップで全て表示


 自分のステータスを見たティルは、唖然としていた。


(なんか……人やめてない? これ……。それにスキルの量がおかしいし、クラスレベルに関しては、表記がバグってるじゃん……)


 転生した結果、弱くなってるとかがほとんどない。

 弱体化に関しては、ティルの予想を超えることは無かった。

 

(流石にこれじゃあ、あれだよね……)


 苦笑い気味に、ステータスの改竄と封印を始める。


 ――ティルテイン・ディア・ソリエティア Lv1

  種族ヒューマン

  筋力C  俊敏B

  耐久C+ 魔力D

  魔導B  幸運C


  職業なし

  スキル一覧

     魔導適性B

     絶望の背水攻刃EX

     剣術F


 改竄後のステータスを見て、満足そうにティルがしていた。


(よし! これで人の範疇だよね……うん! そうに違いない。体が壊れそうだったから、やばいスキルは魂との接続を解除したし、一部スキルを一時的に弱体化したから後顧の憂いなく過ごせるね)


 ひと仕事やり切ったことで、眠気が襲ってくる。


(今世は魔法剣士でも目指そうか……な……)


 新たな目標を胸に眠りに落ちるのだった。

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