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ロストワールド2020

作者: ロック

この世界では兎が二足歩行を行い、言語によるコミュニケーションができる高等生物であった。

"ヒト"と呼ばれる家畜たちに兎達が餌を与えており、愛玩家畜として、ヒトを可愛がっていた。

しかし、1匹の優秀な兎は気づいていた、ここが"箱庭"であることを。


兎は、箱庭から抜け出すために地下深くにある研究所で、ワープ装置を兎の祖父の残した設計図をもとに設計を行なっており、そして兎が15歳の頃にワープ装置は完成した。

兎はワープ装置のボタンを押し、箱庭から見事に脱出ができた。


2020年地球

未知のウイルスによって人口の半数以上は、そのウイルスによって死に、人類は火星移住計画と感染拡大防止のために国民に自宅謹慎を命じた。

AIが発達した世の中、謹慎中の食事や、買い物、デリバリー等は全て人工知能を搭載したロボットが全てをおこなっており、国民の大半はメタバース内で仕事を行なっていた。


ウイルスに対し免疫のあった兎は、ひとまず、民家に駆け込む。

アパート住まいの青年レンは、二足歩行の兎に対し、興味を示し、彼に日本の言語を教えた。

1時間で言語の殆どを習得した兎に、彼はのあと名前をつけた。

のあというのは、彼が愛した1人の女性の名前であった。


レンは、デリバリーでハンバーガーセットを2人前、注文した。

この兎は見た目こそ兎であるが、人間と生体構造が酷似していた。

レンは、のあに「この星は終わりを迎える」ということを伝えた。

のあは「地球は滅ぶかもしれないが新天地に行けば良い」と提案。

レンは、「聖書」に登場するエデンに行きたいという理想論を話した。

「じゃあ、行こう。エデンに」

「あはははははははは!のあ!君は馬鹿か!?エデンは実在しないんだよ!

聖書っていうのは言ってしまえば創作物に等しいものなんだ」


「できるよ」

ノアは、レンの大学ノートとペンに、ワープ装置の設計図を書いた。

5日後に設計図は完成した。

「レン、お願いがあるんだ」

「なんだ」

「ワープ装置の部品を調達してほしい。」

「のあ、この地球のテクノロジーを知らないな?今じゃ3Dプリンターで、材料さえあればどんなものでも作れるんだ!」

「そうか!」

「それに足りない材料は通販で購入すれば良い」

「ありがとう・・・レン・・・」

「そういえば、のあ、俺はお前の性別を知らない…いや、お前に性別の概念があるかは、わからないが・・・」

「僕は、"女"と箱庭ではカテゴライズされていたよ」

「そうか・・・」


レンは、のあをぎゅっと抱いた。

そして、レンはのあの首にキスをした。

「きもい!やめろ!変態!」

のあは、レンにビンタした。

「俺は20歳!童貞無職なんだよ!」

「うるさい!他の女とやれ!」


紆余曲折あり、2ヶ月後にワープ装置が完成した。

「のあ・・・1人だけ呼びたい人がいるんだ」

「誰?」

「俺が片想いしてる・・・ヨッコラ瀬という人だ」

「へえ、勝手に呼べば?」

「来て・・・くれるかな?」


彼はDMで彼女を誘った。

しかし、彼女からのDMは、返ってくることはなかった。

「ちぇ、DM無視しやがって」

「そりゃお前のDMが気持ち悪いからだろ」

そして、のあは、ワープ装置のスイッチの前に立った。

「後戻りはできないぞ?」

「良いよ。どうせこの世界は失われる。

ロストワールドになるわけだ」

「へえ」


のあは、ワープ装置のスイッチを押した。


そして、そこは地球かどこかよくわからないネモフィラ畑の中だった。

ネモフィラ畑には全裸の少女の姿がいた。

「むぅぅ!むい!むい!」と言語を知らない少女はネモフィラ畑の近くにある果樹園の実を食べていた。

果樹園には様々な果実があり、食べる物には困らなそうだった。

「そうか・・・ここがエデンか・・・」


彼女が言葉を知らない理由、それは、果樹園の中央にあるりんご型の"禁断の果実"をまだ食べてないからだ。


「のあ、あのりんごを全部食べてくれ。

食べきれなかったら、木ごと燃やしてくれ」

「どうしてだ?レン」


「決めたんだ、過ちはもう繰り返さないって」


2020年 ウイルスによって人類の半数が死亡

2021年 ネモフィラに含まれる成分によってウイルスに対し効果があることが証明され、罹患者は激減して、ほとんどの人類はウイルスに抗体を持った。

しかし、2022年、ロシアとウクライナによる戦争によってロシアが核兵器を用い、人類は滅亡した。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 人類は滅亡してしまいましたね。 のあとレンがたどり着いた「エデン」は同じ轍を踏まずに済むのでしょうか…。
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